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理学療法士の転職事情と転職先の選び方

理学療法士は比較的離職率の高い職種と言われています。それは国家資格を持ち、専門職としての職域が確立されており、高齢化の進む現在社会において次の就職先を探すのも容易であると言われていることなど、その理由はいくつかあげられます。では実際の理学療法士の転職事情はどうなっているのか?本当に転職は容易なのか?紹介していきます。

理学療法士が転職を考えるのはどんな時?

3年以上の期間学んで国家試験に合格し、登録をすると晴れて一人前の理学療法士として活動できるようになります。
誰しも期待を胸に仕事に就く事になりますが、その仕事を続けるかどうか悩むとき、それは一体どんな時なのでしょうか?

思っていた仕事ができない
人間関係が悪い
拘束時間が長い・残業が多い
・患者と患者の家族・医師との板挟みになる
体力的にきつい

などが理学療法士が転職を考える理由として多いものになります。

理学療法士の職場

理学療法士の職場はどのような場所になるのでしょう。
主な理学療法士の職場には以下のようなものがあり、それぞれで行われている仕事内容をまとめて紹介します。

病院などの医療機関

総合病院はもちろん、整形外科などに併設されたリハビリ施設も理学療法士のフィールドです。
病院の場合、小さな子どもから高齢者まで幅広い人のリハビリを担当することになります。
施設によりますが、診療時間がきちんと決まっているので、残業は少ない傾向があります。

介護施設・老人ホームなどの高齢者施設

高齢者の日常生活に必要な動作を維持・回復させるためのリハビリテーションを行います。
自力歩行のできない高齢者の歩行訓練や、立つ・座るなどの動作をより負担を少なくできるように訓練したり、弱っている筋力を回復したりするようなメニューなどを考案します。
高齢者とのリハビリテーションは、本人のほかにその家族とのコミュニケーションも必要になります。
同じ人に長期で関われるため、リハビリの細かい成果を確認しやすくやりがいを感じることも多い職場です。
しかし診療時間などが病院ほどきっちりと決まっていない施設が多く、他の職場に比べて残業が多いといわれています。

地域の保健センター・福祉センター

地域の障がい者施設や、保健センターなどでリハビリを行う理学療法士もいます。
地域に根付いた訪問リハビリテーションや、地域の障がい者に対して行うリハビリテーションなどが主な仕事になります。
訪問リハビリテーションを行う高齢者の家族に、自宅できるリハビリメニューの説明を行うこともあります。
診療時間が決まっているので、定時に帰れる施設が多いようです。

在宅介護の高齢者のお宅

フリーで活動して、地域で暮らす在宅介護が必要な高齢者宅を回る理学療法士もいます。
事業所に所属して、リハビリを必要とする在宅介護の高齢者のお宅を訪問する理学療法士もいます。
高齢化が進む日本において、今後増えていくことが予想されるフィールドです。
働き方によりますが、フリーの場合は遅くまで働くことも、定時で切り上げることもある程度自身の裁量で決められます。
土日休みが確保しやすかったり、報酬が比較的高かったりするなどの待遇面で恵まれていることが多い傾向にあります。

理学療法士養成所などの教育機関

理学療法士のニーズの拡大にどもなって、理学療法士の教育機関も増え、その教員の需要も増えています。
臨床実習指導の経験を積むことによって臨床実習指導者の資格を受験する事もできるようになります。
養成所によって待遇なども大きく違ってきますので、就職の際に条件実際の働き方などについて確認しましょう
できれば働いている人の意見なども聞けるといいでしょう。

一般企業

理学療法士としての知識や技能を活かして、一般企業に勤める理学療法士もいます。
リハビリに関する書籍の編集や、介護用品を制作する企業などで介護に関する知識を活かしたりなど、メーカーでその知識を活かせるフィールドもあります。
何をしている企業に就職するのか、どんな内容を担当するのかなどによって、大きく条件が変わってきます。
仕事の内容によっては、時期によって波のある職種も考えられます。就職を決める前に条件や、社内の雰囲気を確認しておくといいでしょう。

スポーツ施設

いまや理学療法士のフィールドはどんどん広がっています。理学療法士だからリハビリだけを行うという考え方も変わりつつあります。
スポーツの場面で起こりうるケガのリスクを回避するためのストレッチや、実際の故障からの回復を早めるリハビリなども理学療法士の仕事領域になっています。
理学療法士の資格を活かしながらスポーツに関わりたいと思う人には魅力的な仕事といえます。
ただし就業条件は施設によってかなり開きがあるので、やりたいこととやれる範囲をしっかり確認して就職に備えましょう。

理学療法士の働くフィールドはこのように広がりつつあります。
自分で新しいフィールドを切り開いていくこともまだまだ可能だと思います。
まずは自分に合うフィールドを探して、自分のスキルを磨き知識を増やし、できることを増やしていきましょう。

<関連リンク>
理学療法士の就職先は増えている?就職事情から今後期待される仕事まで
理学療法士がスポーツ業界で活躍するために必要なことを紹介!

理学療法士の転職とその条件とは?

転職を思い立った理由にもよりますが、どの職種の転職にもまずいえることは、あまり短いスパンでの転職はオススメできません。前職から1年以内の転職などの場合は、通常よりも転職の理由や志望動機などに気をつける必要があります。

近年になって養成校が増えたこともあり、理学療法士業界の全体的な年齢は若い傾向にあるため、40代以降の転職の場合は難しくなると言われています。

しかし理学療法士のフィールドは確実に広がっており、高齢化社会の到来に伴い、理学療法士の需要も増え続けることは間違いありません。
働くフィールドを選ばなければ転職先に困ることはないでしょう。

自分が転職したい理由をまず整理して、その理由を解消できる職場はどこなのか、洗い出しから始めましょう。
せっかく転職しても、前の職場と変わらなかった、では転職した意味がなくなってしまいます。

転職の時に考えておくべき条件

転職の際には必ずチェックしておかなければならない条件があります。
自分にとって絶対に譲れない条件はどれなのか、優先順位をきちんとつけて整理しておきましょう。

年収
金額にして現状よりもいくらプラス、などの具体的な数字を出しておきましょう。
転職の目的が年収ではない場合でも、現状維持なのか下がってもかまわないのかなど、基準を決めておく必要があります。

仕事内容
リハビリテーションを行うのか、リハビリの知識を活かした別の仕事をするのか、スポーツ関連の仕事に就きたいかなど「後からこんなはじゃなかった」と思わなくて済むようにできるだけ明確なビジョンを描いておくことが大切です。

勤務時間
理学療法士の職場の中では介護施設などの介護関係の職場は勤務時間が長い傾向があるようです。勤務時間の長さよりもやりがいが大事!と思う理学療法士もいますし、子育て中のために勤務時間は絶対に譲れない、という人もいると思います。その時期その時期に合わせて選ぶ条件は変わってくるものなので、自分の状況に合わせて条件を決めましょう

勤務地
通いやすいことを条件にする人もいると思います。逆にやりたい仕事ができるのであれば、勤務地はどこでも構わないという人もいるでしょう。優先順位のどこに勤務地をおくのか、といったことを考えてみてください。

福利厚生
当直のある職場の場合は当直手当や特殊勤務手当、そのほかにも居住手当・通勤手当などの手当関係が充実しているケースも多いようです。また事業所によってはセミナーや勉強会への参加を積極的に支援してくれるところも。ただしこういった福利厚生については職場ごとに全く考え方も違うので、福利厚生の優先順位を高く考えている場合は、事前の下調べをしっかりしておく必要があります。

転職でつかむ理想の理学療法士の仕事

理学療法士は離職率の高い仕事だと書きましたが、理学療法士の仕事のフィールドが広がっていることから、より条件のいい職場ややりたいことができる職場を選べる傾向があることがわかりました。

しかしどんなにフィールドが広がっているとはいっても、新しい知識やスキルを学ぶ意欲のない理学療法士はどのフィールドでも求められてはいないでしょう。
日々進歩する医療業界において、常に新しい技術や知識を貪欲に求める意欲のある理学療法士だけが、新しいフィールドで活躍していけるのだということを忘れないでください。

必要なスキルを身につけた上で、自分のやりたい仕事は何なのか、今の仕事とどう違うのか、どう変わったらやりたいことができるようになるのか。
自分の中の仕事に対する優先順位はどこにあるのか。これらの情報を整理し、次の仕事を探すことで、理想の理学療法士により近づいていけるはずです。

・理学療法士の離職率が高いのはプラス転職が可能だから
・常に新しい知識とスキルを学び続けることが、転職の際にも生きてくる
・転職先を探すときは、やりたいことを明確に、条件には優先順位をつける

<参考>
理学療法士を取り巻く状況について -公益社団法人日本理学療法士協会-
統計情報 – 公益社団法人 日本理学療法士協会

<関連リンク>
理学療法士の就職先は増えている?就職事情から今後期待される仕事まで
理学療法士がスポーツ業界で活躍するために必要なことを紹介!
理学療法士の仕事って?その将来性は?

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YUMI

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某情報誌とサイトの編集者として15年以上勤務し、自身も編集者時代からダイエットとリバウンドを繰り返した経験を持つエディター兼ライター。現在はダイエット関連の記事を400本以上担当しつつ、3児の母として日々育児に奮闘している。

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