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理学療法士国家試験の合格率はなぜ高いのか?わかりやすく解説!

理学療法士の合格率は受験者全体で84.1%!

理学療法士は国家資格であり、ケガや病気などで身体に障がいのある人や障がいの発生が予測される人に対して、座る・立つ・歩くなどの基本動作能力の回復や維持、および障がいの悪化の予防を目的としたサポートを行います。
運動療法や物理療法を用いて、自立した日常生活が送れるように支援する医学的リハビリテーションの専門職です。

理学療法士の合格率では、直近10年の平均が受験者全体で84.1%と非常に高い水準を維持しています。
どうして理学療法士国家試験の合格率は高いのか、その理由を説明していきます。

理学療法士の合格率推移

理学療法士国家試験の平均合格率が受験者全体で84.1%ということがお分かりいただけたと思います。
しかし、平成28年度に実施した第51回理学療法士の合格率は74.1%まで下がり、平成29年度に実施した第52回理学療法士の合格率は90.3%まで上がるという大きな変動が起きました。

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成31年度 12,605人 10,809人 85.8%
平成30年度 12,148人 9,885人 81.4%
平成29年度 13,719人 12,388人 90.3%
平成28年度 12,515人 9,272人 74.1%

作業療法士合格率

作業療法士国家試験の受験者全体の平均合格率は79.7%で、大きな変動はありませんでした。
※第51回~第54回作業療法士国家試験の合格発表より(平成28~31年度)

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成31年度 6,358人 4,531人 71.3%
平成30年度 6,164人 4,700人 76.2%
平成29年度 5,983人 5,007人 83.7%
平成28年度 6,102人 5,344人 87.6%

<関連リンク>
理学療法士国家試験の難易度は高い?そこに内在する難しさと厳しさとは?

理学療法士の合格率は新卒者が高い!

勉強をしている女性

第51回から第54回理学療法士国家試験の合格率を比較して分かるように、新卒者の合格率はどれも高い数値を記録しています。
専門学校などで、講師による国家試験対策やグループ学習・全国統一模試・国家試験の過去問題を分析した学内の模擬試験を定期的に実施しており、現役学生は既卒者と比べて理学療法士国家試験に特化した学習環境が整っています。

一方で、既卒者の合格率はどれも低い数値を記録しています。
理学療法士の資格が必要な場合は、専門学校の場合も大学の場合も、在学中に資格取得を目指すことを優先して考えましょう。

第54回理学療法士国家試験における新卒者と既卒者の合格率

第54回理学療法士国家試験の合格発表より、既卒者の合格率48.3%と比べて新卒者の合格率は92.8%と、およそ2倍高いことが分かりました。

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士 12,605人 10,809人 85.8%
うち新卒者 10,608人 9,845人 92.8%
うち既卒者 1,997人 964人 48.3%

※参考:厚生労働省 第54回理学療法士国家試験及び第54回作業療法士国家試験の合格発表について

第53回理学療法士国家試験における新卒者と既卒者の合格率

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士 12,148人 9,885人 81.4%
うち新卒者 11,033人 9,679人 87.7%
うち既卒者 1,115人 206人 18.5%

※参考:厚生労働省 第53回理学療法士国家試験及び第53回作業療法士国家試験の合格発表について

第52回理学療法士国家試験における新卒者と既卒者の合格率

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士 13,719人 12,388人 90.3%
うち新卒者 10,721人 10,319人 96.3%
うち既卒者 2,998人 2,069人 69.0%

※参考:厚生労働省 第52回理学療法士国家試験及び第52回作業療法士国家試験の合格発表について

第51回理学療法士国家試験における新卒者と既卒者の合格率

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士 12,515人 9,272人 74.1%
うち新卒者 10,562人 8,662人 82.0%
うち既卒者 1,953人 610人 31.2%

※参考:厚生労働省 第51回理学療法士国家試験及び第51回作業療法士国家試験の合格発表について

既卒生の合格率は低い!

ノートとペン

既卒者の合格率が低い理由は、さまざまだと思われます。
既に学校を卒業しておりアルバイトをしている場合や、周りに理学療法士を目指す仲間が少ないなど、さまざまな葛藤がある環境で勉強をすることになると思われます。
また勉強でも、一般問題と比べて実地問題は臨床での現場を想定した応用力を問う問題が多く、専門性が高く座学だと理解の難しい問題が出題されます。

実際にアルバイトなどで現場経験を積んでいる場合、教科書通りではない臨床の経験などが逆に邪魔をするケースも考えられます。
たまたま出会ったケースは、いろいろな要素を考慮した結果、教科書通りの結論には至らなかったけれど、教科書を踏襲する答えはこうなる。
こういったことを頭の中で常に切替えられるようにしておかないと、試験の際に誤った回答をしてしまうことになりかねません。

理学療法士国家試験の試験内容・対策

試験対策

理学療法士国家試験は、例年2月から3月に実施されます。
2月までの年間スケジュールを立てて、どれだけ計画的に「問題を解いた」かどうかが合否を別けるほど重要です。

専門学校では、3年次の3月から「早期国試対策講座」を開き、基礎科目や臨床科目のほか、解剖学などの配点が高い教科を中心とした特別集中講座を複数回実施しています。
さらに、仲間と一丸となってグループ学習を行い、お互いに教え合い理解を深めることができます。
特別講義模擬試験などを効果的に活用することで、自分の弱点を把握して、合格に向けた対策ができます。

理学療法士国家試験を合格しよう!

グーサインの人々

理学療法士国家試験の合格率が高いことがお分かりいただけたと思います。
しかし、新卒者と既卒者ごとの合格率には大きな差があり、誰でも簡単に合格できる国家試験ではありません。

学習環境の整っている専門学校・大学に在籍している新卒者でも全員合格が難しいのが現状です。
そのため、既卒者ではより環境を整えにくく、国家試験合格は難しいと思われます。

「不合格のときの勉強法」を「合格する勉強法」に変える必要があり、国家試験の大半の問題はただ覚えれば解けるような問題だけではありません。
そのためさまざまな問題が解けるように、過去問を解いて苦手をなくすことが大切です。
一気に覚えることは不可能なので、スケジュールを立てて計画的に勉強する習慣を付けましょう。
理学療法士国家試験に合格して活躍されることを願っています。

<参考>
厚生労働省 第54回理学療法士国家試験及び第54回作業療法士国家試験の合格発表について
厚生労働省 第53回理学療法士国家試験及び第53回作業療法士国家試験の合格発表について
厚生労働省 第52回理学療法士国家試験及び第52回作業療法士国家試験の合格発表について
厚生労働省 第51回理学療法士国家試験及び第51回作業療法士国家試験の合格発表について

<関連リンク>
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