ベンチプレスの理想的なフォームとは・目的別に解説

ベンチプレスの効果的なやり方は?

見よう見まねでやってるけど、効果がない・・・

ベンチプレスを上手くできるようになりたい!

という人向けに、この記事ではベンチプレスの理想的なフォームから、筋肥大を目指すフォーム重量アップを目指すフォームなど、具体的なやり方を解説していきます。

ベンチプレスを上手くできるようになれば、大胸筋をメインに上半身の筋肉を効果的に鍛え上げることができます。

ベンチプレスを上手くできるようになりたい人は、この記事をぜひ最後まで読んでみてください。

ベンチプレスの理想的なフォームの考え方

ベンチプレスはフリーウエイト種目で、バーが不安定な状態で軌道をコントロールしながら動作しなければならないので、正しいフォームの習得が非常に大切です。

フォームが身についていなければ、使用重量を向上することもできませんし、当然筋肉も大きくなりません。

ましては、フォームが悪いことで関節に負担がかかってしまい、怪我をしてトレーニングができなくなる可能性もあります。

ベンチプレスをおこなって身体を変えたい人は、まず最初に正しいフォームの習得を考えて取組んでみてください。

ベンチプレスとは

ベンチプレスとは、胸の筋肉である大胸筋を鍛えるウエイトトレーニング種目の一つで、専用のベンチプレス台を使用しておこないます。

スクワットやデットリフトと共に、パワーリフティング競技の主要種目に選ばれており、比較的重たいウエイトを持上げることができる種目です。

ウエイトトレーニングをおこなったことがある人であれば、一度はベンチプレスにチャレンジしたことある人も多いのではないでしょうか?

安定したトレーニングマシンを使用して鍛える方法と比べて、不安定なバーベルを持上げるベンチプレスは、正しいフォームでおこなわないと、大胸筋を効果的に鍛えることはできません。

ベンチプレスによって負荷のかかる筋肉の部位

ベンチプレスによって負荷のかかる筋肉の部位は次の通りです。

  • 大胸筋(胸)
  • 三角筋前部(肩)
  • 上腕三頭筋(腕)

メインとして鍛えられるのは胸の大胸筋ですが、補助として肩の三角筋の前部や、腕の上腕三頭筋を鍛えることができます。

なので、ベンチプレスを正しいフォームでおこなって、強度の高いトレーニングを継続すれば、たくましい上半身を手に入れることが可能になります。

反対に間違ったフォームでベンチプレスをおこなうと、肩や腕ばかりに負荷がかかってしまって、大胸筋を効果的に鍛えることができません。

ベンチプレスの効果を高めるためにも、正しいフォームが大切になります。

理想的なフォームのパターン

ベンチプレスの理想的なフォームは次の通りです。

  • 足の裏・お尻・肩甲骨・頭をベンチ台につける
  • バーをラックから持上げる
  • みぞおちのあたりにバーをコントロールして下げる
  • バーが胸に軽く触れたら、勢いよくバーを持上げる
  • 以上の動作を繰り返す

この流れでおこないます。

よくある間違いとしては、お尻がベンチ台から離れて、ブリッジしたようなフォームでおこなうことと、バーを胸まで下げないことです。

これはどちらも、動作範囲が狭くなってしまう原因になります。

動作範囲が狭くなれば、筋肉を最大限動かすことができず、ベンチプレスの効果が半減してしまいます。

理想的なフォームは、動作範囲を広くとって、バーをコントロールしながら動作を反復することです。

筋肥大を目指すなら!山本義徳氏のベンチプレスフォーム

参考動画:【必見!】ベンチプレスで260kgをあげた際のトレーニング方法を教えます!

ベンチプレスで大胸筋の筋肥大を目指すなら、筋力を向上して重量を増やしていくことが大切です。

筋力は筋断面積(筋肉の大きさ)と比例する特徴があるので、ベンチプレスで持上げられる重量が増えていけば、大胸筋も大きくなっていきます。

重量がなかなか向上しないと悩んでいる人は、山本義徳氏が最高で260kg(非公式)を持上げられるようになったトレーニングスケジュールを参考にしてください。

山本義徳氏とは?

山本義徳氏とは、ボディメイク業界で非常に知名度のある人物で、筋肉博士と呼ばれています。

元々ボディビルダーやパワーリフターとして活躍していた経歴があり、自身の経験を活かしたYouTubeチャンネル「山本義徳 筋トレ大学」は登録者数47.5万人(9月27日時点)を達成しています。

他にも、多くのトップアスリートの栄養指導やトレーニング指導をおこなっており、これまでに30冊以上の本を出版しています。

元々パワーリフターとして活躍していたこともありますが、ベンチプレスは最高で260kg(非公式)を上げています。

山本義徳氏の推奨するベンチプレスとフォーム

まず、山本義徳氏がおこなっていたトレーニングスケジュールは次の通りです。

  • 胸・二頭
  • OFF
  • 肩・背中・三頭
  • OFF

このスケジュールでおこない、ベンチプレスをおこなう日に余計な疲労が残った状態ではなく、フレッシュでしっかり回復した状態でおこなえる状態を作りました。

ちなみに、高重量でおこなうベンチプレスは胸・二頭の日だけでしたが、肩・背中・三頭の日にも、軽重量でのベンチプレスをおこなっていたそうです。

回数とセット数は次の通りです。

  • 高重量でおこなう日=6回×3セット
  • 軽重量でおこなう日=高重量でおこなう日の80%の重さで5回×3セット(とても楽な状態)

この方法で、山本義徳氏はベンチプレス260kg上げるまでになりました。

鍛えられる筋肉と理想的なフォームのための注意点

動画ではフォームについて語られてはいませんでしたが、山本義徳氏は高校2年の時に初めてベンチプレスをおこない、当時から60kg〜80kgほど上げられていたそうです。

当時から力が強く、高校生のころから本格的にベンチプレスをおこなっていたことから、解説したような正しいフォームが身についていたことが考えられます。

また、ベンチプレスを向上させるための勉強も惜しまず、研究しながら努力を重ねていたことが動画から分かります。

山本義徳氏のトレーニングスケジュールは、テッド・アーシディというベンチプレスチャンピオンのトレーニング方法を参考にしたものです。

正しいフォームでおこなってこそのトレーニングスケジュールなので、フォームができていない状態で無理に真似しないように注意してください。

重量にこだわるなら!安治川正人氏のベンチプレスフォーム

参考動画:モンスタージャパン安治川正人ベンチプレス 記録集

筋肥大よりも、とにかく重量にこだわりたい人は、安治川正人氏が参考になるでしょう。

ベンチプレスの使用重量を伸ばしていくには、テクニック・トレーニング方法・メンタルなどさまざまな要素が関係し、根気よく続けていく必要があります。

安治川正人氏のYouTube動画を見れば、1セットをおこなうまでの集中力の高め方・雰囲気・気合いを感じることができます。

ベンチプレスの重量を向上させていくには、自分の限界への挑戦を繰り返しおこなう必要があります。

安治川正人氏とは?重さ

安治川正人氏は、ベンチプレッサー兼トレーナーとして活動しており、ベンチプレスの自己記録は最高で262.5kg(非公式)を達成しています。

筋トレを本格的に学ぶために、アメリカのゴールドジムに筋肉留学に行ったり、自身の経験を活かしてパーソナルトレーナーとして活躍しています。

TwitterやInstagram上で超高重量を使用したトレーニング動画を公開しており、どのトレーニングも常人では考えられない重量を扱っているので、見ていて非常に面白いです。

安治川正人氏の推奨するベンチプレスとフォーム

安治川正人氏はベンチプレスの重量を向上するために、大切なこととして、トレーニング強度を高めることを推奨しています。

トレーニング強度は、使用重量・回数・種目などをアレンジしながら高めることができ、前回と同じ刺激を与えるのではなく、前回を上回る刺激を与えていく事が重要だと安治川氏は言います。

強度の低いトレーニングを続けていても、身体を変えることはできませんし、使用重量を向上させることもできません。

安治川正人氏はパーソナルトレーナーとして専門で指導しているので、指導を受けたい人は奈良県にある「Monster Japan」を訪れてみてください。

あげられる重量と理想的なフォームのための注意点

では安治川正人氏のような超高重量を上げられるようになるための理想的なフォームと注意点を紹介します。

高重量を上げるために理想的なフォームのポイントは次の通りです。

  • 毎回同じ軌道でバーを持上げる
  • 下半身にも力を入れて身体を安定させる

まず、高重量を上げるには最も力が発揮しやすい軌道を見つけて、必ずその軌道でバーを持上げることが大切です。

初心者にはかなり難しい話ですが、ベンチプレスをおこなっていて、力が上手くバーに伝わってすんなり持上げられた経験は一度はあるはずです。

安治川正人氏のような重量を上げられるようになるには、毎回ベストな軌道で上げることが重要です。

また、下半身にも力を入れて、身体を安定させておこなうことも大切です。

高重量を使用したトレーニングは怪我と隣合わせなので、身体が不安定な状態でおこなっていると、いつか怪我をしてしまいます。

なので、足をしっかりと床について、床を踏込むように下半身全体に力を入れた状態で動作をするように練習してみてください。

ベンチプレスのフォームによって変わる鍛えられる筋肉

ベンチプレスはフォームのアレンジをおこないやすく、フォームを工夫することで鍛えられる筋肉を変えられます。

あえて通常のベンチプレスとは異なるフォームで動作することで、大胸筋以外の筋肉をメインに刺激でき、通常のベンチプレスをおこなった際に、より使用重量を向上させることに繋がります。

毎回同じベンチプレスだけを繰返しおこなっても、いつかは重量の伸びが停滞してしまうはずなので、以下の方法で工夫して鍛えていきましょう。

ベンチプレス記録のために必要な筋肉3つ

ベンチプレスの使用重量記録を向上させるために、必要な筋肉は次の3種類です。

  • 大胸筋
  • 三角筋前部
  • 上腕三頭筋

解説した通り、ベンチプレスではこの3種類の筋肉を鍛えることができる=使われているので、この筋肉を鍛えることでベンチプレスが強くなります。

ベンチプレスだけをおこなっていては、三角筋前部と上腕三頭筋を効果的に鍛えられないので、それぞれ別の種目をおこなって鍛えることが大切です。

例えば、三角筋前部をメインに鍛える場合はショルダープレス、上腕三頭筋をメインに鍛える場合はナローベンチプレストライセップスエクステンションをおこないます。

ベンチプレスのフォーム3パターンと効かせる筋肉の違い

ベンチプレスのフォームには次の3パターンがあります。

  • 通常のベンチプレス
  • ナローベンチプレス
  • ワイドベンチプレス

まず、通常のベンチプレスでは、大胸筋をメインに鍛えることができましたが、ナローベンチプレスといって、通常よりも狭い手幅でおこなう方法では、上腕三頭筋をメインに鍛えることができます。

次に、ワイドベンチプレスは、通常よりも広い手幅でおこなう方法で、動作範囲が狭くなってしまうかわりに、上腕三頭筋の関与を減らして、大胸筋を集中的に鍛えることができます。

ベンチプレスに有効な食事のタイミングと食材

ベンチプレスに有効な食事のタイミングは、トレーニングをおこなう約1時間前です。

1時間前に食事をとることで、トレーニングで使用するエネルギーを補給することができ、ベンチプレスで高重量を扱えるようになります。

では、どんな食事をとれば良いかというと、高炭水化物&中タンパク質の食事です。

炭水化物は、筋肉でグリコーゲンとして貯蔵され、トレーニングでエネルギーとして使用されます。

筋肉内のグリコーゲン貯蔵量が不足した状態では、高パフォーマンスを発揮できないので、運動1時間前にしっかり補給しておくことが大切です。

また、タンパク質を同時にとることで筋肉の合成に必要なアミノ酸を補給できます。

ベンチプレスにサプリメントは必要か?

ベンチプレスの使用重量を増やすために、次のサプリメントを活用することもオススメです。

  • クレアチン
  • カフェイン

クレアチンは筋力向上に効果的なサプリメントで、爆発的な力を発揮する際に体内で使用されるエネルギーの再生に利用され、エネルギー切れを防いで高重量を扱ったトレーニングをおこなえるようになります。

次に、カフェインは運動前にとることで基礎代謝が上がり、脂肪燃焼や筋力向上効果が期待できます。

カフェインは脳の神経活動を高めるドーパミンなどの神経伝達物質の放出を促進し、筋力を高める効果があります。

他にも、筋肉量を高めるために基本的なプロテインやアミノ酸などのサプリメントを活用することで、ベンチプレスの使用重量を効率良く増やすことが期待できます。

ベンチプレスの変則フォーム

ベンチプレスは、マシンのチェストプレスと異なり起動が安定していないので、フォームを変えることで効かせる部位や刺激を変化させることができます。

同じ刺激を繰返しおこなっても、筋肉の成長は鈍化してしまうので、ベンチプレスにちょっとした変化を加えて、異なる刺激を与えてみてください。

  • グリップの持ち方の変化
  • 腰の位置の変化
  • 足の位置の変化

グリップの持ち方の変化

ベンチプレスのグリップの持ち方には次の2種類があります。

  • サムアラウンドグリップ
  • サムレスグリップ

まず、親指をまでしっかり握った基本的な握り方をサムアラウンドグリップと呼びます。

サムアラウンドグリップで握ることで、バーが安定し、手首の負担なく動作することができます。

次にサムレスグリップは親指を人差し指にそろえた状態で握る方法で、サムアラウンドグリップと比較して、あまり握り込まないので大胸筋に意識を集中させることができます。

ただし、バーの安定性が低く、正しい位置で握らないと手首を痛める可能性があるので、中上級者向けの握り方になります。

腰の位置の変化

次に腰の位置を変えることで、上体の角度を変えて効かす部位を変えることも可能です。

例えば、腰の位置をより頭側に置くことで、上体がブリッジをしたような姿勢になり、バーを押す方向が身体に対して少し下方向の動きになります。

この方法では、大胸筋下部を強く刺激できるようになり、使用重量が向上します。

パワーリフターのベンチプレスフォームを見ると分かりますが、腰の位置をなるべく頭側に寄せて、ブリッジを高くした状態でおこなっています。

使用重量を伸ばしたい人は挑戦してみてください。

足の位置の変化

次に、足の位置を変化させることで、より大胸筋にフォーカスして鍛えることができます。

基本的なフォームでは足の裏をしっかりと床について、踏ん張った状態でおこないます。

ベンチプレスでメインで鍛えられるのはもちろん大胸筋ですが、少なからず足の力も使用しています。

これをあえて足をベンチ台の上に乗せた状態でおこなうことによって、足の力を使用せずに、大胸筋にフォーカスして鍛えられるようになります。

使用重量は下がりますし、身体が不安定になるのでフォームが崩れるリスクもあるので注意が必要ですが、ベンチプレスのマンネリ化を防ぐために、試してみるのも良いでしょう。

まとめ

今回はベンチプレスの理想的なフォームや効果的なやり方を山本義徳氏や安治川正人氏を参考に解説しました。

ベンチプレスを正しいフォームでおこなって、使用重量を伸ばしていけば、筋力に比例して大胸筋も大きくなり、逞しい上半身を作ることが期待できます。

マシンのチェストプレスをおこなっても大胸筋を鍛えることはできますが、三角筋前部や上腕三頭筋まで効果的に鍛えたい場合は、バーベルを使用したベンチプレスをメインに鍛えていくことをオススメします。

ベンチプレスの正しいやり方が分からず悩んでいる人は、この記事を参考に理想的なフォームを習得し、使用重量を伸ばしてみてください。

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YUMI

YUMI

YUMI

某情報誌とサイトの編集者として15年以上勤務し、自身も編集者時代からダイエットとリバウンドを繰り返した経験を持つエディター兼ライター。現在はダイエット関連の記事を400本以上担当しつつ、3児の母として日々育児に奮闘している。

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