鍼灸師の給与アップを目指すには?スポーツ鍼灸師の分野を目指せ!

はりやきゅうを使って治療をおこなう鍼灸師。現在、鍼灸師を目指している人であれば、鍼灸師の平均給与はいくらなのかを把握しておきたいでしょう。

一方、すでに鍼灸師として働いている人であれば、先々のライフプランを考えたとき、どうすれば給与アップさせる事ができるか気になるのではないでしょうか。

この記事では、鍼灸師の平均給与や給与アップの方法、スポーツ鍼灸師になるための方法を紹介して行きます。

鍼灸師の給与はどのくらい?

まずは、鍼灸師の給与について紹介します。

鍼灸師の平均年収

給与は勤務先や就業形態によって異なりますが、鍼灸師全体の平均年収は350万~450万円、平均月収は18万~30万円とされています。

なお、年齢別の平均月収は次のとおりです。

21~24歳:18万6,000円
25~29歳:21万9,000円
30~34歳:21万9,000円
35~39歳:21万6,000円
40~49歳:19万9,000円
50歳~ :14万7,000円

出典:公益社団法人・東洋療法学校協会「第5回あん摩マッサージ指圧師・はり師及びきゅう師 免許取得者の進路状況アンケート調査報告書」(平成28年10月実施)より

年齢別の平均月収を見ると、そこまで差がない事から、年齢は給与にあまり関係ないといえます。鍼灸師は全体的に、年齢に対する月収が低い傾向にあるようです。

開業などで収入アップができる?

はり師やきゅう師の国家資格には開業権が認められているため、資格を取れば、すぐに開業できます。

独立を考えた場合、これからの世の中にはどんなニーズがあるかを考察する事が大切です。自分の鍼灸院であれば、技術に見合った料金設定にする事が可能なため、立地や客層を上手につかめば、収入アップを見込めるでしょう。なかには、700万~1,000万円の年収を得ている鍼灸院もあるようです。

一方で、初期設備投資や経費を考えると、収入が下がる可能性もあります。

鍼灸師は手業中心の仕事ですので、少しでも収入アップを目指すなら、顧客の回転率を高める事が大切です。また、新規顧客を確保し続けなければ、先行き不透明な状態となるでしょう。

開業だけに着目するのではなく、世の中がどのようなものを求めているかを先取りしながら資格を活かす道を探す事が、より現実的な収入アップにつながるでしょう。

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鍼灸師の収入アップのために考えられる事

鍼灸師として収入をアップするには、次のような方法が考えられます。

ニーズを上手にとらえられる鍼灸師になる

鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師は国家資格でありながらも、それ単体でのニーズが全体的に少なくなってきている傾向があります。

鍼灸師は針を使った専門的な治療ができる技術職であり、医療従事者でもあります。
資格を上手に活かせば、より多くの活躍ができるでしょう。

例えば、美容鍼灸や高齢者向けの鍼灸などは現在、ニーズが増えている分野です。これからも、さらにニーズが増える事が考えられるため、こういったものに目を向けてみると良いでしょう。

美容鍼灸であればリラクゼーションサロンでの就職が可能ですし、高齢者向けの鍼灸は介護施設や高齢者施設、デイサービスなどでの採用される可能性も大きく広がってきます。

スポーツ鍼灸師という道がある

鍼灸師は、医学的観点を持って治療できるため、スポーツトレーナーとしてアスリートなどを支える仕事に就く事が可能です。就職先としては、実業団・プロのスポーツチーム・スポーツジムなどが考えられます。

鍼灸師がスポーツトレーナーになった場合には、スポーツ障害が起きやすい部位に治療を施したり、体調を整えるために鍼灸の技術を用いたりと、パフォーマンス向上のためにアスリートの生活指導をします。

プロスポーツの現場に携わる事で、現状よりも収入が大幅に上がる可能性があるでしょう。

給与アップへの近道?スポーツ鍼灸師とは

上記で紹介したスポーツ鍼灸師について、より詳しく紹介して行きます。

資格を生かしたアスリートのサポート

スポーツ鍼灸師とは、アスリートをサポートするために鍼灸施術をおこなう技術者です。アスリートのコンディションの維持・故障個所の治療の専門家として、プロスポーツの世界ではサッカー・卓球・バスケットボール・マラソンなどあらゆる分野のチームから注目されています。

現在メジャーリーグでは、東洋医学である鍼灸が注目されています。手先の器用さと施術自体のていねいさが評判となり、トップ選手のトレーナーとして帯同している日本人鍼灸師も増えています。

スポーツ鍼灸施術は、体調面だけでなくメンタル面を整えるうえでも効果があり、アスリートのトータルサポートが可能です。

スポーツ鍼灸師は、運動による障害の治療や予防などをおこない、プロアスリートだけでなく、スポーツに取組むすべての人をクライアントとして仕事をしています。

スポーツ鍼灸師が働く場所とは?

あまり馴染みのない職種だからこそ、スポーツ鍼灸師はさまざまな場での活躍が期待されています。プロスポーツチームはもちろん、手業を磨いて評判となればトップアスリートの専属トレーナーとなる事も考えられます。

日本人の丁寧さや繊細な施術の評判はすでにありますから、海外で活躍する事も十分にありえるでしょう。アスリートを抱える大学や、実業団チームなどに専属する道もあります。アマチュアでもスポーツに取組む人たちのために、スポーツジムやフィットネスクラブで活躍する事も可能です。

アマチュア選手へのスポーツ鍼灸施術でキャリアを積み、プロアスリートの専属トレーナーになる道も大いに考えられるでしょう。

スポーツ鍼灸師になるには|必要なスキルは?

スポーツ鍼灸師になるためには、どういったスキルが必要なのかを見て行きましょう。

はり師・きゅう師の資格があればOK

実は、スポーツトレーナーという資格はなく、スポーツ鍼灸師という資格もありません。
ですから、スポーツトレーナーは、鍼灸師の国家資格さえあれば誰でもなる事が可能です。

専門の知識を身につけ、プロのアスリートやプロスポーツチームとの間で契約を結んだり、実業団やトレーニングジムで就職したりする事で、スポーツトレーナーとして活躍できます。

ただし、アスリートを支えたいと思い、作業療法士・理学療法士・鍼灸師になる人は多いので、活躍の場を得るためには独自の強みとなる技術を獲得する必要があります。

備えておくと強みになるスキルとは

疲労回復や血行不良への施術スキルの一つに電気鍼(パルス)があります。電気鍼は、針から電気を流して筋肉に直接アプローチする事で、筋肉疲労などを和らげる効果が期待できます。

スポーツ鍼灸師を目指すのであれば、電気鍼のスキルを持っていると強みになるでしょう。電気鍼を扱える医院に就職すれば、おのずと知識も技術も得られます。

そして、スポーツ鍼灸師として必須のスキルがテーピングです。テーピングの種類に、さまざまな角度から障害に対してアプローチできる、キネシオテーピングがあります。キネシオテーピングの認定資格は4段階に分かれており、より難易度の高い資格を取得すると、アスリートの信頼をさらに得られるでしょう。

医学が日々進歩しているように、常に新しい技術を学びながら実践する事が大切です。
鍼灸の基本的な知識を常にアップデートする事はもちろん、アスリートを支えるためには、コミュニケーション能力も必要となります。

あらゆるスポーツのルールなども覚え、身体にどのように負担がかかりやすいかを考察する事も、スポーツ鍼灸師の強みになります。必要に応じて、民間のスポーツトレーナー認定試験などを受験するのも良いでしょう。

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まとめ

鍼灸を含む東洋医学は、海外のプロスポーツ界でも注目度が高まっています。

鍼灸師は、鍼灸ができる事が何よりの魅力であり強みです。作業療法士も理学療法士も鍼灸の施術をおこなうことはできません。鍼灸師の資格はそれだけでほかの資格よりも、スポーツトレーナーへの道が開かれているといえます。

鍼灸師の知識と技術を磨き、さらに付加価値をつけるために電気鍼やテーピング技術を身につければ、収入アップだけでなく、キャリアアップの道も大きく広がるでしょう。

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