キャリアプランで自分を売り込め!作業療法士でもアスリートと関われる方法
リハビリ施設や整体院で作業療法士として働いていると、さまざまなアスリートが施術を受けに来ます。そういった経験を重ねるなかで、いつかアスリートのトレーナーになってみたいと考える人も多いのではないでしょうか。
作業療法士の資格を活かして、アスリートのトレーナーになるとさまざまなメリットがあります。
この記事では、アスリートと関わりたい作業療法士のために、現実的なキャリアプランの方法を紹介します。
「作業療法士」がアスリートと関わるのは無理?
まず、作業療法士がアスリートと関わる事はできるのか、その可能性について見て行きましょう。
作業療法士とアスリートの関わりは未知数!
アスリートとの出会いでいうと、スポーツジムをイメージするかもしれません。
スポーツジムの求人を見ると、理学療法士の求人を多く目にする事がないでしょうか。スポーツジムは、所有する器具を使っての施術を念頭に考えており、器具を使ったリハビリをおこなう理学療法士が必要だからです。
そのため、理学療法士と性質が異なる作業療法士を募集しているスポーツジムなどは、皆無に等しい状態です。とはいえ、決して需要がないわけではありませんので、可能性は未知数だといえるでしょう。
研究などの題材としてとらえる
作業療法士として、アマチュアのアスリートと関わり、独自の作業療法科学の研究を重ねて学会発表や論文発行をおこなえば、キャリアアップも可能でしょう。
スポーツと作業療法の関わりを論文にまとめ、新たな学説や手法を提唱し、アスリートのケアに寄与する道も大いに可能性があります。
作業療法の分野は、まだ全容が解明されていません。研究が学会で認められれば、スポーツジムを経営する企業やスポーツ器具を販売する企業、テーピング素材などの販売を強みとする企業などから、さまざまなオファーの話が来る可能性もあります。
作業療法はニッチな分野だからこそ、これから大きく飛躍する可能性を秘めています。キャリアアップも収入アップも工夫や構想次第で大いに可能でしょう。
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「専門作業療法士」なら道が開ける可能性
作業療法士がアスリートと関わる可能性はゼロではありませんが、実現はなかなか難しいでしょう。しかし、専門作業療法士であれば可能性が高まります。
専門作業療法士とはどういった職業なのかを見て行きましょう。
専門作業療法士とは
専門作業療法士とは、作業療法のなかでも認知症や福祉用具などを含む7つの分野に関する知識が深く、高い実践能力や課題解決能力を持っていると認定された人を指します。質の高いサービスを提供するプロフェッショナルとして、作業療法が社会へどのように貢献できるかを示す役割を担っています。
専門作業療法士の資格で問われる能力は、次の3つです。
- 専門作業療法士分野で、困難な事例に対応できる能力
- 認定作業療法士の持つ能力を、専門作業療法士分野で応用できる能力
- 専門作業療法士分野で、高い判断力と優れた技術力によって高度な作業療法を実践できる能力
作業療法士には、常に高い知識・技術を保つ事が求められているため、学術的研鑽を積極的におこない、専門性をより高める努力をしなければなりません。
なお、専門作業療法士の専門分野は10分野に分かれ、それぞれの分野で資格を取得できます。
- 就労支援分野
- 福祉用具分野
- 認知症分野
- 手外科分野疾病
- 特別支援教育分野
- 高次脳機能障害分野
- 精神科急性期分野
- 摂食嚥下分野
- 訪問分野
- がん分野
専門作業療法士のメリット
専門作業療法士のメリットは、おもに3つあります。
- 特定の作業療法を深く追求できる
- 教育・研究・開発の分野で高く評価される
- アスリートやパラアスリートの能力アップにも携われる可能性がある
専門作業療法士は、特定の作業療法を深く追求できるため、専門分野の高い知識とスキルを持つ事ができます。高いサービスを提供するプロフェッショナルとして、教育・研究・開発の分野で高く評価され、キャリアアップにもつながります。ゆくゆくは、アスリートやパラアスリートの能力アップに携われる可能性も出てくるでしょう。
キャリアプランを作成してみよう
ここでは、作業療法士から専門作業療法士にキャリアアップする方法を紹介します。
以下の内容を参考にしながら、自身のキャリアプランを作成してみましょう。
専門作業療法士になるには
アスリートと関われる専門作業療法士を目指すには、次の3つの取得要件を満たす必要があります。
- 認定作業療法士である事
- 4実践(※)を修了または満たす事
- 専門作業療法士資格認定審査(試験)に合格する事
※ 研修実践(計20単位)・臨床実践(計20単位)・研究実践(計10単位)・教育と社会貢献の実践(計10単位)で、それぞれ専門単位数を取得する事
上記要件1の認定作業療法士となるためには、作業療法士として最低でも5年以上のキャリア(実務経験)が必要です。さらに、日本作業療法士協会が運営する生涯教育プログラムの基礎研修、もしくは現職者研修を修了したうえで申請書を提出し、資格試験を通過しなければなりません。
作業療法士からアスリートと関われるようになるためには「自分にはどのような部分が足りないのか」「どのような分野が必要なのか」などを洗い出す事が必要です。
今の自分を起点として、キャリアプランを再構築してみましょう。
キャリアパスも検討しながらしっかりと考えてみましょう
専門作業療法士の資格取得を目指す際、より専門性を高めて行くために転職が必要になる場合があります。
仕事は生活の根幹です。「果たして自分の目指す仕事のゴールはアスリートと関わる事なのか?」自分自身としっかり向き合う事は、転職の際にも役立つはずです。
専門作業療法士は、分野によってはこの先も汎用性の高い資格といえます。専門作業療法士の資格取得を視野に入れながら、専門作業療法士以外の資格取得も検討するほうが良いと思うかもしれません。
今一度、これまでのキャリアを考えてみる事は、キャリア形成を図るうえで大切な作業です。
アスリートと関わる仕事をゴールとすると、具体的にどのような分野を学べば、アスリートとの関わりが持てる可能性が高いのかがわかるかもしれません。
そこで、今の自分を分析し、キャリアパスを利用してみる事もオススメです。
キャリアパスを利用すれば、現時点の目標に対して何を補完して行く事がゴールへの最短ルートになるのかを測れます。
キャリアパスによっては、自身のキャリアを見直した結果、転職が必要となる事もあるかもしれません。そのときは、しっかりと転職も視野に入れて考えてみましょう。
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まとめ
作業療法士がアスリートと関わりたいと考えるなら、専門作業療法士を目指すのが最も可能性の高いルートでしょう。専門作業療法士は「アスリートとの関わり」だけに特化した資格はありませんが、特化した資格でないからこそ、取得したことが無駄になることはありません。
少子高齢化が進むこれからの「介護時代」において、専門作業療法士はどの専門分野も需要があります。アスリートと関わる事を目的としながらも、さまざまな可能性を考えて行く事は、キャリア形成にとって一番良い方法かもしれません。
自分の夢を実現するためには、時間や専門的知識を要する事があります。
回り道になるかもしれませんが、ぜひ今まで培ってきた経験と知識と技術をベースに、さらなる努力を重ねながら、ニッチな世界を切り開く事も大切でしょう。