NSCAの資格を取得するメリットとは?資格の概要や活かし方を解説!

NSCAの資格は、パーソナルトレーナーが目指すべき資格の一つです。NSCAは国際的な権威がある団体だと知られており資格の知名度も高いですが、資格を取得するには労力と費用がかかります。そのため、資格取得によって具体的にどのようなメリットが実感できるか確認しておきたいところですよね。

この記事では、NSCAの団体概要と権威性の背景を紹介し、資格取得のメリット・活かし方を解説します。トレーナーを目指す人や、スキルアップのためにNSCAの資格取得を悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

メリットの期待できるNSCAのトレーナー資格とは?

一般的に、資格を取得して得られるメリットは、確かな知識や技術を保有していると証明できる事です。経験が浅く知識が少ない人も、資格取得に向けた学習で知識を深め、習得できる面もあります。

しかし、どのような資格でも良いわけではありません。どういった団体が主催、実施している資格なのかも重要です。ここでは、パーソナルトレーニングジム業界でメリットが期待できる資格試験の認定をおこなう、NSCAについて紹介していきます。

そもそもNSCAとはどういった団体?

NSCAとは「National Strength and Conditioning Association(全米ストレングス&コンディショニング協会)」の頭文字を取って略したものであり、1978年に設立された、コンディショニングやストレングストレーニングに関する国際教育団体です。

NSCAの会員は世界88の国・地域で活躍しており、最新のストレングス・コンディショニング関連情報を発信しています。

NSCA本部は、科学者とスポーツの現場指導者を橋渡しする事を使命して活動しています。最先端の医療やスポーツ科学の知識をスポーツの現場に落とし込み、パフォーマンス向上やコンディショニングに活かすそうと尽力しています。

そして、NSCAが事業の一環としておこなっているのが、認定資格の発行と試験の実施です。

NSCAの権威

NSCAは国際的に権威があり、トレーニングの現場にも役立つ研究成果を雑誌やWebジャーナルで発表しています。以下の出版物は、NSCA発行の世界的に流通している英文誌です。スポーツ科学の研究成果や、フィットネスの専門職が現場で活かせる情報などを掲載しています。

  • Strength and Conditioning Journal(SCJ)
  • Journal of Strength and Conditioning Research(JSCR)

研究と現場との橋渡しとなる活動を通じて、NSCAの権威が高まっています。

日本法人NSCAジャパンが存在

NSCAの本部はアメリカにありますが、日本支部の「NSCAジャパン」も存在しています。
NSCAジャパンが設立されたきっかけは、1960年に開催されたローマオリンピックです。

この大会で、日本は望ましい成果を得る事ができませんでした。ローマオリンピックでの惨敗を機に、日本スポーツ関連の専門家たちは体力強化トレーニングのシステム開発に取組んだものの、現場での問題は未解決のままだったといいます。

その後、長らくの間日本国内では専門機関の設立がされてきませんでしたが、1978年にアメリカのNSCAが誕生し、理念に賛同した事と前述のスポーツ現場での問題解決をするために、1991年にNSCAジャパンが設立されました。

NSCAの日本支部がある事により、国際的に権威・知名度のあるNSCAの資格が日本語で受験できます。

実用性と有用性が認められたNSCAの2つの資格

NSCAの資格には、NSCA-CPTとCSCSの2つがあります。
まずは、各資格の概要とどのように実務と関連するかをチェックしていきましょう。

トレーニングの現場に役立つNSCA-CPT

NSCA-CPTは、健康と身体を動かすのに必要な体力に関する知識を伝え、トレーニング・フィットネスの専門知識や技術の保有者だと認定する資格です。トレーニングや運動生理学、医学などの専門知識が要求されます。

NSCA-CPTの資格取得を通じて得られる知識や技術は、スポーツや医療の現場でアスリートや患者のケガ予防・治療・応急処置をおこなう場面で活用されています。

NSCA-CPTを受験するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • NSCAジャパンの会員
  • 満18歳以上
  • 高等学校卒業以上
  • AED/CPRの認定者

トレーニングの現場・医療・研究で活用されるCSCS

CSCSは、ストレングスとコンディショニングの専門資格です。アスリートやスポーツチームを指導対象として、安全で効率的なトレーニングプログラムを作成・実行する役割を担います。

CSCS取得にはトレーナーとしての知識だけではなく、施設の運営や生活の指導などに関する知識が必要です。CSCSはおもにトレーナーや医師、研究者などが取得しています。NSCA-CPTの上位資格でもあるため、取得者のなかにはスポーツ関連施設のオーナーになるなど、指導・育成のポジションにつくトレーナーもいます。

CSCSにも、資格を取得するための要件が設定されています。

  • 大学卒業以上、学位(学士・修士・博士)取得者、高度専門士保持者のいずれか
  • NSCAジャパンの会員
  • AED/CPRの認定者

NSCA-CPTとCSCSを取得するには、どちらもNSCAジャパンの会員でなければいけません。年会費は一般会員13,200円・学生会員11,000円がかかります。

さらに、NSCA-CPT・CSCSの取得にはAED(自動体外式除細動器)・CPR(心肺蘇生法)の認定者である事が必要です。どちらも応急救護の救命方法で、講習会を受講すれば認定が受けられます。

第三者機関からの認定されている

NSCA-CPTとCSCSはパーソナルトレーナーの資格として、第三者機関であるNCCA(全米資格認定委員会)の承認を受けています。

NCCAとは、健康・福祉・安全を確保するために開発された規格です。適正な基準に基づいて、信頼性のある資格試験を客観的に評価するための認定団体として機能しています。

つまり、NSCAの資格試験は客観的な視点からも、実用的で有用だと認められた事を意味します。

NSCA資格取得のメリット

NSCA-CPT・CSCSを取得するメリットを紹介します。資格学習へ取組んでいると、途中で大変に感じたり、モチベーションが下がったりするケースもありますが、メリットを知る事で継続しやすくなるでしょう。

就職や業務委託で役に立つ

国際的に認められているNSCAの資格は、保有している事で知識・スキルの高さの証明になります。トレーナーとしての就職・転職やフリーランスでの活動の際に、有利に働くでしょう。

日本には、スポーツトレーナーの資格として民間資格がいくつかありますが、国家資格は存在していません。そういった事も関係し、スポーツトレーナーの民間資格のなかで、NSCAは「三大資格」といわれるほど広く知られています。

国際的な資格であるNSCAは、海外のフィットネス業界で仕事をしたい人にもオススメです。フリーランスでの活動では、NSCA資格を保有している事で国際基準の知識を習得したトレーナーだとアピールできるでしょう。

スポーツチームやアスリートの指導ができる

CSCSはトレーニング技術だけではなく、医療や栄養学などの幅広い知識が要求される資格です。スポーツ選手のパフォーマンス向上に役立つ部分が多くあるため、難易度の高いCSCSの資格取得に成功すると、プロスポーツ選手への指導ができるなど可能性が広がるでしょう。

プロスポーツ選手を管理するのはとても責任の重い仕事ですが、大きなやりがいと収入が得られます。

一発受験ができる

NSCAの資格は、事前講習などを受けなくても受験できるのがメリットです。事前講習が必須だと、受験料と別に受講の費用が必要であったり、期間が長引いたりする事もあります。

その点、NSCA-CPTとCSCSは、自分の都合に合わせて受験日程を選べます。公式テキストや問題集が発売されているため、費用を抑えつつ、正しい知識を習得できます。

メリットのある資格NSCAの概要

大きなメリットが期待できるNSCAの資格を取得するために、試験概要を把握しておきましょう。

NSCA-CPT

NSCA-CPTの試験概要は以下のとおりです。

  • 試験日:出願日から120日間
  • 試験方法:オンラインにて申込み
  • 試験時間:180分
  • 受験料:46,000円(税込)
  • 合格率:78.9%(2019年度実績)
  • 合格までの学習期間目安:3~8.5か月

NSCA-CPTへの出願は、オンラインでおこないます。試験日は日程が定められているのではなく、出願日から120日の間に、受験者がWebまたは電話で試験日を予約する形式です。試験を受ける場所も、全国のテストセンターから選ぶ事ができます。

CSCS

CSCSの試験概要は以下のとおりです。

  • 試験日:出願日から120日間
  • 試験方法:オンラインにて申込み
  • 試験時間:240分(【基礎科学セクション】90分:【実践/応用セクション】150分)
  • 受験料:50,200円(【基礎科学セクション】と【実践/応用セクション】のいずれか1セクションのみ受験の場合は、34,000円)※価格は税込
  • 合格率:47.7%(2019年度実績)
  • 合格までの学習期間目安:3~7.5か月

CSCSの出願方法と試験日の予約方法は、NSCA-CPTと同様です。

なお、CSCSを取得するには、基礎科学セクション・実践/応用セクションのどちらも合格しなければいけません。どちらか1セクションのみに合格して、合格から1年以内にもう一方のセクションを受験する際には、上記の受験料が適用されます。

まとめ

NSCA認定の資格であるNSCA-CPT・CSCSは、トレーナーとしてパーソナルトレーニングジムなどで活躍するために取得しておきたい資格です。

国際的にも広く知られている資格であるため、資格を取得する事でスポーツ施設などへの就職・転職に優位になります。さらに、アスリートやプロスポーツ選手へ指導できる可能性も広がるでしょう。コンピュータベースの試験であり、都合の良い試験日・試験会場が選べるなど、受験のしやすさも魅力です。

NSCA-CPTとCSCSは、それぞれ難易度・学習範囲・受験資格が異なります。詳細をチェックしてから、どちらにチャレンジするか決定すると良いでしょう。

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