鍼灸師に資格は必要?取得方法や難易度、資格取得にかかる費用を解説!
鍼灸師になるために、資格が必要なのか否かご存じでしょうか?結論からいうと、鍼灸師になるには「はり師」と「きゅう師」の国家資格が必要です。
今回の記事では、これから鍼灸師を目指す人に向けて、鍼灸師になるにはどのような資格が必要なのか?資格取得するためにはどうすれば良いのか?国家資格の難易度はどの程度なのか?を解説します。あわせて、資格取得のために必要な期間や資格取得にかかる費用も紹介します。
鍼灸師になるためには国家資格が必要!
冒頭にて紹介したとおり、鍼灸師になるには国家資格の取得が必要です。
本章では、鍼灸師になるために必要な「はり師」と「きゅう師」の資格概要や受験要項を解説します。
鍼灸師になるために必要な資格は2種類
鍼灸師になるためには国家資格が必要になりますが「鍼灸師資格」というものは存在しません。鍼灸師になるためには「はり師」の国家資格と「きゅう師」の国家資格、2つの資格取得が必要になります。
はり師ときゅう師は、それぞれ別の資格です。もちろん、はり師の資格を取得していればはり師として、きゅう師の資格を取得していればきゅう師として活躍する事ができます。しかし、鍼灸師になるためには、両方の資格が必須です。
鍼と灸はツボを刺激して治療をおこなう点が共通しており、はり師ときゅう師の両方の資格を同時に取得するケースが一般的です。
はり師ときゅう師の双方の試験概要は次のとおりです。
はり師
はり師の試験概要は次のとおりです。
・試験科目
医療概論・衛生学・公衆衛生学・関係法規・解剖学・生理学・病理学概論・臨床医学総論・臨床医学各論・リハビリテーション医学・東洋医学概論・経絡経穴概論・はり理論・東洋医学臨床論
※きゅう師を同時受験するとき申請をおこなえば、はり理論以外の共通科目が免除されます。
・試験方法/合格基準
筆記試験
150点満点中、90点以上で合格
・受験費用
以下のリンクをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/harishi/
きゅう師
きゅう師の試験概要は以下のとおりです。
・試験科目
医療概論(医学史を除く)・衛生学・公衆衛生学・関係法規・解剖学・生理学・病理学概論・臨床医学総論・臨床医学各論・リハビリテーション医学・東洋医学概論・経絡経穴概論・きゅう理論・東洋医学臨床論
※はり試験を同時受験する際に申請をすれば、きゅう理論以外の共通科目が免除されます。
・試験方法/合格基準
筆記試験
150点満点中、90点以上で合格
・受験費用
以下のリンクをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kyushi/
鍼灸師の受験要項
「はり師」「きゅう師」ともに、国家試験を受験するためには、受験資格を満たさなくてはなりません。
具体的な受験資格は、都道府県が認定した養成施設(鍼灸系専門学校や鍼灸学科のある4年制大学、または3年制短大)を修了もしくは修了予定が条件になります。
「はり師」「きゅう師」の試験は、実践による技能の習得が要件に含まれている事もあり、通信教育により受験要件を満たす事はできません。
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・おすすめの資格
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鍼灸師の資格の難易度は?どれくらいの期間で取得できる?
国家試験といえばとても難易度が高い印象を受ける人が多いかと思います。また試験に合格して、仕事に就くまでに必要な期間を気にする人も少なくありません。
本章では、鍼灸師の資格の難易度や資格取得にかかる期間を、オススメの勉強法とあわせて解説します。
鍼灸師の資格の難易度
はり師ときゅう師の難易度の目安として、合格率を見ていきましょう。
はり師ときゅう師のそれぞれの合格率※は、以下のとおりです。
はり師・・・73.6%(合格者3,263名/受験者4,431名)
きゅう師・・・74.3%(合格者3,201名/受験者4,308名)
※令和元年度
参考として、令和元年度の合格率を記載しましたが、はり師・きゅう師ともに例年合格率は70%前後で推移しています。
上記の合格率で難易度が高いか低いかは受け取り方次第ですが、養成校の卒業(もしくは卒業見込み)が受験資格となっている点も踏まえれば、専門的な知識が求められるのは確かです。「はり師」「きゅう師」ともに合格率は高いとはいえ、養成校にて確かな知識を身につけて試験に臨む姿勢が求められます。
なお、はり師・きゅう師の試験は、150点満点で合格ラインが90点以上と設定されています。逆にいえば、合格者枠の人数枠が設けられているわけではなく、基準点を取得できれば必ず合格できるため、しっかりと対策すれば合格できる資格といえるでしょう。
鍼灸師の資格取得にかかる時間
鍼灸師の資格取得のためには、指定の学校・養成施設での3年以上の知識・技術の習得が必要になります。大学に通う場合は4年間、専門学校に通う場合は3年間です。そのため、鍼灸師の資格取得には最短でも3年かかります。
例えば、1・2年時に基礎的な知識や実習などを受け、3年時に試験対策や卒業後のビジョンを見据えて、実践的な知識やスキルを身につけるカリキュラムを組んでいる養成校があります。最短で鍼灸師を目指すのであれば、3年制の専門学校で学ぶ事になります。
鍼灸師の資格取得にオススメの勉強方法
鍼灸師の資格取得には、積極的に過去問を利用する学習方法がオススメです。
過去問は、全国柔整鍼灸協同組合のWebサイトで確認できます。第1回以降の過去問とそれぞれの回答が公開されているため、過去問に取り組んで、まずは解けなかった問題から苦手分野を把握しましょう。
参考:国家試験過去問 – 全国柔整鍼灸協同組合
https://www.zenjukyo.gr.jp/pasttest/
過去問とあわせて、市販の問題集などを利用して苦手分野を復習し、苦手分野を一つひとつなくしていくと、効果的に学習を進められます。
鍼灸師の資格取得にかかる費用
鍼灸師の資格取得のためにかかる費用を把握しましょう。鍼灸師資格のためには、次の3つの項目で費用がかかります。
学校の授業料
受験料
申請・登録料
それぞれ、具体的にどの程度の金額がかかるのか見ていきましょう。
学校の授業料
養成校の授業料は、トータルで400~600万円程度かかります。
内訳は以下のとおりです。
授業料(年間)・・・120~150万円程度
入学金(初年度)・・・30~70万円程度(入学金は、早期申請による減免制度などを設けている学校や入学金無料の学校もあるため、志望校の募集要項を早めにチェックしましょう)
そのほかの費用(実習費用・備品・教科書代など)
実習にかかる費用や白衣・教科書などの費用は都度発生します。事前に養成校のWebサイトなどで確認しておきましょう。そのほかの費用の目安は、総額で10万~30万円ほどです。
また、養成校に通うために一人暮らしをする際には、家賃や食費などの生活費の事も考慮しなくてはなりません。
受験料
はり師ときゅう師の受験費用は、それぞれの試験に掛かります。
※申請をすると共通科目の受験科目の免除は受けられますが、受験料は減免されません
申請・登録料
はり師、きゅう師の免許状は、名簿に登録をする事で交付されるようになっています。
はり師ときゅう師の2つの資格を申請する場合でも、名簿の申請手数料・登録免許税がそれぞれ必要です。
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まとめ
鍼灸師になるためには、はり師ときゅう師の両方の国家資格が必須です。そして、国家資格の受験資格を満たすためには、最低3年間養成校で学び、鍼灸師になるために必要な知識・技能を習得しなくてはなりません。
鍼灸師の資格は、鍼灸院で働く際にはもちろんですが、トレーナーになるうえでも役立つ資格です。リハビリテーション学や東洋医学など、試験科目にはトレーナーの仕事に直結する分野が含まれているため、養成校で知識やスキルを身につけましょう。