理学療法士資格の取得方法とは?試験内容と難易度・活躍できる仕事を解説

理学療法士という国家資格を取得すると、医療・介護・スポーツ分野など活躍できる場が広がります。高齢化や健康志向の高まりにより、この専門職のニーズも高まっているようです。

この記事では、理学療法士の資格の取り方、試験内容や難易度について詳しく解説します。理学療法士が活躍している職場の種類も紹介しているので、ぜひチェックしてください。

理学療法士とは?

理学療法士とは、身体の不自由な人・運動機能が落ちている人・ケガをして回復中の人などに対して基礎運動能力の維持・向上に向けたリハビリテーション指導に携わる専門職です。社会の高齢化にともないニーズが高まっている資格でもあります。

理学療法士のおもな仕事は、ベッドから起き上がる・座った姿勢を保つ・立ち上がるなどの基礎的な動作をサポートしたり、高齢者に対し運動機能の低下や介護予防につながる指導やアドバイスをしたりします。理学療法士の資格を取得しないまま理学療法士になる事はできず、名乗る事もできません。

また、リハビリテーション関連の専門職(国家資格)には、作業療法士もあります。理学療法士と作業療法士は、それぞれ提供する指導の範囲が異なります。

理学療法士が担うのは、前述のように起き上がる・座る・立つ・歩くなど身体の基本的な動きです。一方、作業療法士は食事や入浴から園芸や手芸、レクリエーションに至るまで、生活上にある応用的動作に取り組みながらリハビリを担います。

リハビリテーションの現場では、理学療法士と作業療法士が連携して対象者の回復や身体機能の向上をサポート場面も少なくありません。

理学療法士資格の取得方法

理学療法士の資格取得のための受験資格や勉強法、学べる場所や合格の難易度について見ていきましょう。

受験資格

文部科学省が認定する養成校にて3年以上、理学療法士に必要な知識や技能を学び、卒業している(もしくは卒業見込み)必要があります。すでに作業療法士の資格を持っている場合は、修業期間の条件は2年です。この受験するための要件を満たすなかで理学療法士に必要な知識や技術を身につけます。

外国の理学療法関連の学校や養成校で学んだ場合、厚生労働省の審査を受ける事で受験資格を得られる場合があります。この申請の受付は、一般的な理学療法士の受験申込時期とは異なり、4~8月です。詳しくは下記ページをご覧ください。

理学療法士/作業療法士国家試験受験資格の認定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000107687.html

学べる場所

上記の受験の要件がある事から、独学だけで理学療法士になる事はできません。その受験資格を得るために学べる場所としては、大学や短大、専門学校などの養成校があります。

理学療法士を目指す進路が確定している人は専門学校のほうが集中的に学べるため効率的かもしれません。専門学校のカリキュラムには一般病院や介護施設での実習が多く含まれるのも特徴です。学校には、理学療法に関わる最新の設備が整っている可能性も高いです。
実際に理学療法士として働くようになった人の60%近くが専門学校で学んでいます。

一方、大学の場合は、4年間の在学中に比較的じっくりと学ぶ時間が確保できるのが特徴です。理学療法以外の分野も学べます。幅広い分野に触れたい、大卒の学歴を持っておきたいという人は大学での学びを選択するといいでしょう。

養成校で学び、資格を取得した理学療法士は、医療施設・介護施設・スポーツ施設などさまざまな職場で活躍されています。

難易度

理学療法士の資格は国家資格で、試験が実施されるのは年1回です。近年は理学療法士への注目度も高まっている事から毎年の受験者数も1万人を超えています。合格率はそれほど低くありません。直近10年間の合格率の推移を見てもほとんどが約75~90%です。

3年以上のカリキュラムを受講して、知識と技能を身につけていれば試験の問題にも対応できるでしょう。

理学療法士資格の内容と受験までの流れ

では、理学療法士の試験についてさらに見ていきましょう。試験科目と方法・年1回の試験実施月・申込期間・受験費用について解説します。

試験科目と試験方法

筆記試験には一般問題と実地問題があり、合計200問のボリュームです。マークシート形式となっており、5つの選択肢から回答を1つ選ぶ問題と2つ選ぶ問題があります。合格基準は毎年わずかな変動が見られますが、おおむね総得点で60%以上の正答、かつ実地試験でも35%以上の得点が必要です。

・一般問題の範囲
解剖学・生理学・運動学・臨床心理学・病理学概論・リハビリテーション概論を含むリハビリテーション医学・臨床医学大要・作業療法などが範囲です。

・実地問題の範囲
運動学・臨床心理学・リハビリテーション医学・人間発達学を含む臨床医学大要・作業療法などが出題されます。

試験実施月と申請期間

試験は毎年1回、2月の下旬から3月上旬の間に実施されます。受験の申請は12月中旬から1月初旬の受付となるため、年末年始に入る前に申請手続きを済ませたほうがいいでしょう。

受験願書・写真・返信用封筒・各種修業または卒業証明書などの提出が必要です。受験願書は養成校でもらえるほか、窓口でもらう・郵送で請求するといった方法があります。願書は10月下旬あたりから配布されているため早めの入手をオススメします。

届け出先は、郵送の場合は理学療法士国家試験運営本部事務所、もしくは主要地域の事務所に直接持参する事も可能です。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。

受験費用

受験料として受験願書に相当額の収入印紙の貼付が必要です。受験票は1月下旬に郵送にて交付されます。

理学療法士資格取得後に活躍できる職場

理学療法士として働ける場所は、特に医療や福祉の分野です。資格を取得した理学療法士が活躍しているおもな職場をご紹介します。

医療施設

理学療法士の職場としてもっとも割合が多いのが医療施設です。病床数の多い大学病院から一般病院、小規模のクリニックに至るまで理学療法士のニーズがあります。医療機関においては急性期や回復期のリハビリ対応が多いでしょう。

担当医師や看護師との連携も欠かせません。入院患者さんの回復や退院を目指して指導やサポートをおこないます。

介護施設

老人福祉施設や介護施設などで活躍する人も多いです。高齢化が進んでいるため、介護業界における理学療法士の求人ニーズは高まっています。資格を取得した人の多くが医療施設への就職を希望している事も一因でしょう。

介護老人保健施設・特別養護老人ホーム・介護付き有料老人ホームなどをはじめ、介護施設の種類は多種多様です。グループホームやデイサービスのほか、高齢者の自宅に訪問してリハビリの指導やサポートをするところもあります。施設スタッフの一員となるため、通所者や入居者にリハビリ以外で対応する事も考えられるでしょう。

スポーツ施設

近年、スポーツ施設での理学療法士の需要も伸びてきています。スポーツでのケガからの回復を目指す段階の人にリハビリ指導をおこなうだけでなく、ケガをしてから復帰までのサポート、疲れにくくケガをしにくい身体づくりの支援をする事もあるでしょう。

解剖学や生理学などの知識は、通常のトレーニングを指導するうえでも役立つため、フィットネスジムやスポーツチームなどで活躍する理学療法士も増えています。

さらに細かい職種を知りたい人は、日本理学療法士協会の統計情報をご覧ください。
http://www.japanpt.or.jp/about/data/statistics/

まとめ

理学療法士になるには資格の取得が必須です。養成校に通って必要な知識と技能を身につけましょう。理学療法士の資格はスポーツトレーナーにとっても有力な強みになります。リハビリだけでなく、トレーニング指導やアドバイスの際に大いに役立つでしょう。

スポーツトレーナーとして活躍の幅を広げ、キャリアアップしたい人はトライしてみてはいかがでしょうか。

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