【実例あり】作業療法士の志望動機はどう書けばいい?

高齢者人口が増えるにつれて、人に寄り添い、生活機能を回復する作業療法士は人手不足となっており、引く手あまたの職種となっています。

しかし、希望する院や施設に就職するのは容易ではなく、希望の職場で働くためには就職活動で自分をアピールする事が必要です。就職活動では、重要かつ肝となる志望動機をしっかりと頭のなかで整理し、きちんと説明できるように準備しておくことが大切です。

この記事では、作業療法士の志望動機を履歴書に書く際の書き方のコツをお伝えします。

作業療法士の志望動機に書くべき3つの内容

作業療法士の志望動機を書くときには、次の3つのポイントを押さえましょう。

自分の強み

まず「コミュニケーション能力が高い」「手先が器用で、自助具作りが得意」などの、自分の強みを認識するのが大切です。そのうえで志望動機につなげます。

例えば、急性期の患者さんを受け入れる院に応募する場合は、不安や混乱を抱えている患者さんを安心させられるコミュニケーション能力がある事を伝えるとアピールになります。

転職の場合は、前職の経験を強みとしてアピールできます。例えば、福祉用具や自助具を積極的に活用している院に応募する場合は、志望動機に「前職で自助具をたくさん作ってきた知識・経験を活かして、福祉用具や自助具の分野で活躍したい」などの経験を踏まえた内容が、魅力的なアピール材料となります。

自分の強み(経験や経歴)と志望動機を関連づけて説明する事で、より自分をアピールする事ができます。

理念への共感

「地域に貢献したい」「患者さんの、高い機能、生活能力の回復を目指す」など、応募しようとしている院の理念に共感する姿勢を示すのは良いアピールとなります。採用する側にとっても「自院にあった人材だ」と好印象を持ってもらえる可能性も高くなるでしょう。
例示する内容は抽象的ではなく具体的なポイントを記載するのが良いです。

長期的に働く意思

ほとんどの院では、長く働いてくれる人材を求めています。
短期間での離職は、勤務に慣れるまでの人材育成の時間と労力が無駄になってしまい、新たな負担をもたらします。長く働くことを希望していると一言添えておくと効果的です。

志望する院に合った志望動機を書くためにリサーチするべきポイント

志望動機をやみくもに書いても、採用する側に自分を印象づける事は難しいでしょう。
採用されるには相手をよく知らなくてはいけません。そのため、応募する院に関するリサーチは、とても重要な作業となります。

院のホームページで理念をチェックする

各院のホームページの「理念」「重視している内容」「方針」などの項目には、院の方向性が書かれています。「最新機器をそろえ、高度なリハビリを提供する」「くつろいだ雰囲気のなかでリハビリをする」など、院によって理念は変わってきます。

院ごとに違う理念を踏まえたうえで、志望動機を書くのが重要です。理念に共感する事によって、その院に就職したい強い思いを伝えられます。

例えば「単なる反復作業にするのではなく、その人にとって重要な、意味のある作業を患者さんとともに考える」とする理念であれば「人を大切にし、コミュニケーションを重視しているところに共感した」など、共感した内容を具体的に伝えると良いでしょう。

SNSやブログで細かな活動内容をチェック

院のSNSやブログなどで、作業療法士とともに患者さんが作った作品の写真が掲載されている事があります。その写真から、院ではどのような作業をおこなっているのかをはじめ、作品を紹介する院の暖かな雰囲気も伝わってきます。

院のSNSやブログなどで活動内容をチェックし、共感できる事例に触れる事で、採用する側の心に残る志望動機を書くヒントになります。必ずチェックするようにしてください。

資料を確認

SNSやブログをチェックするだけでなく、実際に院に足を運んで見学し、パンフレットなどの紙媒体資料を持ち帰って内容を確認するのも有効です。
これらの資料にも、院の理念や院長の考え方・病院の特徴など、志望動機の参考となる内容が書かれています。

オープンキャンパスや学校主催イベント

通っている学校主催のオープンキャンパスや職場見学会などのイベントは、より具体的な志望動機となり得る体験ができます。

卒業生から直接話を聞いて「先輩のように、幅広い能力を持った作業療法士になりたいと思った」特別養護老人ホームでの実際の作業療法を見学できれば「お年寄りの身体の不具合を把握し、的確な作業をする作業療法士に憧れた」など具体的に記述できます。

こうしたイベントに積極的に参加して、現場に関する情報を収集するよう心がけてください。

自分自身のキャリアの過去と未来を考える

なぜ作業療法士のなりたいのかをよく考えるのはとても大切です。確固たる志望動機がある場合は良いですが、漠然とした理由しか思いつかないような場合は「なぜ作業療法士でないとだめなのか」と自問自答して答えを導きだしておかなければなりません。面接の際にも質問される可能性があります。

例えば、医療従事者としては看護師になる選択肢もありますが、なぜ作業療法士になりたいのかなどの質問を想定して、明確に答えられる準備をしておくと良いでしょう。

答えを考える際には、仕事の内容から志望動機を探るのがポイントです。この職場でこういう事がしたい・こうなりたいなど、過去の経験を踏まえて作業療法士としての自分の将来を考える事が大切です。

志望動機作成時の注意点

志望動機は具体性と熱意がカギです。志望動機を作成する際の注意点・ポイントを紹介します。

具体的に記載する

ぼんやりした志望動機でなく「この理念、この院のやり方に共感した」など、明確で具体的に書くのがポイントです。

院のホームページなどから、病院の理念や方針、特徴がわからないような場合は、その院の規模や写真などで見た雰囲気などからわかる院の情報をできるだけ盛り込むと良いです。そしてそれに加えてどのように調べたのかを説明して、面接時に「貴院の事を調べました」とアピールをします。

大切なのは、たくさん調べようとした事実です。採用する側は、それを熱意があると好意的に受け止めます。実際に見学に行くのも有効な方法となります。

熱意をアピールする

熱意は、強ければ強いほどアピール材料となりますが、熱意が強いほど、志望動機はボリュームが膨らみがちです。履歴書のスペースは限られているため、わかりやすくコンパクトにまとめるよう心がけてください。

志望動機をコンパクトにまとめるポイントは「自分は○○だから、○○したい」など、目標を箇条書きで書きだし、優先度の高いものから順番に書きましょう。
目標ややりたい事に紐づけて整理するのも効果的です。

実体験を踏まえる

自分や家族・親族など身近な人がケガなどで入院した経験や体験を踏まえる事で、志望動機にオリジナリティが増します。

「日常生活に戻れるかどうか不安だったが、作業療法によって和らいだ。自分もケガをした人にそうしてあげたいと思った」などの体験談を活用できたら、印象に強く残る志望動機になります。

身近に作業療法士がいるようであれば、仕事の内容を話してもらって、心を揺り動かされたなどの体験を紹介する事でも立派なアピール材料になります。

【例文】作業療法士の志望動機

ここでは、具体的に志望動機の例文を紹介します。例文を参考にして、自分が考える志望理由のなかで、一番具体的で明確、そして強い熱意を持って語れると思える理由を志望動機にまとめてみてください。

理念に共感をする志望動機の実例

「私は、単なるケガの治療ではなく、まごころで対応する貴院の理念や活動内容に共感しました。地域貢献を目指している点も感銘しました。

実際に、地域のなかで一人でも多くの困っている人を救えるよう、訪問医療やメンタルケアにも積極的に活動されています。私も一人ひとりの利用者様に対して積極的に働きかけていきたいです」

実体験をもとにした志望動機の実例

「長期間にわたり、祖母が病院や施設に入退院を繰り返していますが、いつも作業療法士の方のサポートにより、祖母が生活に必要な機能を回復し、元気になる姿を見てきました。そのため、いつしか自分自身が作業療法士になって利用者に貢献したいと思うようになりました。

貴院のホームページを拝見し、とてもホスピタリティーに溢れていて、利用者の方が快適に利用できるように細かな気配りが行き届いているように感じました。ぜひ、貴院で学ぶとともに力を発揮させていただきたいと考えています」

目標や夢にもとづいた志望動機の実例

「作業療法士は、利用者の方とのコミュニケーションの必要性が強く求められる職業です。私は積極的にコミュニケーションを取り、利用者の方の笑顔をたくさん引き出す事を目標にしています。

もちろんうまくいかない事もあると思いますが、コミュニケーションを重視した姿勢を取られている貴院で学びながらスキルを高め、利用者の方々のケアに貢献していきたいと思っています」

まとめ

作業療法士の志望動機は、作業療法士としての信念につながるもので、具体的かつ明確なものが良いです。就職を希望する院の理念や方針に共感したり、身近な人の作業療法を目の当たりにしたりして感じた内容を書いたり、オープンキャンパスなどで卒業生の話を聞いて具体的な目標を持ったりした経験を、自身の強みとリンクさせて書くのがポイントです。

具体的に熱意をもってアピールできれば採用される率は高まるでしょう。

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