トレーナー界のレジェンド・山本義徳氏の勧めるトレーニング法・身体の造り方

山本義徳氏は、トレーナー界のレジェンドと称される人物です。ボディビルダーの世界大会での優勝経験を持ち、メジャーリーガーなどの一流のアスリートの指導経験を持ちます。ですが、いったいどういう人なのでしょうか?

ここでは、まず、山本氏の筋トレのきっかけまで遡り、彼の現役時代から、トレーナーになるまでの経歴を振り返ります。次に、山本氏のオススメのトレーニング法や、現在の山本氏の活動や人となりを紹介ながら、山本氏を掘り下げていきます。

山本義徳氏とは?

ここでは、山本義徳氏の経歴を振り返っていきます。山本義徳氏は、現在ではレジェンドトレーナーと称される人物ですが、これまでにベンチプレッサー、ボディビルダーとしても活躍していました。今回は、そのような山本氏の実績を振り返ります。

ベンチプレッサーからレジェンドトレーナーへ

山本氏は幼少期は陸上、高校ではラグビーと、いくつかのスポーツをしていました。そんな山本氏が筋トレを始めたのは、高校でラグビーを始めた頃からだそうです。体力づくりのために筋トレをする中で、ベンチプレスに熱中するようになったとのこと。

筋トレに熱中していた高校時代から自分でプログラムを組み、理論的なトレーニングを行っていました。大学に入る頃には本格的にトレーニングを始め、ベンチプレスからボディビルへと活躍の場を移します。当時、日本人が海外の大会で戦うのは難しいとされていました。そんな中でも、山本氏は数々の戦績を残してきました。

自らのトレーニングを理論的に組んでいた山本氏は引退後、自らの経験とこれまで培っていたトレーニング理論と栄養学の知識を用いてトップアスリートのトレーナーとして活躍し、その実績によってレジェンドトレーナーと呼ばれるようになりました。

ラグビーからベンチプレッサーへ

山本氏は高校生の時、ラグビーでの補強練習で初めてベンチプレスに触ります。この時、初めて上げたのは80kg。普通、成人男性が初めて上げるのは40kgと言われていますから、ベンチプレスの強さが分かります。

 山本氏本人も自分の強さを自覚し、本格的にベンチプレスの練習を始めました。高校・大学とベンチプレスの練習を続け、大学の体育祭で開かれたベンチプレス大会で見事優勝。この時上げたのは、165kg。その後も、さらに重いベンチプレスを上げ続け、26歳で260kgを上げることに成功しました(非公式)。

ボディビルダーとしての活躍

 ベンチプレス260kgを達成した後、山本氏はボディビルへと活躍の場を移すようになります。1994年に東京都ボディビル選手権優勝を果たした後、数々の大会に入賞を果たすようになったのです。そして、1998年にNPCアイアンマン・アイアンメイデン(ライトヘビー級)で優勝。

優勝後、ヘビー級に階級を上げます。ヘビー級に階級を上げて実績を上げることは困難と思われていましたが、いくつかの大会で入賞。ついに2005年にはNPCトーナメント・オブ・チャンピオンズ(ヘビー級)で優勝を果たします。

レジェンドトレーナーへ

山本氏は、現役時代から理論的なトレーニングと、栄養に関する豊富な知識を用いて、実績を上げてきました。現役後、現役時代の経験とこれまでの理論に磨きを上げ、これまでに数々のスポーツ選手やアスリートを指導してきました。例えば、メジャーリーガーやアメフトXリーグ日本一になった鹿島建設など、そうそうたる面々を指導してきた経歴を持ちます。

山本義徳氏オススメのトレーニング(上半身編)

ここからは山本氏のトレーニング法に学んでいきます。まずは上半身のトレーニングです。上半身は、胸や背中など、大きな筋肉がある部分です。そのためトレーニングでは、上半身トレーニングを重視するという人もいるでしょう。ここでは、山本義徳氏推薦の上半身トレーニングを紹介します。

太い腕を作るには

参考動画:太い腕を作る為に必要なトレーニングを全て集めてみた【腕トレ】

山本氏は、40cm以上の太さの腕を太い腕としています。男性の腕の平均的な太さは30~33cmほどといわれています。そのため、山本氏の提唱する「太い腕」にするためには、大体7~10cm太くしなくてはなりません。

腕を太くするためのトレーニング種目として、山本氏が推奨するのが、上腕三頭筋を鍛えるスカルクラッシャーやライイングエクステンションと、上腕二頭筋を鍛えるインクラインダンベルカールです。

これらのトレーニングのやり方ですが、上腕三頭筋を鍛えるライイングエクステンションは3~5回を3セット、重量はこれらをギリギリできるくらいに調整します。上腕二頭筋を鍛えるインクラインダンベルカールは、10~15回3セット。これをフォームに注意しながら行っていきます。やってみると分かりますが、結構きつめのトレーニングです。

これらのトレーニングを続ける事で、山本氏のいう40cm以上の太さのある腕を作り出すことができるでしょう。

山本式トレーニングで肩を鍛える

参考動画:【筋トレ】効かせにくい三角筋後部を効率的に鍛えるトレーニング3選

肩を鍛えるために、肩の筋肉である三角筋を鍛えることに注目してみましょう。山本氏が考案した肩を鍛える

オリジナルトレーニング種目が、山本式3wayダンベルリアレイズです。まず、角度のあるベンチにうつ伏せます。そこから3種類のリアレイズを続けておこない、三角筋に強烈な刺激を入れていきます。

最初に行うのがリアレイズです。ここでは、通常と同じようにダンベルを、円を描くように動かします。リアレイズを限界に達するまでおこなった後で、次はリアデルトロウです。リアデルトロウは、ロウイングの動きで真っ直ぐにダンベルを引きます。これも限界になるまでおこなってください。最後に、ダンベルスイングです。肘を伸ばして、ダンベルを振り子のように横に揺らしていきます。

これらのトレーニングを続けることで、三角筋を鍛えていくことができます。

胸を鍛えて見栄えの良い筋肉を

参考動画:筋肉を効果的に鍛えることができるマンデルブロトレーニングの方法を解説

胸のトレーニングで重視していくのが、大胸筋。大胸筋は、上半身の中でも目立つ部位です。大胸筋トレーニングでは山本氏が考案したマンデルプロトレーニングを用いながら、3フェイズに分けておこなっていきます。

フェイズ1で行うのは、通常のボディビルトレーニングです。ここでは、ベンチプレス・ダンベルフライ・インフラインダンベルフライなど、ベンチプレスの重量を扱うことができる種目が良いです。8~10回上げられる重さが適当。

フェイズ2は、筋肉への刺激を重視しています。ここでは、負荷の高い高重量ベンチプレス、高重量ダンベルフライ、ディップスといった種目が良いです。ディップスは、自分では上げることが難しい重さのプレートを足の力を利用して上げ、下ろすというネガティブだけがオススメです。

これらの種目をレストポーズ法、つまり高重量を短いインターバルで行い、刺激を筋肉に与えていきます。

フェイズ3では重量は軽く。しかし、その分回数を増やします。20~30回ほどの回数をこなしてください。ここで適している種目は、ケーブルクロスオーバー・低重量インクラインダンベルフライです。

大胸筋は、大きな面積を持つ筋肉です。鍛えていくことで、見栄えのする上半身を手に入れることができるでしょう。

高負荷トレーニングで背中を鍛える

参考動画:【背中トレ】強い背中を作る!オススメのトレーニング種目10選のやり方をご紹介します

大胸筋と並び、背中も大きな筋肉です。背中を鍛える種目でオススメなのが、チンニング・ラットプルダウン・ベントオーバーローイング・ダンベルローリング・デッドリフトです。

まず、チンニング。チンニングはいわゆる懸垂の事で、動きを安定させるために、多くの筋肉を使う種目です。ラットプルダウンは、部位に応じて重量設定を行います。それによって、広背筋と僧帽筋に効果的なトレーニングが可能になります。ベントオーバーローイングは、屈んだ姿勢でバーベルを両手にもって、みぞおちに引き付けるようにしていきます。ダンベルローイングはベントオーバーローイングをダンベルを使いながら、片方ずつ行っていきます。デッドリフトは、全身の筋肉を使いますが、背中の筋肉全体に高負荷をかけることができます。

これらのトレーニングを行うことにより、背中の筋肉を鍛えていきましょう。

腹筋はストレッチで効果的に

参考動画:【腹筋】バキバキの腹筋を作るためにアブローラーよりも効く3つの種目を紹介します【筋トレ】

腹筋を鍛える際に山本氏が重視するのが、ストレッチをさせることです。オススメなのが、ボールクランチ。エクササイズボールなど、ボールの上に仰向けになります。その状態から腹筋をストレッチさせてから、膝を90度に曲げて腰を高く持ち上げ、背中から身体を丸め(クランチ)ていきます。

ボールクランチを行う際には、いろいろと注意しなくてはいけません。トレーニングの際にはゆっくりと行い、筋肉に負荷をかけていきます。さらに強い負荷をかけるためには、小さめのボールがベスト。頭を上げる際に腰を持上げたり、軽いダンベルを持ちながら行うとさらに負荷が高くなります。

山本義徳氏オススメのトレーニング(下半身編)

次に紹介するのは下半身。下半身は、服の下に隠れてあまり筋肉が見えない部位です。しかし、鍛えることによって、基礎代謝の向上、姿勢の改善など、鍛えることのメリットが多くあるのも事実です。ここでは、山本義徳氏がオススメする下半身トレーニングを取上げます。

ブルガリアンスクワットで脚を太くする

参考動画:脚トレの新常識!?ブルガリアンスクワットを知らずして脚は鍛えられない!【脚トレ】

下半身を鍛える際に、山本氏がオススメしているのが、ブルガリアンスクワットです。ブルガリアンスクワットは、下半身を鍛えるトレーニングです。主にもも裏やお尻を集中して鍛えるので、脚のラインを変えることができます。

ブルガリアンスクワットは8~12回を限界を感じながらおこないます。慣れていない人にとっては、自重でも負荷です。しかし段々慣れてくると、その負荷では足りなくなってくるのが自然です。そうした際には、両手にダンベルを持ち、その後もダンベルの重さを増やしていって負荷を増やしていくのが良いでしょう。

ハムストリングのトレーニング

参考動画:【脚トレ】自重でめちゃくちゃ鍛えられる!ハムストリングを鍛え抜くレベル別トレーニング

もも裏に付着する半腱様筋・半膜様筋・そして大腿二頭筋の総称、ハムストリングは、下半身でも大きな筋肉なので、鍛えれば鍛えるほどメリットがあります。ハムストリングを鍛える際に山本氏がオススメするのが、ワイドスクワットです。

ワイドスクワットはまず、脚を大きく横に広げて立ちます。そして、膝を外に割るようにして、腰を落としていきます。筋肥大が目的の場合には、8~12回が限界になる重さで、フォームが崩れないように注意しながら伸ばしていきましょう。なお腰を落とした時に、膝が内側に入ると膝を痛める可能性があるので、気を付けましょう。

ワンレッグカーフレイズで脹脛(ふくらはぎ)を鍛える

参考動画:【筋トレ】かっこいい脚を手に入れるトレーニング、カーフレイズの注意点とは【脚トレ】

脹脛を鍛える際に山本氏がオススメするのが、カーフレイズです。その中でも、片足立ちから踵を浮かせ、身体を持ち上げることで下腿三頭筋を鍛えるワンレッグカーフレイズ。バランスを取ることによって、多くの筋繊維を使うことができます。

また、脹脛は日常でも良く使う筋肉でもあります。そのため、トレーニングでは、普段とは違う動きをすることで、刺激を与えなくてはいけません。脹脛は普段から自分の体重を支える筋肉ですから、回数を増やしてもあまり刺激につながりません。そのため、ダンベルを持つなど、重量を増やすことで、負荷を高めていきましょう。

ジャンピングスクワットで下半身を強化する

参考動画:【筋トレ】より効果的に下半身を鍛えることができるジャンピングスクワット

ジャンピングスクワットは、基礎体力の向上と下半身を鍛えます。普通のスクワットよりも負荷の高いトレーニングです。

ジャンピングスクワットの際には、普通のスクワットのように深く曲げる必要はありません。着地の際に強い衝撃が膝や腰にかかってしまうからです。そして重要なのが切返し。着地して膝を曲げたら、すぐに切返すことが重要です。最後に膝を出さないようにしなくてはいけません。負荷が高いトレーニングですので、脚を痛めないように靴はクッション性のあるものを選んだ方が良いです。慣れてきたら、ダンベルを持ったりして、負荷を高めていきましょう。

パーソナルトレーナーからSNSまで山本義徳氏の活動

ここまで、山本義徳氏オススメのトレーニング方法を紹介してきました。このように山本氏は、論理的なトレーニングを指導しています。しかし山本氏の活躍は、パーソナルトレーニングだけではありません。ここでは、山本氏の活動を紹介していきます。

30冊以上の書籍出版

最初に紹介する活動は、出版です。山本氏は、『最高の健康 科学的に衰えない体をつくる』(KADOKAWA)などの啓蒙書など、多くのトレーニングに関する本を出版しています。「数々の科学的根拠と指導経験から頼りになる本」、「分かりやすく一人で出来る」など好評な口コミが多くあります。それらの作品は山本義徳業績集としてまとめられています。これは、体を作るためにトレーナーやアスリートが必要としている栄養学の知識やトレーニング理論をまとめた著作集です。2021年5月現在、全15巻が出版されています。その内容は炭水化物などの栄養素から、部位別トレーニング法まで多岐に渡っています。出版された書籍類は30冊以上に達します。

SNSからイベントまで精力的な活動

山本氏は、SNS上でも精力的に活動しています。YOUTUBEの山本義徳筋トレ大学は、チャンネル登録者数40万人を超え、再生回数も100万回に迫る動画もあるくらいです。Instagramでは、フォロワー4万人を数えます。

SNSだけでなく、クイズ・タレント名鑑などのテレビ番組や、富士急ハイランドのCMに出演し、トレーニングセミナーを全国各地で開催するなど精力的に活動しています。

トレーナー経験を活かしたサプリメント監修

山本氏は、マッスルブランド『VALX』をプロデュースしており、EAA・プロテイン・HMB・アルギニンを始めとしたサプリメントや、自身のトレーナーとして・トレーニーとしての経験から発案されたトレーニンググッズの開発・監修もおこなっています。山本氏のプロデュースするVALXのプロテインは、Amazonの新着ランキングで1位を獲得するなど、人気の高い商品となっています。

山本義徳氏の人となり

レジェンドトレーナーとして、パーソナルトレーナーから、SNSなどでの活躍など、さまざまな活躍を行っている山本氏。トレーニング方法においては、理論的に分析していて、トレーニングに対する真摯な態度を感じさせます。ここでは、そのような人となりではなく、山本氏のエピソードを紹介します。

山本氏はニーチェを読む高校生だった!?

小学生の時はピアノを習っていたという山本氏。その後剣道を習い始めたきっかけは「俺は鉄平」という漫画だそうです。そんな山本氏が「一番影響を受けた本」としてあげるのがニーチェの「ツァラトゥストラかく語りき」です。

山本氏が「ツァラトゥストラかく語りき」を実際に読んだのは高校生の時。高校生で読むというのも驚きですが、この本にたどり着いた理由は「俺は鉄平」という漫画から。まんがをきっかけに、哲学書を読むというのも山本氏ならでは。

満員電車が嫌だという理由でほとんど通わずに過ごした大学時代

山本氏は県内一の名門校、静岡県立静岡高校を卒業後、早稲田大学政治経済学部に入学しました。しかし、当時はそれほど出席も必要としなかったそうで、週に1回しか行かなかったのだとか。しかも、大学2年生と4年生の時に学費値上げのストライキがあり、テストも中止に。そのおかげで卒業することができたのだそうです。大学に通わずに何をしていたのかというと、スポーツクラブでバイトをしていたそうで、そこでトレーニングにはまったとのこと。この時期が現在の山本氏を作ったといえそうです。

大学卒業後就職した山本氏ですが、毎日の満員電車での通勤がつらかった事と仕事のためにトレーニングが続けられない事から、その後半年で仕事を辞め、アメリカへ。またお金を貯めてから渡米しようと考えていたようですが、帰国後日本のジムでトレーナーをすることになり、アメリカには戻らずに日本で活躍するようになっていくのです。人生、何が幸いするかは分かりませんね。

まとめ

ここまで、山本義徳氏について紹介してきました。山本氏は、レジェンド・トレーナーと称されるほどですが、その理由は彼が確固とした理論を構築し、論理的なトレーニング方法を考案しているからです。高校時代から、長年にわたってトレーニング法を研究した成果の集大成が、現在の山本義徳氏そのものだと言えるでしょう。その経験や理論をパーソナルトレーニング・SNS・メディアを通じて啓蒙しながら、トレーニングに関する知識を世の中に広めています。SNSでの旺盛な活動を見ると、今後もその活躍から目を離すことができません。

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YUMI

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某情報誌とサイトの編集者として15年以上勤務し、自身も編集者時代からダイエットとリバウンドを繰り返した経験を持つエディター兼ライター。現在はダイエット関連の記事を400本以上担当しつつ、3児の母として日々育児に奮闘している。

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