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スイミングインストラクターの仕事まとめ!業務内容・平均給与は?

習い事の定番として根強い人気があるスイミング。スイミングスクールやフィットネスクラブのプールレッスンでは、泳ぐだけではなくさまざまな水中運動が楽しめます。スイミングインストラクターが指導可能な水中運動、業務内容や平均給与をご紹介します。

1)「スイミング」の基礎知識

スイミングは習い事の定番として、昔も今も根強い人気があります。それは何故でしょうか。水という、非日常空間がわたしたちに与える影響と合わせ、調べてみました。

そもそもスイミングって?

(1)言葉の定義

スイミングとは水泳のことで、意味としては水の中を泳ぐことになります。それでは「スイミングインストラクター」は「泳ぎを指導する人」かな、と思う所ですが、スイミングインストラクターの指導内容は泳ぎだけではありません。習い事としての「スイミング」には、泳ぐこと以外の要素が含まれます。

(2)子供に人気の習い事

スイミングは、子供の習い事の中でも人気のあるものの一つです。スイミングスクールやフィットネスクラブのプールレッスンでは、赤ん坊から3歳児頃までの間に泳ぎの前段階である水遊びから始め、水中で行うゲームなどを通し水に慣れさせてゆく指導なども行います。小さな子でも楽しめる点が、人気の要因であるようです。

(3)シニア層にも人気

小さな子供以外にも、スイミングのレッスンはシニア層にも人気があります。筋力や運動機能が衰え始めたシニアには、陸上運動は身体が重く感じられて動きづらいケースがあります。その点スイミングは水の浮力が働くため身体の重みを感じにくく、また、実際に筋肉や関節への負担も軽くなります。そのため、身体に負担をかけない運動として、シニア層にも人気があるのです。

水が与える影響

(1)浮力と水圧

スイミング、水中運動が幅広い年齢層に人気がある理由の一つは、やはり浮力が働くことです。陸上の運動よりも身体の各部への負担が少なく、且つ全身に均等に浮力や水圧が働くことから、全身の筋肉がバランスよく刺激されます。普段運動不足の方でも運動効果が得られやすい点は、水の作用ゆえの恩恵です。

(2)身体を鍛える

スイミングスクールやフィットネスクラブのプールは室内プールで水温管理されているとはいえ、やはり陸上の環境とは異なります。低い水温は皮膚を伝って身体を冷やしますが、同時に、寒さに負けないための体熱発生効果をもたらします。体温を自力で上げる燃焼力の向上と体温上昇による免疫力向上、水そのものの持つ動きが与える刺激による皮膚の強化など、水の持つ動き、温度による刺激は、身体を程よく鍛えてくれる効果があります。

(3)精神を整える

プールとは言え、水には一定の動きがあります。水面を見ると決して静止してはおらず、ゆらゆらと、または激しく、波打っています。この波の揺らぎは、人間の脳にはとても心地の良いものとして捉えられます。揺らぎや浮力の作用にはリラックス効果があるとされており、水中の環境は精神を整えるのにも役立つと考えられています。

水中運動であるスイミングには、非日常である水の中で行うという楽しさに加え、陸上で行う運動では得られない水の特性によるさまざまな効果があります。肉体的にも精神的にも良い効果をもたらす水の特性が、長年のスイミング人気を支えている要因でもあるようです。

室内プール

2)スイミングインストラクターの業務内容を紹介!

泳ぎ以外にもさまざまな水中運動を指導するスイミングインストラクター。水泳の指導をしている時間以外には、どんな業務があるのでしょうか。また、その一日の流れはどのようになっているのでしょうか。スイミングインストラクター経験者のお話を、一例としてご紹介します。

基本業務

(1)スイミングインストラクターの仕事の流れ

スイミングインストラクターとは言え、常に水の中で指導を行っているわけではありません。午前中など生徒数が限られている時間帯にはスクール運営に関わる事務、或いは午前中に空き時間を作ることができるリタイア後のシニアや主婦層などを対象としたレッスンを行います。一人のインストラクターが一日中水の中にいるようなことのないように、レッスンは曜日や時間ごとに担当を決め、分担しながら行われるのが普通です。午後や夕方、最終のレッスンが終了する19時までは、学生や一般の水泳クラスのレッスンがあります。

(2)スイミングインストラクターの仕事内容

いくらスイミングインストラクターが水泳指導のプロフェッショナルとはいえ、水中は体力を消耗するため、一日中連続でプールにいるわけにはいきません。担当クラスのレッスン時間以外には、陸上で事務作業、監視業務なども行います。レッスンメニューの作成や施設内の清掃も、日常業務として行うべき仕事になります。

求められる業務

(1)安全の確保

スイミングインストラクターになるためには資格は必須ではありませんが、企業によっては取得を義務付けている必須的な資格に「基礎水泳指導員」資格があります。日本水泳連盟による、水泳指導者の基礎的な知識と技量を認定する資格ですが、この資格の習得のための講習会では事故防止のための安全管理、救急救命に関する知識が習得できます。スイミングインストラクターにとって、水中という非日常的な環境での安全確保は、求められる重要な業務の一つです。

(2)コミュニケーション

スイミングに限りませんが、できないことをできるように指導することは難しいものです。教わる側から教える側への信頼、教える側から教わる側への熱意や工夫がないと、上手くいくものもいかなくなります。スイミングは、水への恐怖心を払拭し、コツをつかむまでが大変なもの。常にどうしたら上手に指導できるかを、相手の反応を見ながら勉強していかねばなりません。そのためには、適切なコミュニケーションをとることも必要になります。楽しく学べる環境づくりのためにも、生徒たちとの円滑なコミュニケーションは、大切な業務の一つと言えます。

スイミングインストラクターとは言え、常に泳ぎばかりを指導しているわけではありません。事務仕事や監視員業務などもあり、安全確保にも時間や神経を割かなければいけません。また、教えるという仕事の上では、生徒たちとのコミュニケーションも大切だということです。

プールと女性の足

3)「スイミングインストラクター」の多様な形

泳ぎ以外の指導も行うスイミングインストラクターですが、では、指導すべき「水中運動」には、どんなものがあるのでしょうか。スイミングインストラクターに推奨される関連インストラクター資格から、スイミングインストラクターとして求められる実技・指導法、各種知識ついて調べてみました。

一般社団法人 日本スイミングクラブ協会

(1)公認水泳教師

日本体育協会の認める「公認スポーツ指導者」に含まれる資格の一つです。スポーツジムやスイミングスクールなどの商業施設で水泳の指導をする、水泳インストラクターのための資格になります。水泳の専門指導者となるために受ける講習会は、水泳の基本的な技術・指導の学習のほか、幼児、学童、成人と言った細分化さ

れた年代別指導法、競技水泳指導法、水泳安全管理の学習等、6種類にわたります。

(2)公認水泳上級教師

満二十歳以上で取得できる、公認水泳教師の上位資格です。専門講習会ではベビー、高齢者、妊婦への水泳指導法について学ぶことができます。また、水泳施設の運営管理に関する講習会の受講も必要で、水泳の専門的な指導以外にも各種事業の計画、立案、地域スポーツ施設の経営コンサルタント的な仕事に携わることのできる資格となっています。

(3)アクアフィットネスインストラクター

アクアフィットネスの基本的な知識と技能を有し、その指導及び管理ができる水中運動のインストラクターを認定する資格です。水の特性や水中運動の効果に関する知識、ベビーや幼児のための水泳理論、実技・指導法などが学べます。

(4)アクアダンスインストラクター

水中で多彩な動作を行うアクアダンス・アクアビクスに関する専門指導員資格です。水の特性を活かした動作、ダンスとして成立する流れのある動きの作成について学びます。水中運動の特徴や効果、心拍数への影響などの知識も身に付きます。

(5)メディカルアクアフィットネスインストラクター

アクアフィットネスの専門的な知識と技能を有するとともに、それらを生活習慣病を中心とした各種の疾病の予防改善のために役立てることのできるインストラクターを認定する資格です。整形外科的、内科的、循環器系の疾患予防・改善講習会、肥満、ストレス、転倒・寝たきり予防改善のための講習会など6種類の講習会に参加し、心身の病気、その予防改善のための知識を身に付け、水中運動に活かす術を学びます。

一般社団法人日本アクアサイズ協会

(1)水中運動士

水の特性を理解し、運動生理学や機能解剖学などの知識を熟知した指導員に認定される資格です。水の特性や水に対する人体の反応などの理論を学ぶとともに、水中における歩行、ストレッチング、ストレングス運動の実技指導技術について学ぶことができます。

(2)水中運動指導マイスター

水中運動士資格保有者がさらに理論実技の講習を受講することで認定される、水中運動士の上級資格です。介助が必要な方や介護施設での水中運動を指導するための専門知識を身に付ける「水中介護介助」、スポーツ施設や一般プールでの予防改善運動を指導する「セルフケア」、アクアビクスやリズミックアクアサイズの実技指導法を学ぶ「ミュージックエクササイズ」、水泳を水中運動として指導する技術・理論を学ぶ「ナチュラルスイミング」の4つのコースがあります。

公益社団法人日本フィットネス協会

(1)AQW(アクアウォーキングエクササイズ)

抵抗、浮力、水圧、水温といった水の特性を効果的に利用した、特に下肢の負担の少ないエクササイズを指導する専門資格です。水中歩行コースを設けているプールでも歩行指導ができるインストラクターは少ないため、中高年から高齢者の運動ニーズが増える中で今後注目されることが期待される資格です。

(2)AQD(アクアダンスエクササイズ)

水の浮力の中で行う、ダンスを始めとしたエクササイズを指導する専門資格です。音楽を利用し、陸上よりも負荷の少ない水中という環境でエクササイズを指導します。浮力によるリラクゼーション効果、負荷軽減効果、また幅広い年齢層を対象とした、的確で安全な指導についての知識が習得できます。

スイミングインストラクターに求められる指導内容は、泳ぎ以外にも、水中で行う歩行、ストレッチ、ストレングスやダンスなど、さまざまなものがあるようです。また、病気や傷害の予防、改善に水の特性を役立てるためのエクササイズの開発、普及なども考えられており、スイミングインストラクターという職種、資格の将来性や可能性を感じる結果となりました。

プールの手すり

4)スイミングインストラクターとして働こう!どういう働き方がある?

将来の展望については楽しみなスイミングインストラクターですが、それでは、現状はどうでしょうか。フィットネスクラブやスポーツジムの正社員として働いた場合、フリーランスとして働いた場合の2種類の働き方について、給与と進路についてご紹介します。

給与

(1)正社員

フィットネスクラブやスポーツジムの社員であれば月給制、賞与や諸手当、実績や人気による歩合給が付きますが、同年代の収入に比べるとやや低いといわれています。スポーツトレーナーとしての算出になりますが、初任給は月収にして16万から20万円、平均的な就労年代である30代の平均年収は350万円程度と言われています。最大年収となる50代の平均年収では、430万円前後になるという統計(2018年5月)もありますが、やはり、一般的な同年代の年収より低い傾向です。

(2)フリーランス・アルバイト

スイミングスクールや、フィットネスクラブ等のスポーツ施設では、経費の節約にもなることからアルバイトやフリーランスの契約社員の雇用に積極的なようです。アルバイトは時給制、契約社員は月給制か時給制か、契約先によって異なります。施設の規模、集客具合により給与はかなり幅があります。また、季節により利用者数に幅があるため、年間の収入が不安定な面があるようです。アルバイトの場合は時給、フリーランスの契約社員の場合は1レッスンの料金で支払われます。

進路

(1)正社員

体力等の要因から、スイミングインストラクターとして安定して働けるのは30代頃までと言われています。30代以後は、社員の場合はマネージャー等の管理職を目指すか、転職や独立を目指すことになります。選手を指導するコーチ職へと進む場合には、30代以降も水泳指導員を続ける場合が多いようです。

(2)フリーランス、アルバイト

働くにあたってのハードルはそこまで高くはないものの、1年程度の契約が一般的で安定性は高くはありません。収入を確保するためには施設やレッスンなど掛け持ちする必要があるため、水泳インストラクター1本で生活を維持するのは、クラブや教室の集まる大都市でなければ難しいという一面もあります。他のスポーツ系資格を取得して活動の幅を広げるなどの工夫が必要となるでしょう。

収入的には決して高給とは言えず、また、体力等の問題から年齢とともに仕事を続けることが難しくなってゆくのが、スイミングインストラクターの現実のようです。とは言え、実績と人気があれば歩合給や時給が高額になるケースもあります。また、マネージャー職への転向などで、スポーツ業界で働き続けることは可能です。多種多彩な水中運動指導の資格を取得し、泳ぎ以外の指導も行えるように準備することで、活躍の場が広がることもありそうです。

プールの水面の写真

5)スイミングインストラクターに関するQ&A

【Q1】基礎水泳指導員の資格は必要?どのように取得できるの?

必須ではありませんが、企業によっては必須と判断する場合もあるようです。日本水泳連盟が認定した水泳指導者の基礎種目で、各都道府県の水泳連盟等が主催する講習会を受講すれば取得できます。満18歳以上であること、100メートルを泳ぐ泳力があることが受講条件です。

参加費を納め、水泳の歴史や科学、水泳に関わるリスク管理、安全対策などの7時間分の学科講習、指導計画の立案等指導に関わる実習を3時間、実技講習22時間を合計12日間で受講します。(平成26年度東京都)。

【Q2】スイミングインストラクターに向いている人・向いていない人はどんな人?

水の中に長時間いなければならないため、冷え性の人、体力の少ない人には向いていません。健康に対し敏感で、体調管理がしっかりできると良いでしょう。泳ぐのが好き、子供が好き、人に教えるのが好き、という方にはもちろん向いていますし、相手の理解を求めるための工夫を常に考える人、生徒の上達を一緒に喜べる人には、強いやり甲斐を感じられると思います。一方で、同じ内容を別の相手に何度も教えることになるため、反復が苦手だと少し辛いかもしれません。

【Q3】スイミングインストラクターとして採用後どんな研修を受けるの?

採用された施設によりさまざまではありますが、クラスの運営について、子供や生徒への接し方、水辺における安全管理を特に重視して学ぶことになるでしょう。指導については個々のレッスンにもよるため、研修段階でそこまで気にする必要はないようです。プール監視員として、また先輩インストラクターについて補助員として一定期間働いた後、本格的にインストラクターとしてクラスを受け持つことになります。

スイミングインストラクターは決して特殊な仕事ではなく、子供、女性、そしてご年配の方々にもお役立ちのできるお仕事です。単純に「水泳が得意」というだけではなく、目の前の人の成長、運動支援など、コミュニケーションも非常に求められます。

インストラクターを通して、笑顔を作っていきたい、人の成長を支えていきたいという方、何より泳ぐことが好きだという方は、きっと楽しくお仕事を進めることができるでしょう。

ジムインストラクターとして実際に働くとなると、どんな目的でどんな環境で働くのかが大事になってきます。

あなた自身に最適な環境を選び、目的をしっかり持ってトレーナーとして活躍してください。

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