トレーナー向け資格

ストレッチインストラクターに関する資格8選

健康志向の盛り上がりとともに、運動愛好家人口は増え続けています。

トレーナーに興味のある人も多い中、需要に供給が追い付いていないと言われる職種がストレッチインストラクター。
今狙い目の有望資格、ストレッチインストラクターについて紹介します!

1)ストレッチの基礎知識

ストレッチと言うと、スポーツの前後に行う準備運動・整理運動をイメージする方も多いのではないでしょうか。

普段から気軽に行うものだけに、一般的過ぎて深く考えたことがない方も多いと思います。
先ずはストレッチの基礎知識についてみてみましょう。

ストレッチを学ぶ3つのメリットって?

(1)解剖学の入り口に最適

各種トレーナー職・ヨガ・ピラティス・ダンス系のインストラクターまで、運動や身体に関わる仕事はすべて、筋肉・関節・骨など人体の正常な形態と構造を学ぶ、解剖学の知識が必要です。

ストレッチの実施や指導には解剖学を基礎からしっかりと理解する必要があるため、ストレッチを学ぶことで基本として覚えておくべき解剖学の知識の要点を押さえることができます。

(2)効果範囲が広い

ストレッチは簡単な動きながら、さまざまな種類があり、効果範囲が広いことが特徴です。

ストレッチは動的ストレッチと静的ストレッチに大別されますが、どちらも筋肉や関節の柔軟性、血液の流れを向上させる働きがあり、ウォームアップにもクールダウンにも効果があります。また、やり方によってリラクゼーションにも心身の活性化にもどちらの用途にも使えます。

(3)活躍の場が多い

ストレッチは柔軟性や血液循環を向上させる効果から、特に健康・美容向けのサービスで需要があります。

ストレッチ専門店のほか、フィットネスクラブ・パーソナルトレーニングジムやエステ店などが求人の多い分野です。
ストレッチブームから日が浅いため、まだベテラントレーナーは層が薄く、技術次第で地位向上が望めると言われています。

ストレッチとマッサージの違いとは?

(1)ストレッチとは

筋肉を面でとらえる考え方が特徴です。
筋肉をパーツとして考え、その両端を遠ざけるように身体を動かし筋肉全体を引き伸ばしていくエクササイズです。

ストレッチの目的は可動域を広げることで身体を柔軟にして怪我・傷害を予防することです。
国家資格のような統一された資格がないため、ストレッチには指導や対応が可能です。

(2)マッサージとは

ストレッチとの最大の相違点は、関節等の肉体を主体的には動かさず、点でとらえた筋肉の一点に直接圧をかけてほぐしてゆくことで筋肉を柔軟にすることです。それにより、血液循環を上げる等の効果を引き出してゆく点でしょう。

マッサージはコリや癒着を解消することが目的であり、予防効果ではなく、症状に対する対処療法効果が求められます。
また国家資格が必要である点に注意が必要です。

基本的なエクササイズであるだけに、知っているようで知らないこともあったのではないでしょうか?
基礎だからこそ押さえておけば応用が利くストレッチは運動系の知識習得の入り口として初心者が学ぶのに向いています。

ストレッチ 女性

短期的な学習で取得できる資格5選

奥は深いですが、入り口は広く入りやすいのがストレッチの良いところです。
簡単に要点だけをしっかり学べる、短期で資格が習得できる講座も豊富です。
1~3日程度で修了可能な5つの資格取得講座をご紹介します。

日本ストレッチング協会

(1)概要

ストレッチを用いて他者をサポートしたいと考えている介護支援者・教員などの職業を幅広く対象として活動しています。ストレッチ実施のための情報と活動の場を与えることで、地域社会貢献につなげること、また活気ある社会づくりに役立てることを目標にしています。

(2)資格内容

資格取得のための学習では機能解剖学・バイオメカニクス・筋生理学・スポーツ医学などの幅広い専門知識の習得が目指されます。認定資格は4種あり、初級であるストレッチングトレーナーセルフ(JSA-CSTS)では、1人で行うベーシックなセルフストレッチングの実施・指示・指導・リスク管理や代表的な傷害等に対する知識などの実践的能力を習得します。資格は最短1日で取得可能で、受講料と認定料と入会費が必要です。

【参考】日本ストレッチング協会

カラダメンテ養成スクール

(1)概要

筋肉に対する触診法・姿勢のチェック・改善方法提案のスキル・ストレッチテクニックなど、ストレッチトレーナーとして必要な技術と身体理論に基づいたストレッチメニューの提供能力の習得・普及を目指す団体です。

(2)資格内容

全身40部位の筋肉に対するストレッチ法をさまざまなストレッチテクニックを交えながら学習してマット・ベッドの両方で対応できるパーソナルストレッチサービスの提供スキルを習得します。オンライン動画で復習できるなど、初心者でも学習を進めやすい環境が整っています。

資格は3級まであり、解剖学とストレッチの基礎知識習得からなる「IBMA認定パーソナルストレッチトレーナー資格3級」は、2日間の集中講座で取得が可能です。費用はテキスト・資格認定テスト代を含んでいます。ストレッチ以外にもヨガ・ピラティス・加圧トレーニングなどの資格もあり、ストレッチスキルを習得後にさらに勉強を深めたい方にも最適です。

【参考】カラダメンテ養成スクール

ノバストストレッチ協会

(1)概要

名古屋メインで開講している、理学療法士が監修するストレッチ講座の主催団体です。パートナーストレッチや正しいコンディショニングを普及させ、一人でも多くの方に健康になってもらうことを目的としています。協会のコンセプトを理解するとともに、確かなストレッチスキルの理解・習得を重視します。

(2)資格内容

傘下の教室のトレーナーになれる認定資格の取得と、さらなる学習の継続を目指します。3種類の資格がありますが、よりベーシックなNOVASTインストラクター資格は全2回10時間の講座を受講し、認定資格に合格することで取得が可能です。講座自体は全2回ですが、修了後もメルマガ受信やコミュニティ参加により継続的な学習が可能で、より上位のトレーナー資格・マスター資格に挑戦してゆくこともできます。

【参考】ノバストストレッチ協会

国際ボディメンテナンス協会(IBMA)

(1)概要

様々なボディメンテナンスの現場に携わる専門家を育成し、相互研鑽を通じて専門性を高め、世界にセルフメンテナンスの普及を図り社会貢献していくことを目的としている団体です。

(2)資格内容

全3種類の資格があり、初級に当たるものは解剖学の基礎とベーシックなストレッチ種目の理解、実施法の習得を目指す、ストレッチ3級ベーシックコースです。資格取得時間は最短で15時間、費用は受講料のほか、国際ボディメンテナンス協会の会費がかかります。講座は日本国内6か所で開催しているようですが、資格取得試験はWebでの受験が可能です。

【参考】国際ボディメンテナンス協会(IBMA)

シンデレラストレッチ協会

(1)概要

女性は家庭の職場の社会の太陽であるをスローガンに、女性を中心に心身の健康維持サポートを目的とした活動を行う団体です。身体の歪みを解消し、身体の免疫力を高めるための簡単なストレッチの普及に努めています。

(2)資格内容

シンデレラストレッチに即したストレッチを行う個人指導教室を開催するための指導資格であるファシリテーター、その上級に当たるインストラクター(プロフェッショナル)認定資格の二種類の資格が取得できるようです。

歪みと不調の関係、内観法、習慣によって悪化した姿勢を整えるストレッチや生活の中で取り入れられる「ながらストレッチ」等のシンデレラストレッチの理論とスキルを学ぶことができるベーシックなファシリテーター資格の取得講座は全16時間の内容ですが、学習期間は自身で選ぶことができます。

一般には2~3日で修了するケースが多いようです。費用は受講料・教材費・試験料・認定料に加え年会費がかかります。また希望する場合は再受講にも対応しています。

短期間の学習だからこそ、要点を絞った学習でそれぞれの講座に特色が生まれています。スキルアップの上級講座があるものや、資格を取得することで認定講座のインストラクターになれるものなど、短期講座とはいえ就職が見込める資格もあります。より深く学び自信をつけたい方には、長期通学を推奨している講座もあるので、ご自身の希望に合ったものを検討してみて下さいね。

【参考】シンデレラストレッチ協会

ストレッチをする女性

長期的な学習で取得する資格3選

短期で取得できる資格に対し、次は長期間の学習を要する資格についてご説明します。よりしっかりと深く学んで自信をつけたい、インストラクターとして即戦力で就職したい、という方には見る価値のある資格を3種類、ご紹介します。

ドクタートレーニングプロジェクト

(1)概要

アメリカの国家資格保持者から、現場経験で磨かれた最新のストレッチスキル、理論を学ぶことができるのが最大の特徴です。卒業後には、卒業生向け情報配信や就職サポート等も行われています。

(2)資格内容

軟部組織リリース&ストレッチコースが、ストレッチに特化したコースになります。

ストレッチをサービスとして導入したい方、学生トレーナーや未経験者、正しい知識でストレッチしたい方が対象。

身体とストレッチの基礎知識、トレーニングとストレッチの関係性、肩こりや腰痛などに対するストレッチ、セルフケアの学習などを学習します。

学習期間は全8回2か月で、費用は2018年8月現在HP上の割引表示価格もあるようです。コースの修了後には修了証明が発行されます。

日本ストレッチトレーナー学院

(1)概要

専門家による生理解剖学の授業と熟練のストレッチトレーナーによる施術指導で、全くの初心者でもわかるよう丁寧に徹底的に学習を進めていくことを掲げています。

また、就職斡旋等卒業後のアフターフォローも充実しており、健全経営法の指導や活動方法のマネジメント等も請け負ってくれます。

(2)資格内容

特に姿勢の矯正を重視しており、肩こりや腰痛をストレッチで改善するための方法論、その技術を活かして身体全体をケアするストレッチ法の習得を目指す「ストレッチトレーナー資格」があります。

それ以外に、ダイエット指導や姿勢矯正ボランティア活動に使える知識とテクニックをわかり易く伝えるためのトーク術が学べる適正姿勢指導士。

心理学的側面から言語を選択し話術によるモチベーション向上を目指すメンタルコーチングなどの、応用的な講座を受講することも可能です。

通学等の期間を要する講座であるようですが、学習期間、費用についてはまとまった情報はないようです。公式サイトから問い合わせてみてはいかがでしょうか。

肩書のしっかりした現場経験豊富な講師陣から確固とした知識とテクニックを習得することを目指す、即戦力のインストラクター養成を目指す3つの資格。

短期講座に比べてやはり高額ではありますが、資格取得後の就職支援やスキルアップサポートも充実しており、より真剣にストレッチを学びたい方には得るところが多いのではないでしょうか。

ストレッチをする男性

4)ストレッチを仕事にする方法

資格取得後の働き方として、資格認定団体の就職斡旋が利用できれば良いですが、それでは望む働き方ができないという場合もあるでしょう。ご自分で就職活動をする際に考えられる選択肢を、6点ピックアップしてみました。

スタイル1:ストレッチ専門で働く

(1)ストレッチ専門店

ストレッチ専門店は小規模な場合が多く、まとまった賞与が支給されないこともあり得ます。その分、インセンティブが付くというケースはあり得ます。基本給は年収で250万円程度、インセンティブ等諸手当がついて年収で300万円程度というのが一般的な認識です。

ただ、ストレッチトレーナーはまだベテラントレーナーの層形成が進んでおらず、トレーナー人口自体も多くはないため、店長等役職へ就ける可能性は高く、現状出世はしやすいと言えるでしょう。

(2)フリーランスや業務委託、出張派遣で請け負う

ストレッチ専門店におけるストレッチは、一回30分から60分として、1回あたりの報酬は3,000円前後が相場とみなされています。業務委託で請け負う場合は、お店によっては固定給を設定している場合もあるようです。

固定給15万円程度に歩合を加算するケースが多いようです。出張派遣の場合は、移動時間も考慮に入れて単価を高くするなどの調整をしないと、十分な収入とならない場合があります。

(3)独立開業する

ストレッチは他のトレーニング、運動系のトレーナー業と違い、ほとんど設備が必要ありません。身体を傷めないためのマット等があれば十分であり、貸事務所やマンションの一室など、ごく普通の環境で開業が可能です。

ただ、スタッフを雇う場合にはスタッフへの給与支払いが、内装にこだわりを持つ場合には内装や設備に関わる費用も必要になってきます。

スタイル2:ストレッチを付加価値にする

(1)フィットネスクラブ・パーソナルトレーニングジム

ストレッチの知識、資格とが付加価値として活かせる職場と言えば、フィットネスクラブやパーソナルトレーニングがあります。

フィットネスクラブではストレッチクラスを開講している場合やオプションのパーソナルトレーニングでストレッチ指導が必要となるケースが考えられます。その他、パーソナルトレーニングジムの場合は、そもそもマンツーマン指導を原則とするストレッチ指導は、内容、指導スキルとも有効です。

社員やアルバイトとして働くほか、フリーランスや業務委託による請負いの業態での働き方も考えられます。

(2)エステ・リラクゼーションマッサージ店

ストレッチのスキルは、健康運動関連業の他、美容業界でも需要の高いスキルです。姿勢改善や血流促進による代謝アップは、特に美容意識の高い女性に求められる効果でしょう。そのため、エステやリラクゼーションマッサージ店で、これらの知識が活用できます。

ストレッチそのものの指導というより、美容法として求められているという意識を以って指導しましょう。併せて、症状に対する治癒回復法としてのマッサージには国家資格が必要となるため、ここに抵触しないよう注意することが必要です。

(3)スポーツ教室やワークショップ

ストレッチの本来の機能の一つは、やはり、運動前後の身体ケアです。筋肉や関節の柔軟性を上げ、血液の流れを向上させることで怪我や傷害の予防、筋肉の疲労蓄積防止などの効果があります。

最近は趣味としてスポーツを楽しむ週末アスリートも多いことから、スポーツ教室やカルチャースクール、各種の運動や身体機能に関わる場でのセルフケアワークショップ等で、知識と経験を活かすことも可能です。

ストレッチの知識や資格は、ストレッチそのもの以外にも役立てることができます。美容業界、そして近年人気の高いパーソナルトレーニングと相性が良く需要が高い点は、今後資格を活かせる機会が増えることが予想できる、良い傾向と言えますね。

ストレッチ 女性

ストレッチインストラクターの資格に関するQ&A

【Q1】ストレッチインストラクターはどのような方法でなれますか?

ただインストラクターになるだけならば、ストレッチクラスのあるフィットネスクラブやスポーツクラブに社員やバイトとして入社し、インストラクター職に就くと良いでしょう。研修などで基礎的な知識、スキルを学ぶことができるケースもあります。

しかし、こういったケースで得た知識は表面的なものです。自信を持って指導するためには本格的な場で学び、きちんと資格を取る必要があるでしょう。知識をつけ資格を取得したうえで、資格認定団体の就職斡旋を受けるなり自分で就職先を探すなりして、ストレッチインストラクターを目指すのが良いでしょう。ストレッチ専門店、フィットネスクラブ等の運動施設、エステやリラクゼーションマッサージ店などの美容施設が、特に需要が高い職場です。

【Q2】ストレッチインストラクターは医療、福祉介護現場でも活かせますか?

高齢社会で健康寿命を延ばすため、介護予防の精度、考え方の浸透が図られています。ストレッチは怪我や傷害の予防を得意とするエクササイズであり、その意味では、福祉や介護の現場とも相性は良いはずです。ですが、ストレッチはリハビリなどの機能回復には向いていないこと、高齢者はすでに身体機能が低下しつつあるということから、実際には、これらの施設でストレッチインストラクターが積極的に活用されるケースは少ないようです。

理学療法士、柔道整復師といった、肉体機能回復の知識を持った職種の方が重宝されるのが現実です。とは言え、ストレッチインストラクターとして基礎的な解剖学の知識を習得していれば、こう言った職種への転向、転用も十分可能です。資格としてではなく知識として活用することを考えるならば、非常に価値があるのではないでしょうか。

【Q3】無資格マッサージ師問題について教えてください

本来、マッサージ等手技による機能回復、治療行為は、国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師・柔道整復師にのみ許された行為です。

資格を持たない民間マッサージ師がこれらを行い、施術対象者に怪我などをさせてしまった事例が、無資格マッサージ師問題として取り沙汰されたものになります。

整体やカイロプラクティック等はマッサージに属するものとして見られ易いものですが、法的な資格制度はありません。

利用者にはわかりづらく、また統一された技術規格がないことから施術者の技術水準や施術方法等がばらばらである点などが問題視されています。

ストレッチインストラクターとして活動をするなら、無資格や民間認定資格のみでして良いこと、国家資格を持っていなければしてはいけないマッサージや治療行為の線引きを学びましょう。

そして、施術対象者に怪我をさせてはいけないというきちんとした安全意識を持つことが非常に重要です。

まとめ

ストレッチインストラクターが狙い目と言われる理由は、応用範囲が広いこと、そのため需要が高いながら、トレーナー人口がまだまだ少ない点が挙げられます。単独の資格としては決して高収入ではありませんが、付加価値として活かせる機会も多く、長く学び続けることができる点が魅力です。

経験と実績を積み、幅広い対象に対して役立てられる、実力あるストレッチインストラクターを目指してください!

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