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シニアフィットネストレーナーとは?仕事スタイル総まとめ

社会情勢からシニア向けの運動指導士のニーズが高まっています。そのアドバイザーになれる資格として「シニアフィットネストレーナー」があります。今回はシニアフィットネストレーナーについて、基本情報から資格の取得方法、求人情報までご紹介します。

1)シニアフィットネストレーナーとは?

長寿大国として知られている日本の社会情勢の一つとして、高齢化があります。日本の平均寿命は年を重ねるごとに伸びてきており、平均寿命は世界で第二位です(2017年厚生労働省の資料より)。それに伴い支援・介護を必要と認定されている人は増加傾向にあり、深刻な社会問題として注目されています。

また、高齢者の方でもスポーツクラブなどで体を動かすことはよいことですが、張り切りすぎてケガをしたり、体調の急変をするリスクが増してしまいます。このように、一人でトレーニングすることはもってのほかで高齢者のトレーニング指導には細心の注意も必要なのです。そのためシニアの健康的な生活をサポートできるトレーナーは重要な役割を担っています。

シニアフィットネストレーナーとは、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA )主催の資格です。中高齢者の快適な暮らしをサポートするために、運動面のアドバイスができます。運動を指導する上で身につけておきたい、体に関する知識はもちろん、現場ですぐに使えるレジスタンストレーニングバランストレーニング等を適切に組み合わせたプログラム作りについて学びます。

NESTAはパーソナルトレーナーの間ではメジャーな団体で、本拠地はアメリカにあります。また、シニアフィットネストレーナー以外でも様々な資格を取り扱っています。日本をはじめとする20ヶ国で資格の取得ができる国際的なステータスを得ることができるのです。なかでも、パーソナルトレーナーの求人では、条件として「NESTA-PFT」の資格を持つことが必須のクラブも多くあります。
出典元:NESTA

2)フィットネストレーナーに似ている資格はある?

ジム トレーナー

シニアフィットネストレーナーに似ている資格「高齢者体力つくり支援士」について紹介します。また、相違点などもまとめましたので、参考にしてみてください。

高齢者体力つくり支援士とは?

シニア層の運動サポートをする資格として「高齢者体力つくり支援士」があります。内閣府所管の公益財団法人体力つくり指導協会が認定する資格です。協会が開催する「高齢者体力つくり支援士資格検定講習会」を受講し、最終日におこなわれる検定試験(筆記テスト)に合格することで資格取得ができます。

シニアフィットネストレーナーとの違い

(1)有効期限がある
高齢者体力つくり支援士は有効期限があり取得日から4年間です。更新は、有効期限の1か月前までに、合計8.0単位の単位取得が必要です。シニアフィットネストレーナーは取得をすると更新の必要はありません。

(2)資格取得に条件がある
高齢者体力つくり支援士には以下の項目の1つに該当する必要があります。

1.体育系大学(短期大学・専修学校含む)および医学系大学の卒業者または卒業見込み者
2.看護師・保健師・管理栄養士・理学療法士・鍼灸師・介護士・栄養士等の有資格者
3.運動関係資格取得者で、2年以上の指導経験者
4.運動指導関係で3年以上の従事経験者

シニアフィットネストレーナーは18歳以上であれば、どなたでも受講できます。以上のことからシニアフィットネストレーナーの方が手軽に取得できるといえます。

3)資格の概要とは?

シニアフィットネストレーナーのカリキュラムではトレーナーとして基本となる解剖生理学中高齢者がなりやすいケガや病気中高齢者向けのトレーニングプログラムの組み方を学びます。トレーニングでは脳トレやストレッチによる心身のウォームアップ、自重での筋力トレーニングによる筋萎縮(きんいしゅく)の予防・改善、バランスツールやラダー、ボールによる脚部のバランス機能、協調性の向上など、現場ですぐに使える効果的な指導法を身につけることができます。

4)シニアフィットネストレーナーの資格取得までの5STEP

ストレッチマット 女性

シニアフィットネストレーナーの資格取得方法の流れについて紹介します。資格を取ろうと考えている人はチェックしてみてください。

申し込みをする

お申し込みはホームページまたはFAXにて受け付けています。

受講料を支払う

受講料を支払います。もし、NESTAメンバーシップに入会している場合は別料金で受講可能です。お支払いにはクレジットカード決済か銀行振込を選べますFAXで申し込む際は銀行振込のみです。

講習会へ参加する

会場は東京・大阪・名古屋の3か所から選べ、東京は年3回、大阪・名古屋は年1回ほど開催しています。テキストは当日会場で渡します。2日間で計16時間受講をします。10名程度の少人数での講義なので講師との距離も近く、講義中に生じた疑問について質問しやすい環境です。

また、実技講義では自分の体を動かし、トレーニングやエクササイズを体験します。自分の体で実際に試すことで、より見識を深めることにつながります。

認定試験の解答を作成し、提出する

講習の最終日に、講師より試験問題を渡しますので、一週間以内に解答を作成し、事務局まで郵送にて送付します。試験問題はすべて4択の選択式で、正答率80%で合格できます。

合否通知が届く

解答提出後、4週間程度で合否通知が届きます。合格の方には資格取得を証明する「認定証」が届きます。

5)取得後は実際にどんな風に働く?2つのスタイルとは?

シニアフィットネストレーナーの資格を取得すると活躍できる例として、2つの仕事についてまとめました。また、それ以外でも多くの場所で資格の知識を活かして働くことができます。

スタイル1:高齢者をターゲットにしたスポーツジムやフィットネスクラブで働く

スポーツジムや、フィットネスクラブなどで高齢者に向けて介護予防につながるトレーニングの指導をします。またスイミングクラブの水泳のインストラクターを担当することもあります。民間企業が経営するフィットネスクラブやスポーツジムだけでなく各都道府県の自治体でも、高齢者向けの健康増進教室などでアドバイスをしています。

スタイル2:リハビリトレーナーとして働く

リハビリ施設サービス利用者の自宅に訪問して、高齢者や病気で手足にマヒが残った方のためにリハビリトレーナーとして働きます。具体的にはマッサージやストレッチなどの施術を行うほか、患者の健康を促進させるための運動指導栄養指導などを行います。

そのほかにも、フィットネストレーナーの知識は保健士、栄養士、看護師、柔道整復師の方にも通じますので、資格を取得することで仕事の幅が広がることでしょう。

6)期待できる年収や将来性は?

トレーナー

今回はシニアインストラクターを例にして年収や将来性について紹介します。

シニアインストラクターの年収

シニアインストラクターですと入社1年目の年収は200万〜300万円くらいが相場です。その後はインストラクターとして技術を磨いたり、人気が出たり高い知識を身に着けるようになると「アシスタントマネージャー」「マネージャー」「チーフマネージャー」というようにポジションもランクアップして、給料も上がります。

会社によっては、30歳前後で年収が600万円を超える人もいるようですが、あるスポーツジムに勤務するインストラクターの場合だと、30歳で月給が約30万円年収が約400万というケースもあります。なかにはフリーとして独立して切り盛りする人もいます。広範囲に教室を展開していれば年収1,000万円以上になるケースもあります。

シニアインストラクターの将来性

現在求人数はたくさんあるわけではないですが、シニア層をクライアントとするビジネスは今後も拡大する見込みですので、シニアフィットネストレーナーの需要は尽きないでしょう。また、長く勤めればその経験によって次第に昇給していく可能性の高い仕事です。フリーにならないと高給が見込めないという職業ではありませんが、お年寄りや社会に貢献できるという理由で働く人が大勢います。

7)資格取得にあたっての注意点はある?

シニアフィットネストレーナーの資格を取る際の気を付ける点をまとめました。資格取得を考えている人は確認してみてください。

受講料は一度決済するとキャンセルできない

受講料を振り込み、一度決済が完了するとキャンセルや別日程への変更はできません。開催日一週間前までは受け付けていますので、必ずご確認の上で決済しましょう。

受講日には必ず参加する

予定されている受講日には必ず参加しないといけません。もし行けなくなってしまっても、1日のみ別の回に参加するということもできません。確実に日程を確保してから申し込み、予定の2日間に参加できるよう日程調整・体調管理をするようにしましょう。

8)シニアフィットネストレーナーに関するその他のQ&A

ここではシニアフィットネストレーナーについての質問にお答えします。

【Q1】フィットネストレーナーの試験に落ちたら?

再試験を希望する場合は再試験料が必要となります。再試験を希望の方はNESTA事務局までお問合せください。

【Q2】シニアフィットネストレーナーは国際ライセンス?

シニアフィットネストレーナーのようなスペシャリスト資格は、NESTAの資格としてNESTA本部にも登録されています。ただし、スペシャリスト資格は各地域によって資格認定が行われているものです。したがって、世界共通の内容ではありません

【1】シニアフィットネストレーナーとは、中高齢者の健康をサポートするために、運動面のアドバイスができる資格
【2】シニアフィットネストレーナーは18歳以上なら誰でも取得ができ、更新も必要ない
【3】講習会に参加した後、自宅で試験問題の解答を作成し提出する
【4】高齢化社会の背景から、シニア層をターゲットとするビジネスは今後も拡大するため、シニアフィットネストレーナーの需要は尽きない

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