理学療法士になるためには

理学療法士は、国家資格です。
厚生労働省が実施している理学療法士の国家試験に合格しなければなりません。
ここ10年間の理学療法士国家試験の平均合格率は84.1%であり、非常に高い水準です。
受験資格を得るために理学療法学士の養成課程がある大学・短大・専門学校・指定の養成施設で3年以上学び、必要な知識と技術を身につけなければなりません。

医療人として働くための基盤力である「基礎分野」、リハビリテーションの理念や疾病などの理学療法士に求められる「専門基礎分野」、具体的な理学療法の「専門分野」の内容を大きく分けて学びます。
「専門分野」には病院などで患者に理学療法を実践する『臨床実習』も含まれます。

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理学療法士とは何か？仕事内容から、似ている作業療法士との違いまで解説！

理学療法士を目指す大学について知ろう！

日本理学療法士協会の調査（2019年現在）では、養成校の総数は273校です。
4年制大学は118校、3年制の短期大学は7校あり、他は専門学校などがあります。
4年制大学には医療・福祉分野に特化した学校・学科があり、理学療法に関する専門分野（スポーツリハビリ・基礎医学・運動器など）を実技や臨床実習を通じて、実践的に習得できます。
理学療法の分野において研究職の需要も高まっているため、大学院へ進むこともできます。

各大学で重視するポイントは異なり、海外との交流プログラムに力を入れる学校や、医療教育に力を入れる学校もあります。

国公立大学

東京都の公立大学「首都大学東京」には、健康福祉学部理学療法学科があります。
2年次から臨床実習が始まり、各医療機関の指導者からマンツーマンの指導が受けられます。
群馬県の国立大学「群馬大学」には、医学部保健学科理学療法学専攻があります。
キャンパス内に附属病院があり、病院での実習環境が整っています。

私立大学

東京の私立大学「帝京平成大学」には、健康メディカル学部理学療法学科・健康医療スポーツ学部理学療法学科の2学科があります。
1年後期から実習が始まるため、早い時期から現場の様子を知ることができます。
埼玉県の私立大学「埼玉医科大学」には、保健医療学部理学療法学科があります。
夏休みを利用した海外研修など国際性を重視しており、世界で活躍できる医療人の育成に力を入れています。

理学療法士を目指せる大学の主な偏差値

自分の学力と比べて、志望校を決める参考にしてください。

参考：大学の偏差値を見る【スタディサプリ 進路】

大学は4年以上、短大は3年以上通う必要がある

理学療法士の国家試験は「学校教育法 （昭和二十二年法律第二十六号）第九十条第一項の規定により大学に入学することができる者（この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項 の規定により当該大学に入学させた者を含む。）で、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、三年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの」と定められています。

2019年度 理学療法士養成校一覧に載っている大学では4年間、短期大学では3年間修了する必要があります。

参考：公益社団法人 日本理学療法士協会「理学療法士養成校一覧（2019年度）

さまざまな入試方法を検討しよう

「AO・推薦入試」「センター試験」「一般入試」などがあげられます。
各大学独自にAO入試や推薦入試の日程は異なりますが、主に8月から2月の間にかけて行われます。
1月中旬には多くの受験生がセンター試験を受けて、本格的な受験シーズンが始まります。
1月下旬から2月中旬には私立大学の一般入試も実施され、複数の入試方式から同じ学部学科を受験できる「複線入試」を採用している大学も多いです。
2月中旬から国公立大学の前期試験が始まり、3月までにすべての合格発表が行われます。

大学ごとに、入試時期や方法が異なるので、公式サイトを確認してください。
参考：令和2年度試験情報｜独立行政法人 大学入試センター

国公立大学と私立では受験科目数が違う

国公立大学の入試科目では「国語」「数学」「外国語」「地理歴史公民」「理科」が指定されて、センター試験と2次試験の合計点で合否が決まることが多いです。
私立大学では「国語」「外国語」「数学」「理科」から、3科目選択することが多いため国公立大学と比べて受験勉強の科目数は少ないです。

参考：一般入試（国公立大）の仕組み｜Benesse マナビジョン
参考：一般入試（私立大）の仕組み｜Benesse マナビジョン

国公立大学のほうが学費が安い

国公立大学は設置主体である国や各都道府県が授業料などを決定していますが、私立大学では大学が独自に授業料や施設設備費などを決めています。
私立大学と比べて、国公立大学は国から多く補助金を受けているため学費を抑えて通うことができます。

大学・短大の納入金は、約60万円～約200万円かかります。
4年間では国公立大学では250万円、私立大学では560～640万円かかります。
国公立大学か私立大学かで学費が大きく異なるため、詳細は各学校の公式ホームページをご確認ください。

＜関連リンク＞
理学療法士を目指せる大学の学費を比較！(2019年度全国版)

進路と就職先

主な就職先は、病院・診療所・高齢者福祉施設などがあります。
理学療法士がもっとも多く働いている職場は医療施設（病院・診療所）です。
日本理学療法士協会の調査（2019年現在）によると、全会員11万9525人のうち7万9632人（66.6％）が医療施設に勤務しています。
通院が難しいお年寄りなどを対象にサービスを提供する訪問リハビリテーション事業所も理学療法士の就職先の一つです。
また、医療系や福祉系の就職先と比較すると数は多くありませんが、スポーツチームなどで活躍することもあります。

参考：統計情報 公益社団法人 日本理学療法士協会

大学から理学療法士を目指せる

大学から理学療法士を目指すことは十分にできることがお分かりいただけたと思います。

4年間じっくりと腰を据えて勉強することができるので知識の幅が広い理学療法士として活躍できると思います。
また、国公立大学と私立大学で学費が大きく違うため、ご自身のライフスタイルや経済的事情を考慮しながら「知らなかった」という後悔がないように学校を選びましょう。

＜参考＞
大学の偏差値を見る【スタディサプリ 進路】
公益社団法人 日本理学療法士協会 理学療法士養成校一覧（2019年度）
令和2年度試験情報｜独立行政法人 大学入試センター
一般入試（国公立大）の仕組み｜Benesse マナビジョン
一般入試（私立大）の仕組み｜Benesse マナビジョン
統計情報 公益社団法人 日本理学療法士協会

＜関連リンク＞
理学療法士とは何か？仕事内容から、似ている作業療法士との違いまで解説！
理学療法士を目指せる大学の学費を比較！(2019年度全国版)
理学療法士を目指せる専門学校の学費を比較！(2019年度全国版)

理学療法士国家試験の正しい勉強法を知ろう

理学療法士国家試験の合格率は79.6%と比較的高い傾向にあります（令和4年度）。しかし、一度不合格になってからもう一度試験に挑戦する再受験者の合格率は37.4%ととても低いのはあまり知られていません。

なぜこんなにも合格率の差が大きいのでしょうか？

それは、試験に合格できない人は正しく効率的な勉強法があるのに知らないことが原因です。だから時間をかけて再受験をしたのに、再び試験に落ちてしまいます。

もともと学校の勉強が得意ではなかったり、新しい事を覚えるのに苦手意識はありませんか？そんなあなたは正しく効率的な勉強方法を知らない可能性が高いです。

だから、そのままの状態でせっかく理学療法士の目指せる大学に入って勉強をしても、合格できない可能性があります。

もし国家試験に不合格になるとさまざまなデメリットがあります

デメリット1: 再び試験を受けられるのは1年後

理学療法士の試験は国家試験なので、実施は年間1回だけです。だから、つぎに試験に挑戦できるのは1年後です。

次の試験を迎えるまでの間勉強をする、国試浪人をしなくてはいけません。

デメリット2: 理学療法士の内定が取り消しになってしまう

せっかく卒業の内定を獲得していても、国家試験に落ちると内定が取り消しになってしまいます。

なぜなら、国家試験に合格しないと理学療法士として活動できないと法律で定められているからです。理学療法士としての採用であれば、試験に合格できなかった場合の内定が取り消しになっても仕方がないと言えますよね。

1年後の再試験まで病院でアルバイトとして働けないか？と考える人もいるでしょう。しかし、残念ながらそのような理学療法士にそのような制度を設けている病院はとてもレアケースです。

国試浪人になったら、その間の生活費を賄う必要がある人がほとんどですが、理学療法士とは関係無い飲食などのアルバイトで食いつなぐ浪人生が多いようです。

デメリット3: 勉強も就活も全部自分だけでやり直し

国試浪人すると勉強も就活もすべて自己責任になってしまいます。

現役の学生なら毎日勉強できる環境があります。一緒に勉強する仲間がいるし、いつでも先生に質問ができます。

しかし浪人生はどうでしょうか？学校には通えないから、頼れるのは学校で買った教科書だけ。だれかに質問したくても出来ない環境です。

そして何よりもツラいのは、就活を自分でやらなくてはいけないことです。現役の学生であれば、在学中に内定した企業や病院に入社するのが普通です。

でも浪人生は、学校に紹介される求人を頼ることができません。自分で求人を探して応募し、内定まで自分の力で勝ち取る必要があるんです。

せっかく学校に高い学費を払ったのに、求人を紹介してもらえないのはもったいないですよね。

だからこそ、理学療法士の国家試験は絶対に現役合格したほうが良い！と言えます。

絶対に現役合格するための正しく効率的な勉強法を知る

勉強が苦手な人でも、正しく効率的な勉強法を知って理学療法士の国家試験は絶対に現役で合格しましょう。

そのためには、正しく効率的な勉強法を大学に入る前から知っておくのが理想です。

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