ヨガ・ピラティス

PHIピラティスの資格とは?特徴・取得の流れ・他資格との違いを解説

ピラティスは、リハビリやダイエット、筋力アップなど様々な目的で行われます。

そのため、ピラティスインストラクターを目指す場合は、どの分野を専門的に学ぶかを決めることが重要です。

ピラティスインストラクターを目指している人の中には、ピラティスでリハビリテーションやアスリートのサポートをしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

今回取り上げるPHIピラティスの資格は、リハビリテーションの視点を強く持つ資格です。この記事ではPHIピラティスの資格の特徴や取得の流れ、他資格との違いなどを解説します。

医学的な知識に基づいた安全で効果的なピラティスのインストラクターを目指している方はぜひ一読してください。

PHIピラティスとは?

まずは、PHIピラティスについて知ることから始めましょう。

本項では、

  • PHIピラティスの成り立ちと理念
  • リハビリ由来のメソッドとしての特徴

に焦点を当て、詳しく解説します。

PHIピラティスの成り立ちと理念

 PHIピラティスは、アメリカ現役理学療法士でNATA公認アスレチックトレーナーでもあるChristine Romani-Ruby(クリスティン・ロマニ・ルビィ)氏が創設した教育団体です。

彼女の医療現場での豊富な臨床経験や、幅広い知見を既存のピラティスの原則を結びつけることにより作り上げた、より安全で効果的なメソッドが、PHIピラティスエクササイズの特徴になっています。

PHIは、「Performance Enhancement International」の略で、人の機能改善とパフォーマンスアップを目指すという理念を持つ国際ピラティスという意味です。

また、PHI ピラティスの後に“as Therapeutic Exercise & Conditioning”と続きますが、PHI Pilatesのエクササイズが病院でのリハビリテーションからトップアスリートまでを対象にすることができる本物のピラティスということを示しています。

リハビリ由来のメソッドとしての特徴

PHIピラティスのメソッドは理学療法士によって開発されたため、リハビリテーションの現場で培われた専門的な医療的視点がエクササイズに反映されていることが、大きな特徴として挙げられます。

その医療的視点に基づきながら、個人に対して専門的にアプローチできる点がPHIピラティスの強みです。

またPHIピラティスは、高齢者からトップアスリートまで幅広い層の人に対してアレンジを活かすプログラムが学べます。

たとえば、1つのエクササイズであっても専門的な視点で修正や応用をすることで、身体が不自由な人から世界トップクラスのアスリートまで、それぞれのレベルに適したピラティスエクササイズを提案することができるようになります。

以上のことからPHIピラティスの資格は、理学療法士や作業療法士、医師などの多くの医療従事者にも支持されています。

参考:PHI Pilates公式サイト

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PHIピラティスの資格の種類

PHIピラティスには、以下の通り8種類のコースがあります。

コース 概要
MatⅠ/Ⅱ Instructor Course マットピラティスの指導方法を学ぶ
Props Instructor Course フォームローラーとピラティスリングを使用したピラティスのマットエクササイズの指導方法を学ぶ
Barrel Instructor Course バレルという器具を使用して行うマットピラティスの指導方法を学ぶ
Chair Instructor Course ピラティスチェアという器具を使用して行うマシンピラティスの指導方法を学ぶ
Tower Instructor Course キャデラックやタワーと言う器具を使用して行うマシンピラティスの指導方法を学ぶ
Reformer Ⅰ Instructor Course マシンピラティスの指導方法を学ぶ
Reformer Ⅱ Instructor Course Reformer Ⅰ の応用のマシンピラティスの指導方法を学ぶ
Reformer Ⅲ Instructor Course Christine Romani-Ruby氏が理学療法士かつピラティスマスターとしての経験を凝縮した、オリジナルのリフォーマーエクササイズの指導を学ぶ

本項ではその中でメインとなる、

  • マット資格:MatⅠ/Ⅱ Instructor Course
  • リフォーマー資格:ReformerⅠ/Ⅱ Instructor Course

について取り上げ、費用や期間も含めて詳しく紹介します。

マット資格:MatⅠ/ⅡInstructorCourse

PHI Pilates Mat Ⅰ/Ⅱ Courseは、ピラティスの世界では難易度が最も高いと言われているマットピラティスの指導方法を学びます。

マットピラティスはエクササイズはシンプルなものの、実は奥深いのが特徴です。

また、マットピラティスのエクササイズは行う場所を選びません。スタジオや屋外など仰向けに寝ることができるスペースがあればどこでもできますため、オンラインでの指導にも適しています。

医師や理学療法士などの医学の専門家はもちろん、PHIピラティスに興味のある一般の方も受講可能です。

実技講習が行われる期間は4日間で、受講料は254,100(税込)です。

もっと詳しく知りたい方は、PHIピラティスの公式サイトをご覧ください。

リフォーマー資格:ReformerⅠInstructorCourse

PHI Pilates Reformer Ⅰ Courseは、クリニカルリフォーマーの脚を通常のリフォーマーの高さにカットした万能で珍しい運動器械を使用し、そのマシンピラティスの指導方法を学びます。

付属品のムーンボックス、ロングボックス 、ジャンプボードなどを使用するとこのリフォーマーのエクササイズは500種類を超えます。

PHI Pilates Reformer Ⅰ Courseは、その500種類の中から基礎的なエクササイズの指導が、リハビリ期のクライアントからトップアスリートまで幅広い層のお客様にできるようになるコースです。

実技講習が行われる期間は2日間で、受講料は231,100(税込)(外部資格保持者は277,200円(税込))です。

もっと詳しく知りたい方は、PHIピラティスの公式サイトをご覧ください。

リフォーマー資格:ReformerⅡInstructorCourse

Reformer Ⅱ Courseは、Reformer Ⅰ の応用で、より繊細でパワフルなマシンピラティスの指導方法を学びます。

実技講習が行われる期間は2日間で、受講料は231,100(税込)です。

もっと詳しく知りたい方は、PHIピラティスの公式サイトをご覧ください。

PHIピラティス資格の取得方法と流れ

本項では、PHIピラティス資格の取得方法と流れを掴むために、

  • 受講前の準備・受講要件
  • 講座の受講内容と修了条件
  • 試験・認定プロセスの概要
  • 継続教育や更新制度について

の以上4点について詳しく解説します。

受講前の準備・受講要件

各コースの受講前の準備・受講要件は、以下のようになっています。

コース 受講前の準備・受講要件
Mat Ⅰ/Ⅱ Instructor Course 受講資格は特になく、高等学校卒業以上(満18歳以上)であり、PCアドレスを保有していてインターネット接続ができる環境にあれば誰でも受講できます。
医師や理学療法士などの医学の専門家はもちろん、PHIピラティスに興味のある一般の方も受講可能です。
Reformer Ⅰ Instructor Course 受講資格は、PHIピラティスインストラクター

または、

・運動指導者資格保有者(健康運動指導士、NATABOC-ATC、JSPO-AT、JATI-ATI)
・医師、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師などその他医療に関連した国家資格保有者
・PHI以外のマットピラティス資格保有者

上記のいずれかで、かつ機能解剖学および運動生理学またはトレーニング科学の素養がある方となっています。

Reformer Ⅱ Instructor Course 受講資格は、Reformer Ⅰ インストラクターとなっていて、申し込みの時点でPHIピラティス認定のReformer Ⅰ インストラクターを修了していない人は申し込みができません。

講座の受講内容と修了条件

各コースの講座の受講内容と修了条件は以下を参考にしてください。

コース 講座の受講内容 修了条件
MatⅠ/Ⅱ Instructor Course PHI Pilates の特徴である立位・仰臥位・腹臥位・横臥位・座位それぞれのニュートラルポジションによるエクササイズを学び、その後不良姿勢に対する PHI Pilates の応用や、ラーニングマトリックス(運動学習)について学びます。

実技講習では、テキストで紹介した約 80 種類のピラティス エクササイズを実際に行ったり、筋‐骨格のアライメントや姿勢の機能解剖などを学んだりします。

また、PHI Pilates グループレッスンの進め方や、PHI Pilates マットエクササイズを使ったパーソナル指導法についても学びます。

Mat Ⅰ/Ⅱ Instructor Course を受講し、認定試験に合格するとインストラクター資格が授与され、修了です。
Reformer Ⅰ Instructor Course スプリングの力を利用したキャリッジという台に乗って行うエクササイズを主に行います。

コア強化のエクササイズ、肩関節のリハビリテーションや繊細な股関節のコントロール、全身の協調性を高めるフローを意識したエクササイズ、さまざまな感覚受容器にアプローチできる活用法など、幅広いクライアントに適切な運動療法としてアプローチできる実技を学びます。

PHI ピラティスインストラクターの方が PHI Pilates Reformer Ⅰ Course を受講すると、試験なしでインストラクター資格が授与され、修了となります。

PHI ピラティスインストラクター以外の方は、受講後に認定試験があり、合格するとインストラクター資格が授与され、修了です。

Reformer Ⅱ Instructor Course Reformer Ⅰ Instructor Course の応用として、よりパワフルなスプリングの力を利用したキャリッジという台に乗って行うエクササイズを主に行います。 Reformer Ⅱ Course を修了すると、インストラクター資格が授与されます。

試験・認定プロセスの概要

Reformer Ⅰ Instructor Course において、PHIピラティスインストラクターの方が受講する場合は認定試験はないため、MatⅠ/Ⅱ Instructor Courseの試験と認定プロセスの概要をご紹介します。

MatⅠ/Ⅱ Instructorの認定試験では、受講者の中でパートナーを決めてPHI Pilates Japanが公認した試験官の前で実技指導を行い、その内容が評価されます。

その他、エクササイズの効果や修正法、姿勢や機能解剖学などについての口頭試問も行われます。

試験結果は、認定試験を実施後2週間以内にメールで送られます。

合格者には米国PHIピラティスから電子データで認定証が届きます。

継続教育や更新制度について

PHIピラティスの資格は、資格を維持するために継続教育プログラムを受けて資格更新をすることが必要です。

ピラティスインストラクターは、最新の情報や指導法をアップデートして常に向上する必要があります。

そのため、PHIピラティスではインストラクター資格に2年間の有効期限を設定し、資格の取得後も更新に必要な継続教育を受け、単位を取得することで資格を継続するシステムを設けています。

継続教育は、

  • Pilatesや PHI Pilates に関する知識・指導技術
  • スポーツ医科学・フィットネスなどに関する深く幅広い知識・技術

などをセミナーやワークショップやイベントなどを通して学べるようになっています。

その結果、Pilates やスポーツ医科学分野の進歩や指導技術において、常に新しい情報を入手でき、PHI Pilates Instructor としての質を高めることが期待できます。

PHIピラティスと他資格との比較

PHIピラティスの資格と他の資格とで迷っている方もいるのではないでしょうか。

本項では、PHIピラティスとその他の主要な資格を比較します。

  • PHI vs STOTT:リハビリ寄りの深さ
  • PHI vs BASI:教育哲学と指導スタイル
  • PHI vs Balanced Body:カリキュラムの柔軟性

の3つの項目について、以下で詳しく説明します。

PHIvsSTOTT:リハビリ寄りの深さ

STOTT PILATESは、理学療法や解剖学などのバイオメカニクスを取り入れたエクササイズで、リハビリテーションやケガの回復に強みがあるため、PHIピラティスと似ていると感じる人も多いですが、PHIピラティスは創設者が理学療法士という点からも分かる通り、STOTT PILATESよりも臨床的かつ専門的な視点とリハビリテーションの応用に特化しています。

そのため、特定の疾患や機能障害に悩むお客様への対応にも向いています。

STOTT PILATESはリハビリ分野との相性も良いですが、あらゆる状態のお客様に対応できるバランスの良さを重視しています。

従って、より専門的なリハビリテーションの知識と技術を習得したい場合は、PHIピラティスがおすすめです。

STOTT PILATESについてもっと詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。

STOTT PILATESの資格とは?特徴・取得方法・他資格との違いを解説

PHIvsBASI:教育哲学と指導スタイル

PHI ピラティスは、人の機能改善とパフォーマンスアップを目指すことを教育哲学として、リハビリテーションの原則に基づいていた姿勢の矯正を行うことを重視しています。 

それに対してBASI ピラティスは、BASI Systemに基づいた「流れるような動き」を重視したエクササイズが特徴です。

PHI ピラティスの資格がリハビリ分野を極めたい人に人気なのに対して、BASIピラティスの資格はダイナミックな動きを通じた筋力アップやダイエットをサポートしたい人に人気があります。

BASI Pilatesについてもっと詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。

BASIピラティス資格とは?資格取得のメリットやコース内容を詳しく解説

PHIvsbalancedbody:カリキュラムの柔軟性

balanced bodyはモジュール制を採用していて、多様な器具を活用した指導などを柔軟なカリキュラムで学べる特徴があります。

それに対してPHIピラティスは、カリキュラムの柔軟さよりも、マットとリフォーマーを基本としたリハビリテーションに特化した専門性の高いコースが特徴です。

そのため、リハビリテーションを専門的に集中して学びたい方は、PHIピラティスが向いています。

balanced bodyについてもっと詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。

balanced bodyのピラティス資格とは?特徴・取得方法・他団体との違いを解説

PHIピラティス資格に関するよくある質問

本項では、PHIピラティス資格に関してよく寄せられる質問にお答えします。

理学療法士でないと取得は難しい?

PHIピラティスの資格取得や講座の受講に、理学療法士の資格は必須ではありません。

Mat Ⅰ/Ⅱ Instructor Courseなどの基本コースから始めることで、ピラティスの基礎から丁寧学べるため、初心者でも安心して受講や資格取得ができます。

ただし、PHIピラティスはリハビリテーションの専門的視点が強いため、解剖学や運動学の知識がない場合は、事前に学習しておくことをおすすめします。予習しておくことで講義内容が理解しやすくなりますし、学習をスムーズに進めることもできるでしょう。

また、コース内では積極的に質問するなど、自ら理解を深める努力も大切です。

PHIピラティス資格は国内外で通用する?

PHIピラティスは、世界的に高い信頼性と認知度があるPMA (Pilates Method Alliance) に加盟しています。そのため、PHIピラティスの資格は国内外で通用します。

ピラティスインストラクターとしてグローバルな活躍を視野に入れている方には、リハビリテーションの知識を強みとするPHIピラティスの資格を持っていると、海外でのリハビリ分野においてのキャリアアップの可能性が高まるかもしれません。

ただし、海外で働くためには永住権やワーキングビザが必要な国もめずらしくありません。

海外での活動を視野に入れている場合は、資格取得だけでなく働く権利を取得する方法も調べておくことをおすすめします。

参考:PMA (Pilates Method Alliance)公式サイト

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まとめ|PHIピラティス資格は理学的なアプローチを重視する人に最適

今回の記事では、PHIピラティスの資格の特徴や取得の流れ、他資格との違いなどを解説しました。

PHIピラティスの資格の保有は、理学療法に基づいた専門的な知識と、科学的根拠に基づいた高度な指導スキルを併せ持つ証明になります。

リハビリテーションの現場でのピラティスの応用を考えている医療従事者や、医療従事者とのスムーズな連携を目指している方、リハビリに興味があり、安全で効果的なピラティス指導を極めたい方など、理学的なアプローチを重視する方々にとって、PHIピラティスは最適な資格といえるでしょう。

この記事を読んでリハビリ分野に特化したピラティスに興味が湧いた方は、ぜひ一度PHIピラティスの資格取得を考えてみてください。

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