トレーナー向け資格

NATA-ATCの取得は最難関?資格取得までのステップとコツを解説

名前を挙げるまでもなく、ワールドワイドに活躍するスポーツ選手が多くなってきました。一方で、ワールドワイドに大好きなスポーツ業界と関わっていきたいという人もいます。

そんな人たちの間で注目を集めているのはNATA認定アスレティックトレーナーです。

そこで今回の記事は、NATA認定アスレティックトレーナーについてご紹介します。

NATA-ATCとは?

NATAは何の略?

NATAは、National Athletic Trainer’s Association(全米アスレティック・トレーナーズ協会)の略です。
そしてNATA認定トレーナーは、ATC(Certified Athletic Trainer)と呼ばれ、アメリカのプロスポーツ業界で活躍が可能になります。

NATAを構成する10の地区

NATAはアメリカを以下の表のとおり、10のエリアに分けて構成されており、NATAの会長や取り締まりを選出する時などは、10地区から投票を行います。

地区
東部(1区) コネチカット、マサチューセッツ、ロードアイランド、バーモント、ニューハンプシャー、メイン
東部(2区) デラウェア、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルバニア
大西洋中央部(3区) メリーランド、ノースカロライナ、サウスカロライナ、バージニア、ウェストバージニア、コロンビア特別区
五大湖(4区) イリノイ、インディアナ、ミシガン、ミネソタ、オハイオ、ウィスコンシン、マニトバ、オンタリオ
中米(5区) アイオワ、カンザス、ミズーリ、ネブラスカ、ノースダコタ、オクラホマ、サウスダコタ
南西(6区) アーカンソー州、テキサス州
ロッキーマウンテン
(7区)
アリゾナ、コロラド、ニューメキシコ、ユタ、ワイオミング
ファーウェスト(8区) カリフォルニア、ハワイ、ネバダ
南東(9区) アラバマ、フロリダ、ジョージア、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシシッピ、テネシー
北西(10区) アラスカ、アイダホ、モンタナ、オレゴン、ワシントン、アルバータ、ブリティッシュコロンビア、サスカチュワン

ATCはアメリカの国家資格

アメリカ国内で働くスポーツトレーナーの95%以上がNATA認定資格を持っています。
逆に言えば、NATA認定資格を保持していなければ、アメリカのプロスポーツ業界で活躍するトレーナーとして働くことはできないということです。

さらに、アメリカ医学会に認定されている「看護師」「理学療法士」などと同じ準医療従事者という扱いになります。

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NATA-ATCと日米のアスレティックトレーナーの違い

日本のアスレチックトレーナーの資格とアメリカで発行されるアスレチックトレーナーの資格は全く違います。どのような違いがあるのか見ていきましょう。

日本のアスレティックトレーナーとは

日本スポーツ協会が発行するJSPO-ATや日本アスレチックトレーナーズ協会が発行するJATAC-ATCなど、日本にもアスレティックトレーナーと名の付く資格があります

しかし、どちらも民間資格でありアスレチックトレーナーに必須の資格ではありません。

日本のアスレチックトレーナーは、アスリートやスポーツをしている人のけがの予防やケア、リハビリテーションやテーピングなどを施すトレーナーのことを指します。

そのため、鍼灸師などの資格を持ちながらアスレチックトレーナーをしている人も中にはいます。

アメリカのアスレティックトレーナー(NATA-ATC保持者)とは

アメリカのアスレチックトレーナーの資格であるNATA-ATCは、特定の州から認定された国家資格です。

そのため日本の民間資格とは違い、アスレチックトレーナーの仕事をするためにはNATA認定の大学や大学院を卒業してBOC(資格認定委員会)が実施する試験に合格し、NATA-ATCの資格を取得することが必須です。

今や国家資格のNATA-ATCですが、1990年にアメリカの医学界であるAMAにより准医療従事者として認定され国家資格の扱いとなりました。

日本人でNATA-ATCを取得している人は約170人と非常に少なく、取得難易度の高い資格です。しかしながら、上記の通り資格取得のハードルが高い分高い権威を持っており、権威性の高さという点においても日本のアスレティックトレーナーとの大きな差といえます。

NATA-ATCの資格取得がおすすめな人の特徴とは

先述の通り、NATA-ATCはアメリカのアスレティックトレーナーになるためには必要不可欠な資格です。

そのため、

「アメリカでスポーツトレーナーとして活躍したい」
「メジャーリーグチームのトレーナーになりたい」
「バスケットボールのNBAなどでプロスポーツ選手のサポートをしたい」

などの夢がある人は、ぜひNATA-ATCを取得するために留学を検討すると良いでしょう。

ただし、海外で働く場合就労ビザなどの問題も出てくるので、ビザについても事前に調べておくことをおすすめします。

海外での活躍に限った話ではなく、日本国内でスポーツプロチームでトレーナーとして働く場合も、NATA-ATCの資格を持っていると非常に歓迎・優遇される可能性が高いです。

以上より、NATA-ATCはスポーツトレーナーとして国内だけでなく海外も視野に入れて活躍したい人におすすめの資格です。

NATA-ATCの試験概要

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NATA-ATCの試験概要について詳しく見ていきます。

認定試験の難易度とは

CAATEが発表している情報によると、資格認定委員会BOCが実施する試験の合格率は80〜90%です。

試験を受けた大多数の人が合格しているということなので、「NATA-ATC取得は大して難しくないのかもしれない」と思った人も多いのではないでしょうか。

テストの合格率は確かに高いですが、テストを受ける権利を得るためには大学や大学院を卒業する必要があり、この卒業こそがとても大変な関門です。

アメリカの大学・大学院は一般の日本の大学と違い、入学するのは簡単でも卒業することが難しいことで有名です。日本では、キャンパスライフやサークルを楽しんでいる学生が多いかもしれませんが、アメリカの学生は寮と教室と図書館で勉強して1日のほとんどが終わります。

英語のネイティブではない日本人の場合、慣れない語学の環境下で、早口でしゃべる教授の授業を一生懸命受け、膨大な課題に取り組んだ上に定期試験のための勉強も必要です。

このような難関を乗り越えて卒業できた人たちだからこそ、難しいNATA-ATCの試験でも多くの人が合格できるのでしょう。決して認定試験が簡単だからではありません。

NATA-ATCの取得するには3つの条件

NATA-ATCを取得するためには、以下3つの条件をクリアする必要があります。

1.アメリカの大学に留学する必要がある
2.卒業するまでにインターンシップ経験も
3.1年以内に3種類の試験を突破する

以下にて順々に解説していきます。

アメリカの大学に留学する必要がある

まず第1に、CAATE(アスレティックトレーニング教育認定委員会)が公認する4年制大学、または大学院のアスレティックトレーナープログラムを卒業することが必要です。
CAATEの公認を受けた4年制大学あるいは大学院のアスレティックトレーナーのプログラムが組みこまれている大学・大学院は、全米に約350校ほどあります。

アメリカの大学に留学・入学することが、NATA認定アスレティックトレーナーの資格取得への第一歩です。

卒業するまでにインターンシップ経験も

大学または大学院を卒業することは言うまでもありませんが、在学中に決められたインターシップの時間数を経験する必要があります。

目安として、約700〜800時間のインターンシップで実習経験を積むことで、認定試験に挑戦することができます。

1年以内に3種類の試験を突破する

認定試験は3種類あります。

・トレーナーに関する基礎から専門知識
・NATAに関する問題を答えていく筆記試験
・外傷や障害に対する処置をモデル相手に行う実技試験

具体例として、アクシデントにどう対応するかを筆記で応えるシミュレーション試験の3つです。すべて英語のため、日本人は高いレベルの英語力を身につけていなければなりません。

それぞれの試験は2か月ごとに実施されており、1年以内にすべて合格することができれば、NATA認定トレーナーの資格を取得することができます。

ただし、1年以内にクリアできなければ、再び出願から始めて3つの試験に挑む必要があります。

試験で問われる5つの領域

NATA-ATCの試験では5つの領域に関する問題が出題されます。

1.傷害・疾病の予防と健康維持
2.臨床評価とその診断方法
3.応急処置と救急処置
4.治療的な介入の手順
5.医療管理と職務上の責任について

これら5つの領域において必要条件を満たしているかが評価されます。

活躍の場はどうなる?

アメリカでアスレティックトレーナーとして活躍

かなり競争率が高くなりますが、アメリカのプロスポーツチームと契約し、アスレティックトレーナーとして活躍することが理想だと言えるでしょう。

また、アメリカのプロスポーツで活躍する日本人選手に帯同して、アスレティックトレーナー兼通訳として選手をケアし、サポートしていくという道もあります。ここでも英語のコミュニケーション能力は大きな武器となります。

国内での採用選考でも有利に

もちろん、日本でパーソナルトレーナーとして活躍することもできます。

NATA認定アスレティックトレーナーは世界最高レベルの資格ですので、国内のプロスポーツチーム・ジムなどの採用面接では有利になるかもしれません。

また、日本にやってくる英語圏のスポーツ選手と契約して、NATA認定アスレティックトレーナー兼通訳として働くことができるかもしれません。

日本での活躍の場はある?

NATA認定トレーナーの平均年収は?

上記で解説した通り、NATA認定アスレティックトレーナーはかなり厳しい関門を突破する必要がありますが、年収水準はいかがでしょうか。

2011年の調査では、以下の様な平均年収になっています。

・大学卒の学士号で46,176 ドル(約521万円)
・大学院卒の修士号で51,144ドル(約578万円)
・大学院卒の博士号で76,262ドル(約862万円)

トレーナーの年収としては高めですが、更にトレーナーとして実績・経験を積むことで報酬はさらに上がっていくことが考えられます。

日本でのアスレティックトレーナーは?

プロや実業団のスポーツチーム専属トレーナーになるのが理想です。

但し、その前に大学などの学校や医療機関でスポーツトレーナーとして経験を積み、チャンスを待つという人も多いのではないでしょうか。

そのまま専属のトレーナーを目指す場合も、一度組織に属して実績を作る場合も、共に非常に狭き門ですので相当の覚悟が必要です。

トレーナー派遣会社から

アスレティックトレーナーとして、フルタイムで活動するために、トレーナー派遣会社に就職するのも1つの方法です。

派遣会社を通して企業に雇用されるという形態になるので、勤務時間・収入・休日などは1人で頑張る場合に比べると安定感はあると思います。

業務内容は練習場・競技場・トレーニングルームで、ストレッチ・ケガの応急処置・リハビリテーション・栄養指導などを行います。

日本にもレベルの高い資格がある

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海外だけでなく、日本国内でも資格として権威性のあるレベルの高い資格はあります。

そこで本項では、NATA-ATC以外に取得する価値が高い資格をご紹介します。

公認アスレティックトレーナー資格

NATAや海外にこだわらなければ、日本でも質の高いアスレティックトレーナーになる道はあります。

現在、日本にはトレーナーに関する国家資格はありませんが、日本体育協会が認定する「公認アスレティックトレーナー」は国内で最もよく知られたトレーナー資格です。

今、国内で活躍しているパーソナルトレーナーの多くがこの資格を持っています。

公認アスレティックトレーナー資格を取るには?

日本体育協会認定の専門学校や4年制大学で指定のカリキュラムを修了すれば、受験資格を得ることができます。

また、講習や一部の試験が免除されるので、スクールに入学することがアスレティックトレーナーの近道になるでしょう。

さらに、すでにスポーツトレーナーとして活動しているなら、日本体育協会の養成講習会に参加し、推薦されれば受験が可能です。

国内なら鍼灸や理学療法士の資格もあると有利に

国家資格である鍼灸師や柔道整復師、理学療法士などの資格も合わせて持っていると、その後の活動の道が開けやすくなります。

事実、プロスポーツチームなどと契約しているトレーナーは、複数の資格を持っている人が少なくありません。

ぶっちゃけ将来性はどうなの?

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アメリカのNATA認定アスレティックトレーナーでも、フルタイム雇用者だけでなく、パートタイムで働くトレーナーもいます。

ただ、すでにアスレティックトレーナーへの理解が高い国なので、職場環境は確立されています。

日本も東京オリンピックを前にスポーツ熱は高まっているので、需要が増えていく可能性もありそうです。

NATA認定アスレティックトレーナーに関するQ&A

【Q1】アメリカでの勤務経験は、日本でも役に立つ?

世界が認めるNATA認定アスレティックトレーナーとして、アメリカでの経験は国内でアスレティックトレーナーとして活動する際は優遇されることが予想されます。

【Q2】英語力は必須ですか?

もちろん必須です。大学でのカリキュラムも試験資格も英語です。

さらにしっかりとした英語力があればトレーナーと通訳を兼任できるので、門戸は広がるはずです。

【Q3】NATAの資格がなくても、パーソナルトレーナーになれる?

NATA認定アスレティックトレーナーや日本体育協会の公認アスレティックトレーナー資格だけでなく、取得しやすい資格は多くあります。

【Q4】NATA認定アスレティックトレーナーに適正は?

大変な努力も必要ですが、適正という点でいえば、担当チームや選手の成果を自分の喜びとして共有できる人ではないでしょうか。

思いやりがあり、縁の下の力持ちに徹することができる人が向いています。

【Q5】競技経験は必要?

特に条件となることはありません。スポーツを愛する心があれば目指せます。

ただ、トレーナーは、選手にさまざまな相談を受ける仕事です。その際、ケガやメンタル面の経験は、大きな説得力となるかもしれません。

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まとめ

今回の記事では、NATA-ATCについて紹介してきました。

NATA-ATCは、世界最高峰のグローバルに活躍できるアスレティックトレーナーの資格ですが、アメリカの大学・大学院へのトレーナー留学や中長期的な勉強期間を要するため他の資格と比較して取得難易度が高い点が特徴です。

海外ではなく日本国内においても、NATA-ATCの所持トレーナーは優遇される可能性が高いですが、国内での活躍を見据えるとNATA-ATCの資格取得はかなり遠回りになってしまうでしょう。

パーソナルトレーナーの資格はNATA-ATC以外にも豊富ですが、経験が浅い段階からパーソナルトレーナーを目指すならNESTA-PFTやNSCA-CPTなどの資格取得を目指すのがおすすめです。

事実、アメリカ留学を要するNATA-ATCと比べると資格取得費用も断然に安い上、取得にかかる時間も短いためトレーナーとして実践の機会を得るのは早いでしょう。

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