トレーナー向け資格

フィットネスクラブマネジメント検定とは?勉強方法と資格内容を紹介

フィットネスクラブ・マネジメント技能士という資格をご存知でしょうか?
2019年に認定された新しい国家資格です。

フィットネス業界の現状と課題とは?

フィットネス業界は、少人数のヨガや加圧スタジオが乱立し、短期間で目標をコミットするタイプのものがもてはやされるようになりました。また、24時間オープンしているセルフシステムのものなども増え、在宅でスマホを使ってフォローを行うものなどなど、業態が広がったせいで大手のフィットネスクラブの人数は減少傾向とのことです。

業界自体は成長しているのですが、さまざまなジムが乱立しているというのが業界の現状です。

まだまだ健康志向は高い水準にあり、高齢化による定着率のアップや、錦織選手・大坂選手の活躍で子供のテニススクールなどのスクール系はとても人気が出ているようです。乱立するジムの中で、サービスの劣化があったりトラブルが起こった場合に、クラブやジムを変わるのではなく運動自体から遠のく傾向があるため、業界自体の質の向上が課題になっています。

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フィットネスクラブ・マネジメント技能士とは?

フィットネスクラブ・マネジメント技能士とは、その名の通りの資格です。今までは日本に数あるフィットネスクラブとその団体がそれぞれの団体、それぞれの会社ごとに運営マニュアルや業務規定・ガイドラインなどなどを作って運営していました。

それはそれで必要なことなのですが、問題は昨今の個人情報保護であったりトラブル事例であったり、社会的な時流や常識が変化している事にあります。またフィットネスクラブを運営するのに必要なサービスやコンプライアンスについて、世の中の求めるニーズも変化し、業界全体の社会的な信用や評価の向上が課題となってきてもいます。フィットネスクラブ同士の競争より、まずはクオリティの底上げを行い、業界を成長させることを考えた英断だと思います。

各団体や企業での取り組みの最大公約数を集約し、その客観的評価をすることによって、業界全体のレベルを上げる事を目的として作られた国家資格です。実技と学科の試験になっており、級ごとにインストラクターなどの職員から責任者レベルの技能について内容の違う検定になっています。

フィットネスクラブ・マネジメント技能士になるための勉強方法を解説

勉強 女性

クラブで働きながら独学で勉強する人が大多数

資格自体が新しいので、フィットネスクラブで長年働いている人もあまり持っていない資格ですから、働きながら学ぶのが早道です。
内容が接客を始め、運営に関する基本事項なので、身についている部分もたくさんあるでしょう。基本から再確認できる絶好のチャンスなので、胡散臭がらずにテキストを取り寄せて勉強してみましょう。
現在の仕事にも生きますし、ステップアップするいい機会だと思います。

今後は大学や専門学校で学ぶことができる

運動やスポーツ科学が学べる大学や専門学校で取り入れられるケースがどんどん増えています。現状でもフィットネスクラブ・マネジメント技能士で問われる内容のいくつかは、フィットネス系の学校では触れられてはいますが、マネジメントに特化して、体系的に学べるケースはまだまだ少ないのが現実です。

フィットネスの協会でも技能士の内容を教える事を積極的に働きかけていたり、各種学校へ赴いてセミナーやイベントも盛んに行っていますので、今後ますます学ぶ機会が増えると思われます。

フィットネス・マネジメント技能士に必要な技能とは

この技能士検定に必要な技能というのは、マネジメントに特化されているので、今までとは視点がガラリと変わったものとなっています。元来この業界は運動部のノリがそのまま続いているイメージなのですが、例えばホテルのフィットネスクラブに行くと、受付や対応する職員はホテルマンなので、非常に的確な接客で親切です。

しかし普通のフィットネスクラブに行くと、極端な例ではアルバイトの拙い接客であったり、バリバリ体育会系の人たちがなんだか乱暴に接客したりするなんてこともあります。こういう、プロのホテルマンとのギャップを感じたことがある人もいると思います。そういったホスピタリティ的な技能も問われます

検定では、健康づくりトレーニング基礎救急処置など、従来専門学校などで学べる内容も当然ながら問われます。また、店舗運営として品質管理設備管理衛生管理接客受付など、従来なかった内容が盛り込まれています。そちらの知識や実務能力をあげるための検定なので、運動系以外の技能も問われる検定内容となっています。

フィットネスクラブ・マネジメント技能士の検定試験とは?

フィットネスクラブ・マネジメント技能士検定試験の内容は、検定自体は実技と学科試験に分かれて実施されます。

学科試験ってどんな内容?

学科試験の内容については、健康づくり運動トレーニングフィットネス産業概論運営業務設備等の安全確保顧客対応衛生管理法律関係などが範囲となっています。運営や顧客対応関係などは、あまり学んでいないと思うので、過去の経験や独学ではなかなかカバーできない範囲ではあります。

法律関係などもあるので、かなり範囲の広い盛りだくさんな内容の検定となっていますが、問題自体は答えやすい、正誤問題または4択などの選択肢から回答を選ぶ問題となっています。

実技試験ってどんなことをするの?

学科試験は、テキストを勉強することである程度対応できるようになるのですが、実技は想定されるシチュエーションに沿って実務的な回答を行う問題となっていますのでなかなか勉強自体が難しい試験です。フィットネスクラブ・マネジメント技能士の実技試験は、運営業務(現金・集金管理、見学者対応など)・フロント実務(手続き、ショップ販売)・顧客対応(接客・クレーム対応)※3級の事例、となっています。

新しい検定なので、どんどん改良されたり変化もあると思うので、最新の過去問などFCM技能検定のホームページにありますので、確認のうえ受験準備することが必須です。

フィットネスクラブ・マネジメント技能士の役割とは?

ノート 男性

3級の範囲・・・インストラクターや受付職員など

技能検定の3級のイメージは、インストラクターとして接客したりや受付対応をフロントなどで行っている職員などを主に想定しています。
3級に関しては実務経験が不要なので、大学や専門学校に行っている間に取得することも可能です。できれば学生時代にとっておきたい国家資格です。

2級の範囲・・・主任やチーフ、現場責任者など

2級のイメージは主任やチーフなど現場責任者ですから、視点が少し上がります。部下をどう扱うかなどのマネージメントや上司からの命令との板挟みなど悩み多き中間管理職が対象となります。実技問題も運営管理などが主眼の問題となっており、2級に比べてより高度な判断が必要なものとなっています。

1級の範囲・・・施設責任者、支配人、経営者など

1級は、フィットネスクラブの経営判断経営戦略強み経営分析などを主眼とした検定です。実技試験も口述問題形式となっており、より高度な判断とプレゼンスキルが必要となります。

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フィットネス・マネジメント技能士に関するQ&A

新しい資格のため、なかなかわからない事も多いと思います。ここではフィットネス・マネジメント技能士についての質問にお答えします。

【Q1】フィットネス・マネジメント技能士だけあればインストラクターになれますか?

フィットネスクラブのインストラクターになるには、この技能士資格だけというわけには行きません。運動指導をはじめとする資格を取る必要があります。実際はなくても指導できるのですが、さまざまな資格の勉強は指導に生きるのでぜひ取りましょう。このフィットネス・マネジメント技能士の資格は、クラブ運営に携わる上で必要なスキルなので、ベテラン社員となったり独立したり、より運営に関わって行くなら必要な資格となります。

【Q2】フィットネスクラブに入るには絶対必要な資格なのでしょうか?

結論から言うと、フィットネスクラブへ就職する場合の資格は特にはありません。例えば、ずっと競泳でトップアスリートだった選手は、コーチとしてあちこちから声がかかります。そういう例でもわかるように、資格を持たなくてもクラブへ就職できます。しかしごく普通の一般学生が就職する場合、より多く資格を持っている人の方が色々勉強してきたことが見て取れるので、就職には有利になります。

【Q3】実務経験が必要だと聞いたのですが、学生では受けられないのでしょうか?

技能士検定には、1〜3級の資格があり、3級は実務経験が問われませんので、学生時代にこちらを取得してくことをオススメします2級は3年の実務経験(3級所持の場合は2年)、1級は6年以上(または2級合格者)となっているので、早めに3級を取っておくのがステップアップの早道です。

【Q4】周りにあまり持っている人がいないのですが、必要な資格なのでしょうか?

とても新しい検定資格なので、周りに持っている人はまだまだ少ないですが、フィットネスクラブの運営に携わる場合には必須になって行くことが予想されます。あまりこだわらずに、取れるときにとっておけばいいと思います。フィットネス業界にいる限り、資格はたくさん持っているに越したことはないので、ぜひ取得しておきましょう。

フィットネスクラブ・マネジメント技能士という、非常に新しい資格を紹介しました。フィットネス業界という浮き沈みの激しい業界で、業界自体の信用とクオリティを上げて業界の成長を支える取り組みの一つがこの検定です。

今までトレーニングメソッドや新しいマシン、新しい指導法にしか関心がなかったものを、クラブの運営そのものに着目したところも新しい視点であり、二重に新しい資格だと言えます。技能士資格所持者が増えて、今後ますます、気持ちよく、クオリティの高いフィットネスクラブが増えることが期待できます。

<参考>
FCM技能検定
Fitness Business
Fitness Industry Association of Japan

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