CPRの資格内容全解説!資格取得までの手順と仕事内容とは?

心肺蘇生法とは別名でCPR(CardioPulmonary Resuscitation)といい、呼吸が停止し心臓も停止した状態と判断される人の、命をつなぐ為に行う循環の補助方法です。
CPRは特殊な器具や医薬品を用いずに行う一次救命処置と、一次救命処置では心拍が再開しない場合に救急車内や病院などで救急救命士や医師が気管挿入や高濃度酸素・薬剤投与などを行う、二次救命処置があります。

ここでは一次救命処置で用いるCPRの資格内容をご紹介し、資格取得までの手順や、仕事内容について解説していきます。

CPRとは

最初にCPRについてご紹介し、一時救命措置の重要性について解説していきます。

CPRとは

文頭でも述べましたが、CPRとは心肺蘇生法のことを指します。

具体的には心肺停止状態の傷病者に人工呼吸・胸骨圧迫・AED等の応急手当を施すことを言います。私たちは、いつどこでケガや病気に遭遇するか予測できません。

ケガや病気の中で最も重篤で緊急を要するものは心臓や呼吸が止まってしまった場合です。そのような状況に遭遇した際には傷病者の救命のため、まず第一に救急現場に居合わせた人による応急手当が必要になります。

重要性について

心停止後、数十秒の間に意識がなくなり、その後呼吸が停止してしまいます。心肺停止状態になった場合、3分程度で血流が再開せず酸素の供給が絶たれたままになると、脳に障害が発生する可能性が高くなります。

以上の事から、心肺蘇生法を開始するまでの時間経過が長ければ長いほど、救命出来る可能性は低くなり、救命できた場合でも重篤な障害が残る可能性が高くなります。いかに迅速に有効な呼吸や循環を再開させる事が出来るのかが重要だと言えます。

手順について

意識・呼吸とともに無い場合のCPRを行う手順として、JRCガイドライン2015から紹介します。

その1:安全を確認
その2:意識の確認
その3:応援を呼ぶ
その4:呼吸の確認
その5:胸骨圧迫
その6:気道確保
その7:人工呼吸
その8:AEDによる除細動

以上の手順がCPRを行う手順となります。

資格取得について

勉強女性

多くの人々を救命出来るCPRですが、資格取得までの一連の流れ等をご紹介します。

受講するにあたって

CPRBASIC(心肺蘇生法)の資格は、一般社団法人国際救命救急協会で受講する事が出来ます。

受講資格は義務教育修了者であれば受講可能です。必要準備として、受講票と受講料金の領収書等、支払いを証明出来るものが必要となります。筆記用具・動きやすい服装・お弁当等が受講日に必要となります。

申し込み方法と注意点

一般社団法人国際救命救急協会のHPから申込みが可能です。E-mail・FAX・郵送のいずれかで、ご希望の受講日の8日前までに申込みが必要です。注意点として、電話での申込みはできません。受講料金は、新規受講(会員料金別)・資格継続(会員料金別)となっております。

受講者の都合でキャンセルされる場合、連絡なしや不参加、当日キャンセルの場合は受講料全額負担。前日~3日前であれば受講料の半分、4日~7日前であれば受講料の30%となっていますのでご注意下さい。

有効期間や認定書

認定された資格有効期間は1年です。更新方法としましては、3時間ある継続講習を再度受講し、継続検定試験に合格する必要があります。合格すると、資格有効期間が更に1年更新となります。受講後には、修了証書を受け取ることが出来ます。

検定試験に合格した方には、国内で唯一国際的に通用する認定証を受け取ることが出来ます。修了証書及び認定証については、当日に発行されるので、すぐに受け取ることが出来ます。

資格内容について

身近な人の救命措置や、日常生活を送る上での知識としても必要なCPRですが、その資格内容についてご紹介・解説していきます。

資格内容

意識の確認気道確保・脈の確認人工呼吸心臓マッサージなどの理論を理解したうえで、模擬人形(レサシ・アン)を使用して実技の講習を行います。座学での学習方法ではなく、実際に体験する事で、CPRの方法を学びます。またAEDの知識や技術使用方法も実技を通して学び、シミュレーションなども加えた内容をとなっております。

胸骨圧迫

資格内容の実技にもなる胸骨圧迫ですが、一般的に心臓マッサージと言われています。心肺蘇生法を行う上で一番重要な対処法で、心臓が停止した人の胸部の心臓箇所周辺を両手を重ねて圧迫する事で、血液の循環を促す事を目的とする行為になります。胸骨の下半分から胸の中心箇所に手の付け根を置き、両手を重ねて圧迫します。

肘を真っすぐ伸ばし60秒間に100回から120回のスピードで繰り返し、出来る限り力強く、胸部の圧迫を繰り返します。ガイドラインでは「胸部を約5cm沈む程度に圧迫し、6cmを超えないように行う」とありますが、その場で測れる訳ではないので意識して行います。

AEDについて

AED(自動体外式除細動器)は、全身に血液を送ることができなくなる心室細動等の致死性の不整脈など、突然心停止状態に陥った際心臓に電気ショック(除細動)を与えて、正常な状態に戻す為の医療機器です。

資格内容でも学びますが、心臓突然死(健康だと考えられていた人が、突然に致死的心室性不整脈(心室細動など)に見舞われて亡くなる事)は、いつでも誰でもどこにでも起こる可能性があります。学校生活での体育授業や教室内、またスポーツの最中にも心停止状態に陥る可能性はあります。いざというとき誰もが助けることができるように、学校やスポーツ施設にはほぼ必ず置いてあります。

仕事内容にも活かせる知識

勉強

CPRは、基本的に資格は必要ではありません。しかしAEDを設置している所の設置管理者の立場として、資格は必要です。AEDや心肺蘇生を速やかに行えるような救命の資格についてご紹介します。

救急救命士

救急救命士は国家資格です。そのため勤務し、業務を行う上では、救急救命士の国家試験に合格しなければなりません。しかし、試験は誰でも簡単に受けられる訳ではありません。受験する為には定められた学業を学び、受験する為の「受験資格」を得る必要があります。

国家試験は年に一度実施され、受験資格を得るには「救急救命養成学校」に2年以上通う必要があります。消防署で5年間の勤務実績に加え、半年間の研修を受講する事が受験する条件になります。

救命技能検定証

心肺蘇生AED・異物除去・止血法等を学習する普通救命講習や、AEDの知識を確認するための実技評価を加えた、自動体外式除細動器業務従事者講習のどちらかを受講すれば検定証が発行されます。検定証は、応急手当に関する正しい知識と技術の普及を目的としています。

講義は実技を中心に行われます。3時間程の講義時間のうちで座学は1時間程度です。残りの時間は、胸骨圧迫・人工呼吸・AEDを実際に行い学んでいきます。

応急手当普及員

消防機関が主催する1日間の講習を受講して、基礎医学に対する知識を学び、模擬講習等の実技課程を修了し、かつ筆記と指導実技の効果測定に合格した場合に消防長より認定されます。応急手当普及員に認定されることで、一般の人に対して緊急時の応急処置の方法や、AEDの取り扱い心肺蘇生等の指導が出来るようになります。

CPRに関するその他のQ&A

ここまで資格内容や知識について、お伝えをしてきました。その他よくある質問についてお伝えします。

【Q1】胸骨圧迫で骨が折れたりしないのですか?

通常折れることはありません。胸骨圧迫する位置と角度に気をつけて下さい。折れてしまったとしても、救命が優先ですので力強く胸骨圧迫を行って下さい

【Q2】蘇生ガイドライン2010はガイドライン2005とどうかわったの?

主な変更点は、以下の通りです。

その1:呼吸の観察時には気道確保を行わない、
その2:呼吸の観察では「見て・聞いて・感じて」をなくし、胸とお腹の動きを見るだけでよい。
その3:心肺蘇生は胸骨圧迫から開始。
その4:胸骨圧迫の深さは「5㎝沈む程」から「少なくとも5㎝沈むよう」
その5:胸骨圧迫のリズムは「毎分100回」から「少なくとも毎分100回以上」
その6:小児に対しても同じやり方で行う、
その7:小児用パッドの使用が8歳未満から未就学児。変更しても以前のやり方が間違っているわけではないので、以前のやり方であっても自信をもって実施して下さい。

【Q3】AEDパッドは、貼ったままでいいのですか?

貼ったままにしておいてください。電気ショック後、2分経過すると再度解析を始め、電気ショックが必要か判断してくれます。1度はがしてしまうと、新しいパッドを使用しなくてはいけません。

心臓や呼吸が停止してしまってからの経過時間に比例して、救命出来る可能性も低下していきます。救急隊を待つ間に居合わせた人の、一次救命処置が重要となります。救命処置を適切に行う事が出来れば、救命出来る可能性は、2倍に上がります。一次救命処置の知識や技術を、一人でも多くの人が実践出来るとより多くの命が救われます。

【参考文献】
一般社団法人国際救命救急協会UR

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