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ボクシングトレーナーのライセンスを取得する3STEP


近年はダイエットを目的として、ボクシングジムに通う方の話をよく聞くようになりました。そんな中トレーナーになって指導をしてみたい!と考えている経験者も増えているので、今回はそんなボクシングトレーナーのライセンス取得について解説します!

1)ボクシングトレーナーってそもそも何をするの?

プロボクサーというといくつか名前が思い浮かび、なんとなくどういう人なのか、どういう練習をしているのかをイメージできる人が多いはずです。しかし、トレーナーというとどうでしょうか。なかなか有名なトレーナーといわれると答えられない方が多いでしょう。プロボクサーとともに命をかけて過酷な練習に付き合ってきたトレーナーが何をしているのか、またプロボクサーをどんな人がどのように支えているのかをお伝えします。

プロボクシングに関わる人々

ライセンスはコミッショナーの名で発行し、発行の手続きやライセンス証明書の発給に関する事務は、JBC(Japan Boxing Commission)の各地区事務局の理事長の承認を得て執行します。以下のライセンスは兼任ができません。また、他のプロスポーツの資格を取得している方も取得できません

(1)マネージャーライセンス

マネージャーはジムをまとめあげる人。ジムの中では、ボクサーとともに練習指導をおこなっていますが、一人のボクサーだけに関わるというよりは、多くのボクサーやまとめて管轄しているジムが多いです。ボクシングジムのオーナー、会長と呼ばれる方が所持していることも多いです。以下JBCの規約です。

<第29条(マネージャー)>

1:マネージャーライセンスは、ボクサーとの間にマネージメント契約を締結することができ、契約の当事者であるボクサー(以下、「契約ボクサー」という)の利益を守るため第123条に定める業務をおこなうための資格を付与するライセンスである。

2:マネージャーライセンス所持者(以下「マネージャー」という)は、セコンドライセンスを所持していなくとも、契約ボクサーのセコンドを務めることができる。

3:マネージャーは、JBCに対し、契約ボクサーの健康状態を報告する義務を負う。

(2)トレーナーライセンス

このトレーナーが多くのプロボクサーを指導している人と言えます。基本的に、プロボクサー2,3名を専属担当することが多いでしょう。ほとんどのプロボクサーがこのトレーナーと長い期間を通して練習を重ねてくるので、選手と一心同体といっても過言ではないでしょう。ボクサーの特徴をつかんで適切な練習方法を指導したり、練習メニューを組むことが必要になります。以下JBCの規約です。

<第30条(トレーナー)>

1:トレーナーライセンスは、ボクシングジムにおいて当該ジムに所属する。ボクサーのトレーニングを指導・監督する資格を付与するライセンスである。

2:トレーナーライセンス所持者(以下「トレーナー」という)は、マネージャーと契約し、そのマネージャーの契約ボクサーのトレーニングを指導、監督することができる。

3:トレーナーは、セコンドライセンスを所持していなくとも、前項の契約ボクサーのセコンドを務めることができる。

(3)セコンドライセンス

主にセコンドはトレーナーと同じ指導者であることが多いです。試合時セコンドの助言というのは非常に大切になってきます。ともに練習に励むことでボクサーの特性や、いつもとの差をしっかり把握することができるので、セコンドは必ず関わりの深い人物であることが望ましいです。

セコンドもトレーナー同様、ボクサーの特徴を伸ばすような適切な指導や練習メニューの提供が必要です。セコンドとトレーナーがわざわざ分かれているのには、理由があります。ジムに所属していない方がセコンドに入るということも珍しくないからです。例えば元ランカー所持者ですが現在芸能人のためジムには所属していない等の理由です。以下JBCの規約です。

<第32条(セコンド)>

1:セコンドライセンスは、ボクサーを補助しもしくは助言を与え、またはトレーナーを補佐する資格を付与するライセンスである。

2:セコンドライセンス所持者(以下「セコンド」という)は、ボクシングジムにおいて、ボクサーのトレーニングの指導、監督に関してトレーナーを補佐することができる。

3:セコンドは、試合に臨んで、ボクサーを補助し、また、ボクサーに対して助言を与えることができる。

(4)クラブオーナーライセンス

ジムの会長と呼ばれる人が持つものです。ジムによっては、会長が直接指導することもあれば、会長は経営に専念して、あまり指導しないというジムもあるので、ジムによって立ち位置はかなり変わると言えます。以下JBCの規約です。

<第41条(クラブオーナー)>

1:クラブオーナーライセンスは、ボクシング協会に加入しているボクシングジムのオーナーであってJBC理事会の承認を得た者に対し発行されるライセンスである。

2:クラブオーナーライセンスは、日本プロボクシング協会に加盟し、協会の理事会の承認を経て、協会からの推薦状を添えて申請された者に対して交付される。

3:クラブオーナーは、ジムにおいては、良好な練習環境と、練習生・選手の健康と安全をはかり、ボクシングを通じてスポーツマンシップを教示するものとする。

4:クラブオーナーは、マネージャーライセンスまたはプロモーターライセンスのいずれか1つを同時に所持することができる。

ボクシンググローブ

2)ボクシングトレーナーのライセンスを取るメリットって?

一言でいうと「食いっぱぐれがなくなる」ということでしょう。ボクシングトレーナーのライセンスを取得しておくことで最大のメリットを受けられるのは、元プロボクサーです。彼らは、プロボクサーで活躍した後、行く当てがなくなってしまって普通の会社員になった、もしくはなかなか就職がきまらなかった、等の話を聞くことも稀ではありません。

「少しでもボクシングと縁のある状況下で働き続けたい」という思いがある方は、トレーナーのライセンスを資格しておくことが望ましいでしょう。また、最近では格闘技出身者が整体などを開業するケースが多いですが、そういったときにも肩書としてトレーナーの肩書があると患者からも信頼を得ることにつながるでしょう。

3)ライセンス取得までの3STEP

実は、ボクシングのトレーナーライセンスを所持しなくても、トレーナーとしてジムで活躍することは可能です。実際の現場は正直このようなライセンスを取得していない社員やアルバイトが指導していることも多いといえるでしょう。ですが、名だたる選手を抱えるボクシングジムであれば、規約通りにこれらのライセンスを所有しているトレーナー陣をしっかりと育成している事が多いようです。

必要な手続き

(1)プロ加盟済みのクラブやジムに所属し練習をすること

(2)会長の指導の下トレーナーとして活動する

(3)会長の運用状況にあわせてライセンス申請書を提出する

以上が最低条件となります。基本的に会長の申請であれば、無審査で通ります。そのため、ライセンス取得ができるかどうかは、ジムの会長の意向や経営状態によってかなり変わってきます。

ライセンス選択と振り込み

クラブ・オーナー
マネージャー
プロモーター
トレーナー
セコンド
マッチメーカー
ボクサーA級
ボクサーB級
ボクサーC級
レフェリー
タイムキーパー
進行
アナウンサー
ドクター
再発行手数料
ルールブック

ボクシング 女性

4)ボクシングトレーナーの職場事情はどうなっている?

給与

アルバイト募集も多いですが、正社員になるとおおよそ20万円~24万円といった金額でしょう。あまり、給与が高いとは言えませんが、所属ジムの経営状態によってはボーナスが高くつくケースもあります。

勤務日数・勤務時間

(1)勤務日数

大体週休2日~1日といったシフト制が多いです。小規模なジムだとそもそもジムが開いていない日が多いこともあります。日曜祝日がお休みのジムなどもあります。

(2)勤務時間

こちらもジムによってかなり差はありますが、大体昼過ぎからオープンすることが多いです。フィットネス感覚のジムだと朝方から開いているところもありますが、基本的には12時~22時といったところが多いでしょう。

ボクシンググローブ

5)その他ボクシングトレーナーに関するQ&A

【Q】ボクシングトレーナーは、未経験でもできるの?

ボクシングジムのトレーナー採用では、「明確に経験がないといけない」ということを記載していないジムがほとんどです。ですが、実際の現場ではほとんどが経験者・元プロ・アマチュアなどの方しかいないのが現実です。また、チャンピオンなどの肩書きがあると採用率もアップすることは間違いないですし、利用者の方々からも信頼度も高く働きやすい環境になるといえるでしょう。

【Q】トレーナー採用現場の面接では試験があるの?

大体のジムが明確な試験などは設けていないでしょう。特に、名の知れたプロボクサーやアマチュア選手であれば、なおさら試験などは無く採用につながることが多いです。ただ、趣味などで続けてきた場合であれば、面接の際に「シャドーボクシング」や「マスボクシング」などの実技面を見るボクシングジムもあります。

【Q】レフェリーになるにはどうしたらいいの?

ボクサーのようにプロテストを定期的に行って募集するものではありません。レフェリーの試験ができるのは、レフェリーに欠員が出た場合のみ募集がかけられるようになっています。レフェリーはボクシングのスポーツマンシップに則って、ボクシングの試合を裁かなければいけないですし、ときにはボクサーの命を守るための判断をすることが必要となります。

ですので、ボクシングのルールについて精通していなければならないですし、臨機応変に的確な判断ができなければなりません。そのため訓練期間が半年から1年ほど必要であると言われています。また、レフェリーは名誉職のため、高額な報酬が支払われるわけではありません。

【Q】トレーナーに年齢制限はありますか?

とくに年齢制限などはありません。実際のボクシングジムでも40代50代のトレーナーも多く、年齢に関係なく今までの経験や技術をジムの利用者に伝えています。ただ、年齢があがることによって、体力面でキツイ部分が多いので、休日に働いているジムに来て練習をしている方も見受けられます。

【Q】女性でもトレーナーになれますか?

ジムにもよりますが、実際に女性トレーナーが活躍している現場は少ないのが現状です。もちろん、女性メインのジムであれば女性のトレーナーがいますがやはり男性が多くを占めています。フィットネス感覚のボクササイズなどを行っているスタジオであれば女性も多く、働き口は多くなってくるでしょう。

ボクシングトレーナーのライセンスは明確な試験というものがありません。会長の意向によるものが非常に多いため、まずライセンスを取りたい方はプロ加盟済のジムに所属して活動することから始めていくようにしましょう。

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