トレーナーの年収/報酬

柔道整復師の年収は平均350万円?世代別の年収と将来性について紹介

柔道整復師という職業を聞いたことがありますか?整体師と間違われることも多いですが、あん摩や鍼灸師と並ぶ国家資格で医業類似行為が認められている職業です。今回は、そんな柔道整復師の年収や働くスタイルを紹介します。

柔道整復師とは?

柔道整復師は一般的に「接骨師」「ほねつぎ」として知られており、代表的な働き方はケガを治したり、健康をサポートしたりする国家資格です。
骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの損傷に対して出血を伴わない「非観血的療法」によって整復(骨折や外れた関節を元の位置に戻す事)・固定などをおこない、患者の治癒力を引き出すことを主な仕事内容です。

  • 整復法
    外れた骨・関節を元の状態に戻したり、骨折した部位を元の状態に戻したりする施術です。
  • 固定法
    骨折や脱臼をした患者に対して、包帯や副木などで患部を固定します。
  • 後療法
    損傷した患部の機能を回復させるため施術を指します。

参考サイト:https://www.trainer.agency/blog/039a/

柔道整復師の年収はどれぐらい?

国家資格である柔道整復師は一体いくらぐらいの年収があるのでしょうか。他の職業との違いにも触れてご紹介します。

柔道整復師のズバリ平均年収は

ズバリ平均年収は300万〜400万と言われています。接骨院に勤める場合大手のチェーン店に務める場合開業した場合それぞれ年収はだいぶ変わるのですが、平均するとこの数値が妥当と言えるでしょう。また待遇はかなり違いがあり、大手チェーンでは週休2日・9時間拘束8時間労働・残業代・ボーナスあり・交通費支給など、ごく普通の会社員と待遇は変わりません。

接骨院の場合は、週休1日・10時間〜12時間労働・残業手当も交通費もなく・ボーナスもあったり、なかったりとかなり待遇にはバラツキがあるのが正直なところでしょう。

比べると、大手の方がいいように見えます。実際には接骨院によりますが、普通の接骨院に勤めた場合は通常のスタッフ数が限られているので、柔道整復師としてのスキルや知識・接客や運営などの技術の習得が早い事はメリットと言えるかもしれません。

大手の待遇はいいですが、給料は接骨院とさほど変わらず昇給もスタッフレベルではあまり変わりませんので、一つ店を任せられない限り給料は同じようなものです。初任給からあまり昇給せずに300万〜400万の中での年収におさまると言えるでしょう。

もう一つの開業の場合は話が違い、開業に失敗している場合は、300万以下の場合もありますが、成功すれば1,000万を超える接骨院もあります。多店舗経営が成功すれば、一挙にセレブの仲間入りになるケースも期待できます。柔道整復師もそうですが、整体・あん摩・鍼灸師などは開業するのが一番オーソドックスな成功を収めるパターンといっていいでしょう。

参考サイト:https://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/dl/p20170901-01-2.pdf

柔道整復師の平均年収は他の職業に比べてい高い?安い?

柔道整復師とサラリーマンなどを比べた場合、サラリーマンの平均年収が432万と言われているので、低めに感じるでしょう。ただし、サラリーマンの場合男女差が激しく、男性531万円・女性287万円となっています。

柔道整復師は圧倒的に男性が多いですが、技術職の強みで女性の場合でも年収はあまり変わりません。逆に女性には女性の方が安心できるなどのメリットもあり、ニーズは多いと言えます。

柔道整復師の場合は、開業しなければ、ずっと柔道整復師を勤め人として続ける人もいますが、柔道整復師以外の仕事の資格を持ったまま転職する場合もあります。マッサージ院などのリラクゼーション系の仕事に変わったり、柔道整復師とは別の資格を取得したりして、多角的な資格を持ったまま転職する場合が多く見受けられます

柔道整復師になるには?その年代別年収はいくら?

男性

柔道整復師は成功すれば1,000万以上の年収が見込まれるのに、なぜ平均年収が安いのか疑問が残りますので、年代別に年収を見てみましょう。

柔道整復師20歳代の年収

柔道整復師になりたてのほやほやの場合、すぐにお客さんに施術させることはできないので、見習いから始めてだんだん経験を積んでスキルアップしていきます。

小さい接骨院であればあるほど新人スタッフを育てる事は命題ですので、大手のチェーンよりも若手は早く育つと言えるでしょう。しかし、下積みであることには変わりないので、およそ300万円程度の年収になり、それから10年勤務くらいになると年収が400万円になる統計結果となっています。

柔道整復師30〜40歳の年収

柔道整復師として30〜40歳の年齢は、他の職業と同じで、働き盛りの年齢なので、年収も400万〜500万円近くになります。ただし、年収はこの年代がピークとなり、その後は下がっていく傾向にあります。理由としては、通常は基本給+歩合の場合が多いのですが、体力的に数がこなせなくなってきますので、この辺りがピークとなるのです。

この年代で柔道整復師として岐路に立つことになり、チェーン店や他店舗経営の接骨院から店を任されて院長として年収アップする。またはお金を溜めて開業するか、そのままベテランスタッフとして店で働き続けるかの、基本的には3つの選択肢になります。

柔道整復師50歳以降の年収

柔道整復師として50歳以降になると、勤め人・雇われ店長・開業で成功などに分かれます。大手チェーンには定年制を引いているところもありますので、引退か嘱託になることになります。または、退職金で小さく開業し、残りの人生もゆっくりと柔道整復師と生きるという道もあります。

その前に開業している場合は、成功していれば誰かに跡目を譲って、自分は柔道整復師を引退して経営者としてまたはオーナーとして経営を行うなどもあります。雇われている場合は、歩合制だと400万くらいの年収になり、開業の場合は1,000万以上も望めます。

柔道整復師の1日とそのスタイル

女性

柔道整復師の仕事内容やその仕事スタイルを見てみましょう。

ある柔道整復師の1日

接骨院に勤める柔道整復師の仕事について、1日を追いかけて見てみましょう。大手のチェーン店も似たようなタイムスケジュールが一般的と言えます。
・朝出勤したら、まずは掃除やタオルなどの用意
・院長や先輩などとカンファレンスを行い今日の予約客について確認
・オープンしたら、来院客の対応・問診と施術を行い、カルテを作成
・夕方から夜にクローズ
・簡単な掃除を済ます
若手の練習
翌日の予定を確認して帰宅

この中で往診を行っている場合は往診や、派遣で別のスポーツジムへ行ったり、契約している大学や高校のクラブなどに行ってスポーツトレーナーとして勤める場合などがあります。
基本は同じですが、どんどん色々な境目がなくなっていますので、整体師・マッサージ店・アスレチックトレーナーなど、色々な資格を駆使してさまざまなシーンで活躍するようになってきています。

開業が目標になるのは、その仕事スタイルに憧れるから

さて、前述の柔道整復師はあくまでも雇われの身ですが、基本的には開業志望している柔道整復師は多数います。厚生労働省の調査報告では、平成24年には58,573人の柔道整復師が登録されており、接骨院などは42,431施設あり、それまでの10年間で倍近くになっています。

それ以降も増える一方であり、平成28年には柔道整復師の登録数は68,120人となり、施設の数は48,024施設となっています。

なぜ、開業したいのか?一つは年収アップですが、もう一つは自分のしたい施術ができることでしょう。雇用されていると、やはりその院の方針があり、自分のしたいような施術はできません。また、ちゃんと働くという前提ですが、予約をコントロールすれば、時間の自由度の高い働き方ができます

冬場は趣味のスキーと現地での治療を兼ねて、スキー場にこもる、そんな先生もいらっしゃいます。このような自由なライフスタイルに憧れる柔道整復師の方も多く見受けられます。その他のスタイルでは、スポーツチームのトレーナーとして、シーズン中はスポット契約で試合に同行するというような働き方もあります。色々なバリエーションが増えていますが、これも雇われているとできない仕事スタイルです。

柔道整復師を取り巻く環境と将来

さて柔道整復師になって、十分なスキルを得れば、あとは順風満帆な人生が手に入るわけではなく、柔道整復師を取り巻く環境はかなり厳しくなっています。

というのも、不心得な柔道整復師が医療費の不正受給などに手をそめてどんどん規制が厳しくなり、仕事がしにくくなってきているからです。また、前述のように年々柔道整復師は増えていますので、同業他社との差別化が必要になってきています。

しかし、将来的には数十年単位で高齢化社会が続くことが予想されており、政府主導の健康に関する取り組みは続くでしょう。そんな中で柔道整復師の果たせる役割はどんどん広がっていますので、将来はかなり有望だと言えます。

柔道整復師についてのその他のQ&A

柔道整復師についてさらに突っ込んだ疑問にお答えします。

【Q1】柔道整復師は将来性がありますか?

現在、いわゆる第一次ベビーブーム(団塊の世代)が引退し、健康の取り組みとしてスポーツに勤しんでいます。トレーナーとしての活躍の場もありますし、高齢化社会での役割として機能回復などの役割を柔道整復師が果たせるでしょう。

団塊の世代が平均寿命に達する頃には、団塊ジュニアと呼ばれる第二次ベビーブームの人たちが引退します。こんな具合に、このあと30年ぐらいは高齢化社会が続きますので、その時まで果たせる役割はあると考えられます。

【Q2】柔道整復師、鍼灸師、あん摩師一番儲かるのは?

柔道整復師・鍼灸師・あん摩師の収入は、どれも大差ないと言えるでしょう。あん摩や鍼灸の国家試験を一緒に取る人もいますので、取得している資格が入り混じっている場合も多く、どれも開業して独立していれば定年もなく、一生仕事を続けられると言えます。

開業して大成功しなくても、ずっと仕事が続けられて、人々の痛みをとって苦しみから解放するという役割を果たせますので、やりがいはあると考えられます。

【Q3】柔道整復師と整体師の違いは何でしょうか

柔道整復師と整体師の一番大きな違いは、整体師には国家試験はなく民間の資格になりますが、柔道整復師には国家試験がある業務独占資格です。専門の養成機関で決まった年数の教育を受けて取れる資格なので、整体師とはだいぶ違います。

柔道整復師は日本のローカル資格です。カイロプラクティックは海外ではカイロプロテクターとしての資格があります。どちらも手技による治療法ではありますが、理論や内容が違います。今後もし、カイロプラクティックが国家資格や国際資格となった場合はかなり差が縮まるでしょう。

柔道整復師について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?古来より発展した日本独自の技法をまとめた集大成とも言える伝統的な治療法ではありますが、戦前戦後の医者不足解消のためなどの理由で整備された国家資格です。柔道整体師の今後について、厳しい見方をする専門家もいます。

しかし医療・健康はますます重要になり、高齢化社会・健康志向社会においては新たな役割を担っているので、今後も活躍の場が用意されていると言えるでしょう。

<参考>
【Career Garden】
【平均年収.jp】
【柔整スタディ】
【honne.biz】
【Brush up 学び】
【日本柔道整復師会】
【厚生労働省】
【年収ガイド】

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