BESJピラティス資格とは?特徴・取得方法・他資格との違いを解説
ピラティスインストラクターを目指している方にとって、資格選びは重要なポイントです。
多々あるピラティスインストラクターの資格の中で、どの資格が自分に適しているのか見極めようとしている方も少なくないのではないでしょうか。
今回の記事で取り上げる資格は、日本人の特性に合わせて開発されたBESJピラティス資格です。
BESJピラティスの特徴や種類、取得方法、注意点、他資格との違いなどについて詳しく解説します。
将来、ピラティスインストラクターとして日本人のお客様を対象に日本国内で活躍したいと思っている方はぜひ参考にしてください。
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BESJピラティスとは?
まず、BESJピラティスについて知るところから始めましょう。
本項ではBESJピラティスについて理解するため、
- BESJは日本発のピラティスメソッド
- クライアントファーストの指導理念
- イヴ・ジェントリーとミッシェル・ラーソンの系譜
の3点を以下で詳しく解説します。
BESJは日本発のピラティスメソッド
BESJ(Body Element System Japan) ピラティスとは 、日本人の体格や骨格、柔軟性などの特性に適用するよう独自に開発されたエクササイズメソッドを提供している日本発のピラティス団体です。
BESJは、「プレピラティス」を提供することを特徴としています。
プレピラティスとは、ピラティスのコンセプトは変えずにお客様の身体の特性に合わせてムーブメントを変化させるピラティスメソッドのことです。
ムーブメントを簡単にしたり、新しいムーブメントを作ったりすることで、お客様の身体の特性や年齢、病気などを考慮した安全で実践的なエクササイズが可能になります。
BESJは、以上のようなメソッドを提供することで、対象年齢を選ばない体づくりやピラティスの普及活動などを積極的に行い、日本人の心身の健康促進・維持に貢献しています。
クライアントファーストの指導理念
BESJピラティスは、「クライアントファースト」の指導理念を持っています。
ピラティスの創始者であるジョセフピラティスは、ピラティスの動きにクライアントを合わせる「ムーブメントファースト」のピラティスを提供していました。
それに対してBESJピラティスのクライアントは、ムーブメントファーストとは逆の、クライアントに動きを合わせるクライアントファーストのピラティスを重視しています。
BESJのクライアントファーストのピラティスは、伝統的なピラティスを学びつつ、お客様の特性に合わせてオーダーメイドで動きを変更したり、呼吸を逆にしたりしながらムーブメントを修正していくピラティスです。
ピラティスに対して、「ピラティスはきついもの」「ピラティスをすると身体が痛くなる」というイメージを持っている方もなかにはいるかもしれませんが、クライアントファーストのピラティスなら、自分の身体に合った動きをするため、「ピラティスは楽しいもの」「ピラティスをすると気持ちがいい」とお客様に感じてもらえる可能性が高くなります。
イヴ・ジェントリーとミッシェル・ラーソンの系譜
BESJピラティスが取り入れているプレピラティスは、ピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティス氏の直弟子であるイヴ・ジェントリーが生み出したピラティスです。
イヴ・ジェントリーは、長年ジョセフピラティスから教わったピラティスをニューヨークのお客様に提供してきました。
しかし、ニューヨークからサンタフェに移住した際、サンタフェのお客様がニューヨークの客層と異なり、お年寄りや持病を持つ方が多かったため、ジョセフから受け継いだピラティスを行うことが難しいと実感します。
そこでイヴ・ジェントリーは、ジョセフピラティスが考え出した伝統的なピラティスを受け継ぎながら、そのコンセプトは変えずにムーブメントをお客様に合わせて変化させるプレピラティスを作り上げました。
BESJピラティスはこのプレピラティスを、日本人の身体に非常に適しているということで取り入れています。
BESJピラティスは現在も、イヴ・ジェントリーから指導を受けたミッシェル・ラーソンの元に修行に行き、プレピラティスの理解をさらに深め、ピラティスを日本の文化や日本人の身体特性に合わせて進化させています。
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BESJピラティス資格の種類
BESJピラティスの資格は大きく、
- マットピラティストレーナー指導者資格
- マシンピラティストレーナー指導者資格
- その他の専門資格
- コンプリヘンシブピラティスインストラクター
の4つの資格に分けることができます。
本項では、各資格を取得できるコースについて取得可能なスキル・学べるムーブメント・受講時間などの基本情報を以下で詳しくお伝えします。
マットピラティストレーナー指導者資格コース
マットピラティス指導資格者コースは、生理学や解剖学を基礎から学び、60ムーブメントを32時間で習得するコースで、ティーチングスキルや修正法、模擬レッスンなども学びます。
コース修了後は、お客様にmindとbodyをつなげて感じるためのマットピラティスレッスンの指導ができるようになります。
料金は198,000円(税込)で、受講対象者は、初心者、他ピラティス資格保持者、パーソナルトレーナー、エアロビクスインストラクターなど様々な方となっています。
マシンピラティストレーナー指導者資格コース
マシンピラティストレーナー指導者資格コースでは、様々なお客様のためにピラティス専門器具を使用したエクササイズと指導方法を学びます。マシンピラティストレーナー指導者資格コースは対象のマシンによって
- リフォーマー/タワー
- キャデラック
- チェアー
- スパインコレクター
- ラダーバレル
と分かれています。
それぞれの詳細は下記に示します。
コース | 学べるムーブメント | 受講時間 | 料金 | 受講対象者 |
リフォーマー/タワー | 60のムーブメント | 22時間 | 286,000円(税込) | 各種団体マットピラティスインストラクター資格保持者 |
キャデラック | 30のムーブメント | 12時間 | 154,000円(税込) | BESJリフォーマー/タワー資格保持者 |
チェアー | 30のムーブメント | 10時間 | 132,000円(税込) | 各種団体マットピラティスインストラクター資格保持者 |
スパインコレクター | 30のムーブメント | 6時間 | 77,000円(税込) | 各種団体マットピラティスインストラクター資格保持者 |
ラダーバレル | 16のムーブメント | 5時間 | 66,000円(税込) | 各種団体マットピラティスインストラクター資格保持者 |
その他の専門コース
その他の専門コースでは、特定の器具に特化したツール別の短期集中講座が提供されています。
それぞれの詳細は、下記に示します。
コース | 学べるムーブメント | 受講時間 | 料金 | 受講対象者 |
ディスク | 20のムーブメント | 4時間 | 44,000円(税込) | 各種団体マットピラティスインストラクター資格保持者 |
リング | Flex Ring Toner® を使用した48のムーブメント | 5時間 | 44,000円(税込) | 各種団体マットピラティスインストラクター資格保持者 |
アームチェア | Arm Chairを使用したファンダメンタルムーブメント | 4時間 | 55,000円(税込) | 各種団体マットピラティスインストラクター資格保持者 |
ペドプル | Ped-O-Pullを使用したファンダメンタルムーブメント | 2時間 | 27,500円(税込) | 各種団体マットピラティスインストラクター資格保持者 |
マスターストレッチ | MasterStretch®(プレトレーニング / エクササイズ説明 指導法 /解剖学・呼吸法 ) | 8時間 | 132,000円(税込) | ボディーワークインストラクター、パーソナルトレーナー、ピラティス、ジャイロキネシス, ロルフィング、ヨガ、フェルデンクライスなどその他理学療法士、医師、ダンサー(運動学、解剖学受講者) |
ボディキー | ボディキーを使用した、立位・座位・伏臥位・仰臥位とあらゆるポジションでのトレーニング | 12時間 | 154,000円(税込) | ボディーワークインストラクター、パーソナルトレーナー、ピラティス、ジャイロキネシス, ロルフィング、ヨガ、フェルデンクライスなどその他理学療法士、医師、ダンサー(運動学、解剖学受講者) |
タイフォー | スタンディング31ムーブメント | 7時間 | 88,000円(税込) | ボディーワークインストラクター、パーソナルトレーナー、ピラティス、ジャイロキネシス, ヨガ、バレエなど、その他理学療法士、医師、ダンサー(運動学、解剖学受講者) |
パラセッター | 19ムーブメント | 2時間 | 15,400円(税込) | ボディーワークインストラクター、パーソナルトレーナー、ピラティス、ジャイロキネシス, ヨガ、バレエなど、その他理学療法士、医師、ダンサー(運動学、解剖学受講者) |
コンプリヘンシブピラティスインストラクター
上記の
- マットピラティス
- リフォーマー/タワー
- キャデラック
- チェア
- スパインコレクター
- ラダーバレル
- リング
の7種類のコースを全て終了して課題の提出を行うと、コンプリヘンシブピラティスインストラクターとして認定され、「COMPREHENSIVEPILATES」の認定証書が授与されます。
参考:BESJ公式サイト
BESJピラティス資格の特徴と資格取得のメリット
BESJピラティス資格を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
本項では、BESJピラティス資格の特徴とメリットについて、
- クライアントファーストのピラティス指導を学べる
- リーズナブルな受講費用
- 全国各地での開催とサポート体制
の3点を詳しく解説します。
クライアントファーストのピラティス指導を学べる
BESJピラティス資格の第一のメリットは、先にも示した通りクライアントファーストの指導法を習得できる点です。
クライアントファーストは単なるお客様第一主義ではなく、お客様の身体に合わせて指導できるプレピラティスのスキルを身に付けることです。
プレピラティスのスキルを習得すれば、以下のようなBESJピラティス独自のメリットを得られることが期待できます。
メリット | 詳細 |
お客様の安全性の確保 | お客様の身体に適した指導を行うことで、ケガのリスクを最小限に抑えられます。 |
高い効果と満足度 | お客様にオーダーメイドのピラティスを行うことにより、高い効果と満足度向上につながります。 |
信頼関係を構築しやすい | お客様の身体について丁寧にカウンセリングするため、お客様との信頼関係を構築しやすいです。 |
幅広いお客様への対応 | 高齢者、持病をお持ちの方、運動初心者、アスリートなど、幅広い層のお客様に対応できるスキルが身に付きます。 |
インストラクターとしてのスキル向上 | お客様1人ひとりに丁寧に対応することで、ピラティスインストラクターとしての観察力や分析力、コミュニケーション能力が向上します。 |
リーズナブルな受講費用
リーズナブルな受講費用も、BESJピラティスのメリットの1つに挙げられます。
ピラティスの資格取得にかかる費用の平均は、マットピラティスで20万~30万円、マシンピラティスで30万~60万円といわれていますが、BESJピラティスはマシンピラティスが198,000円、リフォーマーのマシンピラティスが286,000円となっているため、比較的良心的です。
一般的に費用が安いと質が悪いと思われがちですが、BESJピラティスはピラティスインストラクターに必要な知識から実践指導までサポート体制が充実していて質が高いため、安心して受講できます。
BESJピラティスがリーズナブルな価格設定をしているのは、ピラティスの素晴らしさを少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いからとのことです。
全国各地での開催とサポート体制
BESJピラティスの3つ目のメリットは、全国各地で講座が開催されていることと、卒業後の相談やサポート体制が整っていることです。
BESJピラティスのコースは、北海道から沖縄まで全国で開催されているため、自宅から近い場所を探して受講することができます。
また、BESJピラティスでは年間5〜10回ほどのセミナーを開催していて、資格取得後の参加が可能です。
定期的なワークショップで、新しいムーブメントやアイテムの使い方、解剖学や運動評価法などを開催しているなど卒業後のサポート体制が充実しているため、継続的な学習がしやすいといえるでしょう。
BESJピラティス資格を目指す際の注意点
BESJピラティス資格を目指すなら、注意点にも注目しておかなければなりません。
本項では、BESJピラティス資格を目指す際の注意点として挙げられる、
- BESJは国際認定資格ではない
- BESJの受講資格と対象者
の2点について詳しく解説します。
BESJは国際認定資格ではない
注意すべき点の1つ目は、BESJピラティス資格が国際認定資格ではない点です。
BESJピラティス資格は、世界的に高い信頼性と認知度があるPMA(Pilates Method Alliance)に加盟していません。
そのため、国際的な認知度には若干劣る可能性があり、将来的に海外で活躍することを視野に入れている方にはベストな選択肢とはいえないかもしれません。
ただし、日本国内でピラティスインストラクターとして活動するうえでは、BESJピラティス資格が不利になることはありません。むしろ日本人に適したピラティス指導ができるということで高評価・好印象を得られる可能性が高いでしょう。
BESJの受講資格と対象者
もう一つ注意しておくべき点は、BESJピラティス資格コースの受講資格と対象者についてです。
BESJピラティス資格コースは、マットコースのような初心者でも受けられるコースもありますが、前述のとおり特定の資格の取得や運動経験などを求められるコースもあります。
そのため、BESJピラティス資格を目指す前に受講条件や対象層を確認しておきましょう。
BESJと他ピラティス資格の比較
BESJピラティスと他ピラティスの資格にはどのような違いがあるのでしょうか。
本項では、主要なピラティス資格である、
- STOTT PILATES
- BASI Pilates
- Balanced Body
とBESJピラティス資格との違いを解説します。
また、BESJピラティス資格がおすすめな人についてもご紹介します。
BESJとSTOTTの違い
BESJとSTOTTの大きな違いは、解剖学重視の比重と学びのアプローチです。
STOTT PILATESは、最新の解剖学などのバイオメカニクスを積極的に取り入れて指導法に反映しているのに対して、BESJピラティスは解剖学の知識は重視しているものの、STOTT PILATESほど強く追及する傾向はありません。
また、学びのアプローチとしてSTOTT PILATESは理論的な知識の習得を重視しますが、BESJピラティスでは、理論を大切にしつつもお客様の対応能力やエクササイズの修正・選択能力など実践的な指導力を養うことを重要視しています。
STOTT PILATESについてもっと詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。
STOTT PILATESの資格とは?特徴・取得方法・他資格との違いを解説
BESJとBASIの違い
BESJとBASIは、国際的な認知度の高さに違いが見られます。
BASI Pilatesは、世界最大規模のピラティス教育団体で国際的な認知度が高いため、将来的に海外での活動を目指す方にとって、取得しておくと有利になる資格といえます。
それに対してBESJピラティスは、日本人の特性に合わせたピラティスを習得できるため、日本国内での活動に強みを持つ資格です。
BESJとBASIで迷ったら、将来的にどこを拠点に活動するかをまず考えるといいでしょう。
BASI Pilatesについてもっと詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。
BASIピラティス資格とは?資格取得のメリットやコース内容を詳しく解説
BESJとbalanced bodyの違い
BESJとbalanced bodyは、器具への強みや国際的な展開に違いが見られます。
balanced bodyは自社でピラティス器具を開発していることもあり、器具に関する専門的な知識と指導ノウハウがあります。
それに対してBESJピラティスは、前述のとおり様々な器具を使用した指導を学べますが、balanced bodyほど専門的ではありません。
また、balanced bodyの資格は国際的に通用する資格であり、将来的に海外のピラティススタジオやフィットネス施設での就職など、海外でのキャリア展開も視野に入れることができるのに対して、BESJピラティスの資格は、日本人の特性を合わせたピラティスを提供しているため、国内での活動に強みがあります。
balanced bodyについてもっと詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。
balanced bodyのピラティス資格とは?特徴・取得方法・他団体との違いを解説
BESJピラティス資格はこんな人におすすめ
BESJピラティスは、次のような人におすすめといえます。
- ピラティスの初心者・未経験者で基礎からしっかり学びたい人
- 日本人の身体の特性に合わせた指導法ができるインストラクターになりたい人
- 医療・リハビリ関係者で、ケガや病気で身体が動きづらい人に対して安全な指導をしたい人
- 資格取得にコストパフォーマンスを重視する人
- 日本国内でピラティスインストラクターとして活躍したい人
トレーナーエージェンシーでは、
・トレーナーとして必要な素養
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まとめ|BESJピラティス資格は日本人に適した実践的なメソッド
今回の記事では、BESJピラティスの特徴や種類、取得方法、注意点、他資格との違いなどについて詳しく解説しました。
BESJピラティスは国際的な認知度は低いものの、日本国内での指導・活動に強みがあり、初心者から専門職まで幅広くおすすめできる資格です。
BESJピラティスならではのクライアントファーストのピラティスを、質の高いプログラムで初心者や未経験者でも基礎から丁寧に学べる点や、リーズナブルに受講できる点などのメリットもあることから多くの人に注目されています。
今後、日本国内で日本人へのピラティスの指導をしながら活躍したいという方は、ぜひBESJピラティスの資格取得を目指してみてください。

パーソナルトレーナー 業界総合支援サイト「トレーナーエージェンシー」編集部です。