職業 アスレティックトレーナー トレーナー向け資格

アスレティックトレーナーとは?資格取得のポイントと活躍できる職場を紹介

アスレティックトレーナー

スポーツで仕事ができるのはアスリートだけではなく、そのアスリートを支えるスタッフもスポーツ界にはなくてはならない存在です。その中でも、アスレティックトレーナーはアスリートを支える大きな役割を持ち、責任重大な仕事でもあり、やりがいもある魅力的な仕事です。そこで今回はアスレティックトレーナーについてご紹介します。

1) アスレティックトレーナーとは?

アスレティックトレーナーという言葉、一度は聞いたことがあっても、実際にどんな役割を持っているのか、どんな資格が必要なのかということがわからないという人も多いでしょう。そこで、最初にアスレティックトレーナーの役割についてご紹介します。

アスレティックトレーナーの役割

アスレティックトレーナーとは、アスリートをサポートするスポーツドクターやコーチと連携し、アスリートの健康管理やスポーツ傷害への予防ケガの際の応急処置リハビリやトレーニングを行う役割があります。

必要な知識は?

後程、アスレティックトレーナーの資格を説明する際にもご紹介しますが、アスレティックトレーナーに必要とされている知識としては、以下の通りです。

・スポーツ科学
・運動器の解剖と機能
・スポーツ外傷
・障害についての基礎知識
・健康管理とスポーツ医学
・検査・測定と評価
・予防とコンディショニング
・アスレティックリハビリテーション
・救急処置
・スポーツと栄養

アスリートが自分の力を存分に発揮し、結果を出せるようにサポートする重要な役割を担うアスレティックトレーナーには、スポーツについての幅広い知識を持っているということが必要不可欠ですので、求められる知識も幅広くなります。

2) 公益財団法人「日本スポーツ協会」アスレティックトレーナー

フィットネスをする男性

アスレティックトレーナーは、トップアスリートが自分の実力を出し切り、パフォーマンスの質を高めるサポートをするために幅広い知識が必要です。そのため、アスレティックトレーナーとして活躍するのであれば、アスレティックトレーナーの資格を持つ必要があります。

ここからは、アスレティックトレーナーの資格である、公益財団法人「日本スポーツ協会」アスレティックトレーナーについてご紹介します。

受験資格

まず、「日本スポーツ協会」のアスレティックトレーナーで定められている受験資格は以下の通りです。

・受講する年の4月1日現在、満20歳以上であること
・日本スポーツ協会加盟団体、または日本スポーツ協会が特に認める国内統括競技団体が推薦し、日本スポーツ協会が認めたもの

カリキュラムについて

次にご紹介するのは、アスレティックトレーナーの試験を受ける前に受講する講義のカリキュラムについてです。先ほど、アスレティックトレーナーに必要な知識の部分でも少し触れましたが、アスレティックトレーナーはアスリートをサポートするために、幅広いスポーツの知識が必要となります。

また、アスレティックトレーナーの講義は、共通科目と専門科目に分かれています。共通科目に関しては、詳しいカリキュラム表は公開されていませんが、集合講習でも自宅学習でも150時間のカリキュラムがあります。そしてもう1つの専門科目については、集合講習で190時間、自宅学習で410時間の合計600時間です。

<専門科目のカリキュラム>

・アスレティックトレーナーの役割
・スポーツ科学
・運動器の解剖と機能
・スポーツ外傷・障害についての基礎知識
・健康管理とスポーツ医学
・検査・測定と評価
・予防とコンディショニング
・アスレティックリハビリテーション
・救急処置
・スポーツと栄養

さらに現場実習として、計180時間以下のカリキュラムを受講する必要があります。

・見学実習
・検査・測定と評価実習、アスレティックリハビリテーションプログラム作成実習
・スポーツ現場実習
・アスレティックリハビリテーション実習
・総合実習

全カリキュラム修了までかなり時間がかかりますが、この講習を受講することで、アスレティックトレーナーとしての知識だけではなく、実習で経験を積むこともできます。

実施方法

アスレティックトレーナーの講習、ならびに資格試験の実施方法については以下の通りです。

・期間:当該年度6月から翌々年3月
・定員:100名程度
・共通科目:日本スポーツ協会において実施
・専門科目:日本スポーツ協会において実施
・検定試験:理論試験・実技試験

申込方法

アスレティックトレーナーの講習、ならびに資格試験の申込については、日本スポーツ協会加盟団体からの推薦がなくてはできません。日本スポーツ協会加盟団体とは、都道府県体育・スポーツ協会や中央競技団体などがあげられます。

推薦が得られた時は、推薦団体からの支持があるのでその指示に従い申込書類を作成します。最終的に、日本スポーツ協会が受講希望者の活動実績などを審査して受講者を内定します。

費用について

アスレティックトレーナーの講習、ならびに資格試験にはさまざまな場面で費用が掛かります。ここで、講習や資格についてかかる費用についてご紹介します。

・共通科目(教材費別
・専門科目(教材費含む)
・実技試験検定料
・資格登録料(初回登録時)

受講有効期限がある

多くのカリキュラムをこなす必要があるアスレティックトレーナーの講習ですが、受講有効期限が定められています。
受講開始年度を含めて、

・共通科目検定試験、専門科目理論試験の合格まで5年(最終年度の3月31日まで)
・専門科目実技試験は、専門科目理論試験の合格後、2回受験することができる
・期間内に共通科目、専門科目のすべてを修了できなければ受講者権利がはく奪される

受講期間があるので、身を引き締めて受講し、早めに合格できるように日々学習する必要があります。

3) NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会 アスレチック・トレーナー

集団フィットネス

先ほどは、公益財団法人「日本スポーツ協会」アスレティックトレーナーの資格についてご紹介しました。
続いて、別の資格であるNPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会 アスレチック・トレーナーについてご紹介します。

受験資格

NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会のアスレチック・トレーナーの資格には以下の条件が必須となります。

・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師・きゅう師
・理学療法士
・作業療法士
・看護師
・保健師
・助産師
・カイロプラクター
・栄養士
・薬剤師
・養護教諭
・救急救命士
・NATA認定トレーナー
・日本体育協会認定アスレチック・トレーナー

いずれかの資格を有すること。

・ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が認定する講習会でスポーツ科学分野の単位を取得した者
・2年制以上の専門学校、または大学及び大学院においてスポーツ科学系のコースを修了し、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が認定する臨床医学系専門科目の単位、スポーツ科学分野の単位を取得した者

カリキュラムについて

NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会のアスレチック・トレーナーの講座のカリキュラムは以下の通りです。

・スポーツ医学系:スポーツ医学(内科・整形外科)・スポーツリハビリ・機能解剖学・スポーツテーピング・スポ―ツ救急・活法
・スポーツ科学系A:スポーツ生理学・スポーツバイメカニクス・体力測定評価学・体力トレーニング・運動処方学・スポーツ栄養学・発育発達老化論等・スポーツ統計学
・スポーツ科学系B:スポーツ心理学・健康教育論・スポーツと法・スポーツ社会学・スポーツ心理学・AT活動実践論・コミュニケーション能力・スポーツ社会学等
・研究討議
・JATAC全国大会への参加
・研究法・論文執筆(卒業論文等)等

実施方法

NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会のアスレチック・トレーナーの講座の実施方法についてご紹介します。

1つ目は、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会本部、または支部主催の研修会に参加するということです。
2つ目は、通信教育です。通信教育講座は1期・2期・3期の毎年3回、各期毎に最高で10科目履修することができます。
3つ目は、関連団体主催の研修会に参加するということです。ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会本部、または支部主催の研修会以外の研修会を単位として認定することも可能です。
この場合、開催日前までに単位認定申請書をジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会事務局まで送る必要があります。申請書は公式HPからダウンロードするか、事務局に請求してください。

これらの講座を受講すると、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会の正会員登録をすることができ、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチック・トレーナーの資格を取得することができます。

申込方法

ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会のアスレチック・トレーナーの資格は、講座を受講することで、正会員となり資格を取得できます。正会員になるには講座の全カリキュラムを修了するだけはなく、書類の提出が必要です。正会員になるのに必要な書類は以下の通りです。

・正会員台帳
・資格基準を満たしていることを証明する書類の写し
・正会員登録申請書
・免許証、認定証の写し
・大学・専門学校においては成績証明書
・その他、受講(履修)科目が確認できる書類

正会員台帳、正会員登録申請書はジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会事務局に請求するか、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会公式HPでダウンロードができます。

費用について

ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会のアスレチック・トレーナーの資格取得にかかる費用は以下の通りです。

・通信講座料金
・入会金(正会員登録料)
・定額会費※学生は別

4) アスレティックトレーナー資格取得のコツは?

アスレティックトレーナー

ここまで、2つのアスレティックトレーナーの資格についてご紹介しました。やはりトップアスリートをサポートする大きな役割を持っていることから、幅広い分野の知識を持っていることが求められているので、資格を取得するのにも数多くの困難があります。そこで、ここではアスレティックトレーナー資格取得のコツについてご紹介します。

大学で資格を取得する

ここまで見ていると、アスレティックトレーナーの資格取得はかなりハードルが高いように感じる人も多いです。特に公益財団法人「日本スポーツ協会」アスレティックトレーナーの資格に関しては難易度がかなり高く合格率が低いとされています。

しかし、スポーツに命を懸けるアスリートを献身的に支える仕事がしたいという人にはぜひ取得してほしい資格でもあります。そこで、ここではアスレティックトレーナーの資格取得のコツについてご紹介します。

実は、アスレティックトレーナーの資格ですが、大学でも資格を取得できる場合があります。

免除適応コース承認校では、日本スポーツ協会で実施している講習会と同じカリキュラムを大学や専門学校で履修することで、講習や試験の一部またはすべてが免除されます。働きながらアスレティックトレーナーの資格の勉強をしようとしても、なかなか難しいというのが本音です。可能であれば、免除適応コース承認校に進学するというのが最もおすすめです。

 教材をよく読む

アスレティックトレーナーの資格に限らず、資格試験の勉強はなかなか難しいです。特に働きながら勉強をしなくてはならないとなると、限られた時間の中でできるだけ効率的に学習する必要があります。そこでおすすめしたい勉強法としては、とにかく講座の教材をよく読むことです。

通学・通勤の途中や、昼休み、もしくは寝る前の30分間など、必ず1日に最低でも1回は集中してテキストを読む時間を作るだけで習得率は大きく変わります。

 問題集を何度も反復練習する

テキストを何度も読んで、内容がある程度頭に入ってきたら、問題集を解いてみてください。そして不正解だった部分には目印で付箋を付け、間違えた部分がすぐにわかるようにしておきます。一通り問題集を解き終わったら、不正解で付箋がついている問題をやり直します。

正解できたら付箋を外して、また不正解であれば付箋はそのままにします。不正解の付箋が外れていく達成感が目に見えるので、モチベーションも保ちやすく自分の理解度もわかるのでおすすめです。

5) アスレティックトレーナーが活躍できる場所って?

困難が多いアスレティックトレーナーへの資格取得への道ではありますが、見事資格を取れたらついつい気が緩んでしまいそうです。しかし資格を取得したらゴールというわけではなく、そこからがアスレティックトレーナーとして活躍の場を見つけるためスタートラインです。ここではアスレティックトレーナーの活躍の場についてご紹介します。

タイプ1:トップアスリートとの専属契約

アスレティックトレーナーの活躍できる場所はいくつもあります。まず、アスレティックトレーナーになる時に最もあこがれる職場といえば、トップアスリートとの専属契約です。

アスレティックトレーナーは、アスリートを支える役割があり、その役割が最大限に発揮できる場所が、トップアスリートとの専属契約です。ただ、トップアスリートも数多くいるわけではありませんので、トップアスリートとの専属契約は狭き門でもあるといえます。

タイプ2:プロのスポーツチーム

トップアスリートのサポートは専属契約という形だけではなく、プロのスポーツチームとの契約をすることでも、プロチームに所属するアスリートのサポートをすることができます。ただ、こちらに関してもプロスポーツチームも数が限られていますので、狭き門です。

タイプ3:スポーツジムやフィットネスクラブ

アスレティックトレーナーは、トップアスリートのサポートだけではなく体を鍛えたい、健康のために運動したいという人が集うスポーツジムやフィットネスクラブでも活躍することができます。

体を鍛えるのも、健康のために運動をするのも、プロのアスレティックトレーナーの指導があるとより効率的に運動をすることができます。

タイプ4:その他

その外にも地域のスポーツ施設や学校、施術所や医療機関、保健所や福祉施設にもアスレティックトレーナーの活躍の場が広がっています。今やトップアスリートだけではなく、多くの人の健康を促進する役割をアスレティックトレーナーが担っているのです。

日本国民の健康意識を高めるのに、アスレティックトレーナーはとても重要な職業なので、とてもやりがいがあります。

6) アスレティックトレーナーは複数の資格を活かす

腕立て 男性

アスレティックトレーナーは、さまざまな場所で活躍できるのでアスレティックトレーナーの資格以外にも複数の資格を持ち、それぞれの資格をスポーツの世界で役立てています。ここでは、アスレティックトレーナーが持っている複数の資格についてご紹介します。

治療に役立つ資格

アスレティックトレーナーの資格を取るために、スポーツの幅広い知識を習得しますが、アスレティックトレーナーとして活躍するためには複数の資格を活かしているという人が多いです。

たとえば、アスレティックトレーナーは、スポーツ活動の現場でアスリートの治療をするという機会が多いので、柔道整復師やはり師・きゅう鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師など治療に役立つ資格を持って活躍している人も多いです。

理学療法士

保健所に勤務する人でもアスレティックトレーナーの資格を持っているという人がいます。その場合には、アスレティックトレーナーの資格以外に、理学療法士の資格を役立てています。

 スポーツジムやフィットネスクラブで役立つ資格

アスレティックトレーナーの資格を持っていると、スポーツジムやフィットネスクラブで利用者の指導をすることもできます。スポーツジムやフィットネスクラブで働く人には、コンディショニングコーチ資格パーソナルトレーナー資格を持っているという人も多く、複数の資格を持っていることでさらに活躍の場が広がります。

7) アスレティックトレーナーの資格に関するQ&A

最後に、アスレティックトレーナーの資格に関するQ&Aをご紹介します。

【Q1】アスレティックトレーナーと同時に鍼灸師も並行して資格を取得したいけど、どうしたらいいの?

先ほど、ご紹介したようにアスレティックトレーナーは、アスレティックトレーナーの資格以外にもさまざまな資格を取得して活躍の場を広げています。ですが、実際にアスレティックトレーナーと同時に鍼灸師の資格を並行して取得したいとなると、かなりハードルは高くなります。

アスレティックトレーナー自体も学習範囲もかなり広く合格率が低いです。そして、鍼灸師も簡単に取得できる資格ではありませんので、これを同時に取得しようとすると難易度はかなり上がります。

もちろん、本人の能力と努力次第では同時取得も可能かもしれませんが、鍼灸師の資格に限らず、同時取得をするという目標を立てるよりは、あまり無理はせずに先にどちらかの資格を取得してからもう一方の資格に挑戦することをおすすめします。アスレティックトレーナーが併用して使う資格は、学習内容が重なる部分が少なからずありますので、1つの資格を取得した後であれば、もう1つの資格も取得しやすくなると感じる人も多いです。

【Q2】アスレティックトレーナーの収入はどのくらい?

アスレティックトレーナーを志す上で、気になるのがやはりアスレティックトレーナーの収入についてです。
実は、アスレティックトレーナーの収入の金額は契約先によって大きく異なるので、一概にこのくらいの収入と伝えることはできません。

収入の多さで言えば、やはりトップアスリート専属契約やプロスポーツチームとの契約が収入が高くなります。ただ、フルタイムで1つの所属先で働けるということはなかなかないので、ほとんどのアスレティックトレーナーは、複数の企業と契約しているという人が多いです。

今回は、アスリートのサポートをするアスレティックトレーナーの資格についてご紹介しました。幅広い知識を求められる仕事ですし、アスリート専属契約やプロスポーツチームとの契約は狭き門であるなど、困難なことが多いですが、アスリートの結果に繋がった時にはほかの仕事では感じることのできない達成感があり、やりがいもある仕事です。アスリートのサポートをしたいと願う人はぜひアスレティックトレーナーの資格を検討してみてください。

他の資格をもっと詳しく知りたい方へ

今回ご紹介したNSCA-CPT以外にも専門資格は多数ありますし、テキスト学習だけでなく、実技研修も兼ねた勉強ができるスクールもあります。

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<参考>
公益財団法人「日本スポーツ協会」
特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会

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