スポーツ医学とは?資格を取得してできる仕事や検定!

健康志向の人が増え、スポーツをする人口が増えたこともあり、近年スポーツ医学が注目を集めています。スポーツ医学とは、スポーツ選手によく起こるケガやトラブルのケア・防止などを扱う医学分野です。医療従事者でなくても、学んで実践の場で活かす事ができます。

それでは、専門知識を持たない人がゼロからスポーツ医学を学びたいときにはどうすれば良いのでしょうか。

この記事では、スポーツ医学の概要や資格の詳細、学び方などを解説します。

スポーツ医学とは?

スポーツ医学とは、スポーツ選手によく起こる障害やケガの治療・予防・リハビリテーションなどを扱う専門分野です。

スポーツ選手のための医学であると誤解される事もありますが、対象となるのはスポーツ選手だけではありません。例えば、重い物を持ち上げたときやひざの曲げ伸ばしをした際などに、一般の人にもスポーツをしたときと同じような障害が生じる事があります。

スポーツ医学では、スポーツや日常生活の運動などによく起こるケガや障害を治療し、患者がスポーツや仕事に復帰できる状態にするためのサポートをします。その治療法として、まずは患部周辺の筋力トレーニングなどの運動療法をおこなうのが一般的です。運動療法で改善できない場合には、医療機関にて関節鏡手術などをおこないます。

また、スポーツ医学は健康増進の観点からも注目されています。現在、国民の運動不足による、生活習慣病の増加や生活機能の低下が懸念されており、厚生労働省が発表している「健康づくりのための身体活動基準2013」に基づいて、運動の効用とリスクの関連性を解明する役割を、スポーツ医学が担っています。

スポーツ医学を学ぶうえで取得したい「スポーツ医学検定」

スポーツ医学検定は一般社団法人日本スポーツ医学検定機構が扱う検定です。スポーツ医学を学ぶうえでも、適した検定になります。
これからスポーツ医学を学ぶ人や興味がある人にオススメの検定になるので、検定内容を紹介します。

スポーツ医学検定とはどのような検定?

スポーツ医学の学びを通じて取得したいのがスポーツ医学検定です。

スポーツなどによって起こるケガは、日常的にも発生するリスクがあります。これまでは、スポーツの現場などで起こるケガに対して、正しい対処法や医学の知識を持った一般人(医療従事者以外の人)が少なかった事から、ケガを防止したりケガの程度を最小限に抑える事ができない場面がありました。

スポーツ医学検定は、スポーツ医学に関する正しい知識を持つ人が、スポーツの現場や生活の身近な場所にいる事で、スポーツ選手が安心してスポーツに取り組める環境を整えるために設立されました。

スポーツをする高齢者などの人口が増えるに従って、スポーツ医学に対する社会的関心が高まるとともに、スポーツ医学検定にも注目が集まっています。

スポーツ医学検定の受験要件は?

スポーツ医学検定の受験要件をはじめ、検定の概要をご紹介します。
スポーツ医学検定には、Web検定の初級(ビギナー)・3級・2級・1級の、4つの級が設定されています。

  • 受験資格
    受験資格は基本的にありません。
  • 問題数
    3~1級/60問、初級/20問
  • 試験時間
    3~1級/70分、初級/30分
  • 合格基準
    3~1級/正答率約70~80%、初級(ビギナー)/80点以上(1問5点)
  • 合格率
    合格率は非公表です。
    難易度に関しては、初級・3級では一般的に知られている内容を多く含んでおり「スポーツ医学検定公式テキスト」を読めば十分に対応可能です。
    2級と1級はより専門的な知識が問われるので、公式テキスト(想定問題集)をしっかりやりこむ必要があるでしょう。
  • 平均勉強時間
    平均勉強時間は、ベースとなる知識によって大きく異なります。例えば、整形外科医や看護師などの医療従事者は、もともと専門の医学知識が高いため、学習時間は短縮できるでしょう。
    しかし、スポーツ医学を初めて学ぶ人は、公式テキストをしっかりと読み込まないと合格が難しいレベルの試験です。最低でも公式テキストを繰り返し読み込むだけの時間は確保する必要があります。

参考:一般社団法人日本スポーツ医学検定機構

スポーツ医学を学べる場所

スポーツ医学は、学校で専門的に学ぶ事ができます。また、学校を卒業する事で、スポーツ医学を専門的に学んだ事の対外的な証明にもなります。
将来的にスポーツ医学に関連する職業に就きたい人や、専門的な知識を深く学びたい人は検討してみると良いでしょう。

ここでは、スポーツ医学を学べる場所として、大学と民間のスクールをご紹介します。

大学・短大

看護やリハビリ・健康などの医療関連の学部や体育系の学部でスポーツ医学を学ぶ事ができます。大学・短大でスポーツ医学を学ぶメリットは、スポーツ医学だけではなく健康や体育など関連する幅広い知識を学べる事です。

大学・短大を卒業すると「大卒」の学歴が得られる事から、スポーツ医学関連以外の職業に就職したくなったときにも、有利な条件で就職活動ができます。
大学の場合では専門的な知識をより深く学びたいのであれば、大学院に進学する事も可能です。

デメリットは、大学の場合ですと卒業まで最短で4年間かかるので、時間と費用がかかる事があげられます。

専門学校・専門スクール

スポーツ医学は、大学だけではなく専門学校・専門スクールで学ぶ事もできます。

専門学校・専門スクールの大きな特徴は、仕事につながる実技や実習が豊富にカリキュラムに含まれている事です。2年もしくは3年制で、現場で役に立つスキルを実践的に学べます。

専門学校・専門スクールに入学後、より深く学習をしたくなった場合には、大学への編入制度の利用ができるケースもあります(制度がある場合)。専門学校で身につけた知識やスキルを土台として、大学で学術的な知識を身につける事ができます。

スポーツ医学を学んで就ける仕事とは?

スポーツ医学を学ぶと、どのような職場でスキルや知識を発揮する事ができるのでしょうか。この章では、スポーツ医学の知識や技術を活かせる仕事を4つご紹介します。

スポーツクラブ

スポーツクラブでは、スポーツ医学の知識を適切な指導・アドバイスのために用いる事ができます。

例えば、体操のプログラム作りや、体操のおこない方の指導にスポーツ医学の知識が役立つでしょう。万が一、運動中にトラブルや事故が生じた場合には、正しく処置をおこなう事ができます。

公共の体育施設

公共の体育施設でも、スポーツクラブと同様に、スポーツ医学に基づいたプログラム作り・運動指導・ケガやトラブルへの対処などの役割を担う事ができます。

整形外科

整形外科ではスポーツ医学の知識を、リハビリテーションのプログラム作りや指導に活かす事ができます。

スポーツ医学は、競技への復帰や運動機能の向上を目的としていますが、スポーツ選手だけでなく一般の人にも応用可能です。年齢を重ねるほどリスクが高まる身体の不調に向き合い、患者の生活レベルの向上を目指します。

トレーナー

実業団やプロチームに所属して、トレーニング方法や身体のケア方法などに関する、指導・アドバイスをおこないます。トレーナーにもさまざまな種類があります。

  • スポーツトレーナー
    スポーツトレーナーは、スポーツに関連する指導やケアを担当する仕事の総称です。
  • アスレチックトレーナー
    スポーツトレーナーの一種で、選手の健康管理・ケガの予防・救急処置・リハビリなどを担当します。一般的にスポーツトレーナーのなかで、日本体育協会認定の公認アスレティックトレーナー「JASA-AT」と、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定のアスレチック・トレーナー「JATAC-ATC」の、いずれかの資格を取得しているスポーツトレーナーの事を指します。
  • 専属トレーナー
    チームに専属し、遠征などに帯同して指導やアドバイスをおこないます。
  • パーソナルトレーナー
    パーソナルトレーナーは、個人を対象としたトレーナーです。マンツーマンで運動プログラムの指導や管理などをおこないます。

まとめ

スポーツ医学はスポーツの現場だけでなく、日常生活にも身近な医学分野です。「医学」と聞くと難しい専門職のイメージがあるかもしれませんが、民間資格であるスポーツ医学検定を取得する事で、一般の人でもスポーツ医学を学ぶ事ができます。

トレーナーや整形外科・スポーツクラブなど、スポーツ医学の知識を身につける事で活躍できる場がたくさんあるので、今後もますます注目されて行くでしょう。

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